子どものおねしょ(夜尿症)が治らない!原因と治す方法は?
子どものおねしょに悩まされているママは多いはず。
幼少の時期におねしょをするということはよくあるので、さほど気にならないです。
ですが、子どもが小学校に入ってもまだおねしょが治らない…もしかしたらそれは夜尿症かもしれません。
今回は夜尿症の原因や、対策についてまとめてみました。
おねしょと夜尿症の違い
おねしょとは、寝ている時知らずのうちにおしっこをしてしまうことで、4歳くらいまでの小さい子どもに多い症状です。
そして夜尿症とは
5歳になってもおねしょが続いていることを言います。
日本泌尿器科学会では下記のように夜尿症の定義がなされています。
子どものおねしょ(夜尿症)は、「5歳を過ぎて週に2回以上の頻度で、少なくとも3か月以上の期間において夜間睡眠中の尿失禁を認めるもの」と定義されます。
『おねしょ』(夜尿症)が治らない
5歳をすぎてもおねしょが続くような場合は、薬による治療や生活指導など対策を考えていかなければならない為、夜尿症と言う病名が名づけられています。
つまり「おねしょ」と「夜尿症」の本質は同じで、呼び方の違いはそれぞれが対象とする「年齢」にあるだけなのです。
中学生や高校生でも、夜尿症に悩んでいる子どもがいますので、ポピュラーな病気と言っても過言ではありません。
子供の夜尿症、原因は何?
おねしょはほとんどの子どもが小学生になる前に治ります。
それでは小学校に入ってもおねしょが治らない場合、どのような原因があるのでしょうか?
夜尿症の原因は複数あり、また複合的な場合が多いと言われています。
夜間に生産される尿が多い
寝る前に水分を多く摂れば、寝ている時に生産される尿の量が多くなるのは当たり前なのですが、そうでない場合でも尿が多く生産される子どもがいます。
尿のコントロールをするにあたって、脳から抗利尿ホルモンが分泌されます。
抗利尿ホルモンの分泌は、昼間は少なく、夜にたくさん分泌されます。
この抗利尿ホルモンは、たくさん分泌されると「尿の量を調整」することが出来ます。
つまり夜に分泌される抗利尿ホルモンの量が少ないと、寝ている間に尿がたくさん生産される為、おねしょの原因の1つとなっているのです。
この抗利尿ホルモンの分泌される量は、子どもが成長するにつれ整ってくるものとされています。
膀胱の容量が小さい
膀胱の容量は、昼間の膀胱容量と夜間の膀胱容量で違いがあります。
夜間の膀胱容量の方が、昼間の膀胱容量より「1.5~2倍」大きいと言われています。
つまり夜間の膀胱容量が小さい場合で、寝ている時に生産される尿の量が多いと、膀胱の容量オーバーとなり、おねしょをしてしまうのです。
ちなみに夜間の膀胱の容量も、子どもが成長するにつれ発達していきます。
子どもの夜更かし
夜更かしをすると、夜尿症を悪化させます。
なぜかというと夜更かしすることにより、「ホルモンバランスが崩れてしまう」ことが原因なのです。
本来なら分泌されるはずの、抗利尿ホルモンが正常に分泌されず、おねしょをしてしまうということに繋がります。
心理的なストレス
おねしょが6ヶ月~1年以上の間無くなっていたにも関わらず、突然またおねしょが始まった場合は、「ストレス」が原因となっていることが多いです。
強いストレスを感じることで、自律神経の働きが悪くなり、この場合も抗利尿ホルモンが正常に分泌されず、夜尿症の原因となることがあります。
ストレスが解消されることで、自然と治まっていくことが多いです。
体の冷え
夜尿症の子どもには、冷え性の子供に多いようです。
体が冷えてしまうと、膀胱の緊張が高まるのでおねしょの原因となります。
また冷え性の人は眠りが浅いとも言われていますので、抗利尿ホルモンの分泌も少なくなってしまいます。
腎臓、膀胱の異常
おしっこは肝臓で作られています。作られたおしっこは一旦、膀胱に溜められます。
おしっこがある程度溜まると尿意を感じ、体外に排出される仕組みになっています。
ですが、肝臓・膀胱になんらかの異常があると、正常に機能せず夜尿症に原因になることがあります。
この場合は薬での治療が必要になってくる場合があります。後ほど病院について説明しますのでご確認ください。
夜尿症を治す方法
子どもが小学校に入っても、おねしょが続いているとなるとなんとか治したいと思うのは当然です。
おねしょをされるとシーツを洗ったり、布団を干したりするのは親なので、これが毎日の作業となると大変ですよね。
夜尿症を治すためには、子どもの努力だけではなく、親のサポートも必要になります。おねしょをしない為の対策をまとめました。
規則正しい生活のリズムを心がける
自律神経は膀胱や尿道のはたらきを調節しています。
不規則な生活をしていると、自律神経がうまく働かなくなってしまいます。
薬で治療していても、不規則な生活をしていては、効果が出づらくなるので生活リズムを整える必要があります。
規則正しく生活することで、抗利尿ホルモンの分泌に良い影響があると考えられています。
子どもには早寝早起き、3食の食事をきっちり摂るなど、生活のリズムを規則正しくさせましょう。
塩分、水分のとりかたに気をつける
塩分を摂り過ぎるとのどが渇いてしまいます。
そのことにより、水分を多量に飲んでしまうきっかけをつくることになります。
ですので食事の塩分を親が調節し、夜間の水分は多く摂らないようにしてください。
そして水分摂取は、「寝る2時間前」に済ませて置くようにしましょう。
寝るときの冷えから守る
前項でもお話したとおり、身体が冷えていると夜尿症の原因となります。
寝る前に子どもの手足が冷えていないか確認をしてみてください。
人によって体感温度に差があります。
同じ部屋で過ごしている親は寒くなくても、子どもは寒く感じている可能性があります。
特に寝ている時の子どもの体が冷えていないか確認してあげましょう。
寝る前に温かいお風呂に入ると体を温めるということに有効です。
寝る前にトイレに行く
寝る前にトイレに行く事で、寝ている間に生産されるおしっこを溜める、「夜間膀胱の容量」に空きができます。
子どもが寝る前にトイレに行くことを、習慣づけるようにすると良いですよ。
夜尿アラームを使う
子どもが眠る時に、パンツに水分を感知するセンサー(夜尿アラーム)を取り付けておくと、おねしょをした時に水分を感知してアラームが鳴ります。
アラームが鳴る事でおねしょをしない訓練になるとお考えください。
ただしおねしょの原因はストレスや心因的なものもあり、夜尿アラームがストレスになる可能性があります。
夜尿アラームの使い方がこちらに詳しく書かれていましたので参考にしてみてください。
夜尿アラームの使い方(写真あり)
夜尿症の子を持つ親の心得3大原則
夜尿の子を持つ親の心得として3大原則があります。
- 起こさない
- 焦らない
- 怒らない
です。
起こさない
子どもが寝ているいる夜中に、わざわざ子どもを起こしてトイレに行かせることは禁物です。
何度も夜中に子どもを起こすことによって、子どもの睡眠リズムを乱してしまいます。
そうなると、尿量の調整する抗利尿ホルモンの分泌に悪影響を与えてしまい、夜尿がひどくなる原因になることがあるので気を付けましょう。
焦らない
おねしょの原因は子どもによってさまざまです。そして子どもの発達も個人差があります。
ですので「お友達はもうおねしょしないのに、うちの子はまだおねしょが治らない…」などとママ焦る必要はありません。
前述したように夜尿症の原因はいくつもあります。
焦るのではなく一つ一つの原因を潰していくのが夜尿症治療の近道です。
怒らない
おねしょをしても子どもを怒ってはいけません。
子どもがおねしょをしたくてしてるわけではありませんし、親が怒ることで子どもは落ち込みます。
おねしょする度に怒られていては、子どもが寝る時に「おねしょしたらどうしよう」とストレスを感じさせてしまうことになりますからね。
おねしょは親が子供を怒ったからといって治るものではありません。
小学校に入ってもおねしょ(夜尿症)が治らないなら病院へ
夜尿症で病院に行くタイミングは、
「小学校に入ってもおねしょが治らない場合」と言われています。
ですが夜尿症は成長するにつれ自然と完治するものなので、おねしょの頻度がそれほど多くなければ、しばらくは家で様子をみるのも良いでしょう。
小学校の高学年で夜尿症が治っていない場合は、病院に行くことをおすすめします。
小学校高学年では学校での泊りの合宿や修学旅行などがあるので、友達がたくさんいる中でおねしょをするのは子どもがかわいそうですよね。
ですので、行事までに治るように病院に行くようにしましょう。
夜尿症はほとんどの人が自然に完治するものですが、もし肝臓や膀胱に異常があるとお薬による治療が必要になります。
こちらから全国の夜尿症の相談が出来る病院を検索することが出来ます。
おねしょ卒業!プロジェクト
年齢別の病院に行く目安
おねしょが治らなくて困っていても、病院へ行くタイミングに悩みますよね。
小学校入学後の年齢別に病院に行くタイミングを一覧にしましたので、参考にしてみてください。
- 5歳→まだ病院に行かなくて良いでしょう
- 6~7歳→週に4~6回以上
- 8~9歳→週に2~4回以上
- 10歳以上→週に1回以上
(年齢/おねしょの回数)
薬による治療方法
病院に行って夜尿症治療を行うと、治療方法として薬を使う場合があります
夜尿症診療のガイドラインにて、効果があると言われているのは、こちらの3つです。
【抗うつ薬】
尿意を感じさせ目覚めさせる作用、尿量を減少させる作用があると言われています。
【抗利尿ホルモン】
脳の下垂体という部分から出るホルモンです。腎臓に働きかけ、水分を体内に戻す作用があります。
【抗コリン薬】
自律神経に作用します。排尿運動を抑制したり、尿の量や膀胱容量の増加、膀胱の機能の安定化に作用します。
心理カウンセリングによる治療
また、薬以外にも心理カウンセリングで治療する方法もあります。
6ヶ月~1年以上の間無くなっていたにも関わらず夜尿が再発した場合は、ストレスが原因の可能性があります。
ストレスが原因の場合は、心理カウンセリングによる治療になります。
手術による治療
薬が効果無い場合やストレス的なものでは無い場合で、排尿器官に問題がある場合は外科手術治療が行われます。
まとめ
夜尿症は成長と共に、自然と完治しやすいものなので大きな心配をする必要はありません。
中学生、高校生でも夜尿症の子どもはいますが、完治する病気なので焦らず治していきましょう。
まずは子どもがおねしょする原因を考え、治す方法を参考にしてみてください。
塩分を少なめにし夜の水分摂取を抑える。夜は早く寝るようにする。体が冷えないように暖かい格好をする。
これだけで、おねしょはかなり改善されます。
そしておねしょをしなかったときはしっかりほめてあげることが大切です。
オムツの使用は、「かえっておねしょを長引かせてしまうのではないか」と心配するママがいますが、実はあまり関係ありません。
ですので、オムツを使うことでママの後片付けはとても楽になります。
あまりにもおねしょの頻度が多い場合は、病院で相談してみましょう。
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