夫婦控除についての情報まとめ
※10/19追記
2017年度中に配偶者控除が廃止されない可能性が高くなりました。(ですので夫婦控除の導入も先延ばしされるでしょう)
夫婦控除という言葉をご存知ですか?
夫婦控除についてはまだ議論をされている段階ですので、知らない人も多いかと思います。
それでは、配偶者控除が廃止されることはご存知ですか?
こちらは知っている人が多いかと思います。
実は「夫婦控除」は、配偶者控除が廃止されるにあたって代わりに用意されるであろう制度です。
今回はこの夫婦控除についての情報をまとめます。
(議論が進んで詳細が判明した場合は、どんどん追記していきます)
このページの目次
夫婦控除って一体なに?
夫婦控除とは、配偶者控除が廃止される代わりに、新たに導入が検討されている新しい制度です
2017年の税制改革で検討されている大きなテーマの一つに、「配偶者控除の廃止」があります。
配偶者控除が廃止され、その代わりに「夫婦控除」の導入が検討されているのです。
ちなみに税制改革とは、「その時代の社会に合った税制」にする改革です。
例えば大震災が発生した場合に、被害を受けた人たちの税金を優遇する必要がありますが、その優遇措置は税制改正で話し合われます。
夫婦控除はその名の通り、「夫婦」が納める税金を優遇する制度です。
それでは何故今になって夫婦控除の導入が検討されているのでしょうか?
夫婦控除が出来る理由
夫婦控除が導入される理由には、配偶者控除の廃止が大きく関係しています。
高度成長期の日本は「夫は外で働き、妻は専業主婦」であることが、暗黙に家庭の理想とされてきました。
夫が快適に働けるのは、専業主婦である妻の手助けがあるからです。
それであれば「妻が専業主婦をしている家庭は税金を優遇しよう。」と考えられ、その制度が配偶者控除なのです。
(完全な専業主婦のみではなく、給与が103万円以下の家庭が配偶者控除を受けられます。)
ただ高度成長期が終わり長い不況にあえぐ今の日本は、専業主婦がいる家庭の割合がかなり減りました。
夫も妻も働く、いわゆる「共働き世帯」が中心となったのです。
共働きが中心になると、今までの配偶者控除との兼ね合いが問題になってきました。
妻が一定以上(103万円以上の給与)を稼ぐと配偶者控除を受けることが出来なくなり、税金が高くなってしまうと言う状態になってしまいました。
働く時間を抑えたほうが、手元に残るお金が多いという矛盾が生まれたのです。
本当はもっと働きたいのに、税金を多く取られてしまうため仕事時間を抑えると言う、非常にもったいない家庭が増えました。
安倍内閣は「女性の働き方」を重視しています。
女性も仕事社会で活躍することで、日本はより成長できると考えています。
そう考えると、配偶者控除を廃止して、女性にはもっと働いて、社会で活躍してもらうのが理想なのです。
これは「一億総活躍社会」にも通じる物がありますね。
ただし配偶者控除を廃止すると、専業主婦の人は給与は無いのに納める税金だけが増えてしまいます。
また、共働き世代も納める税金が増えてしまいます。
そこで考えられたのが「夫婦であれば誰でも控除が受けられる」夫婦控除です。
夫婦控除はこのような理由で導入が検討されているのです。
夫婦控除はいつから始まるの?
この夫婦控除は一体いつから始まるのでしょうか?
実は夫婦控除はいつから始まるか、2016年9月現在まだ未定です。
そもそも、夫婦控除が導入されるかどうかも不明です。
と言いますのも、まだ平成29年度の税制改正について、議論が開始されていないからです。
平成29年度の税制改正で導入が検討されていますので、最も早くて平成29年(2017年)の1月に導入されます。(ただし導入されるかどうかは不明です)
平成28年12月中旬頃に公表される、「平成29年度税制改正大綱」にて、夫婦控除の詳細がわかるようになります。(もしくは導入されないことがわかるようになります)
夫婦控除の内容
それでは夫婦控除とは一体どんな制度なのでしょうか?
勘の良い方はお気づきかと思いますが、夫婦控除の内容はまだ決まっていません。
これは開始時期と同じで、まだ議論されていないからです。
ただし配偶者控除が廃止されますので、それと同等もしくは少し控除額が減るぐらいかと思われます。
なぜ控除額が減るかと良いますと、夫婦であれば無条件に受けることが出来ますので、今の配偶者控除と違い適用される人が増えるためです。
平成29年度税制改正の議論はまだ行われていませんが、「おそらくこうなるのでは?」と言う予想はちらほら出てきています。
まずは、
対象者は夫婦であること。
と予想されています。
夫婦であれば所得や環境に関係なく、誰でも控除されると言うことです。
そして
所得控除ではなく税額控除になる。
と予想されています。
今までの配偶者控除は所得控除でしたが、夫婦控除は税額控除になるだろうと予想されています。
税額控除とは、最終的に算出された税金額から一定の金額を差し引くことを言います。(家庭の状況に関係なく一律で納める税金額が減ります。)
対して所得控除とは、税金額を決める課税所得から一定の金額を差し引くことを言います。(家庭の状況によって納める税金額が変わります。)
一体いくら控除されるのか、いつから控除されるのか、控除されない人はいるのかなどなど、夫婦控除の詳細はこれから議論がされていきます。
夫婦控除で影響を受ける人
それでは夫婦控除で影響を受ける人は、一体どのような人でしょうか?
特に得をする人と損をする人は一体どのような人なのでしょうか?
夫婦控除で得をする人
夫婦控除で得をする人、言い換えればメリットを享受できる人、それは「妻が103万円以上稼ぐことが出来る」共働き世帯です。
妻が103万円以上稼ぐ世帯は、配偶者控除を受けることが出来ず、多い税金を払っていました。
これから導入が検討されている夫婦控除は、夫婦であれば所得は関係ありません。
ですので、妻が103万円以上稼ぐ世帯は結果的に納める税金額が減ります。
また、今まで配偶者控除を受けるために、「給与を103万円以下」にしていた家庭も得が出来ます。
なぜなら、これからは103万円以下にしようが103万円以上にしようが、納める税金額は変わらないからです。
ですので働く時間を増やし、手元に残るお金を増やすことが出来ます。
夫婦控除で損をする人
逆に夫婦控除で損をする人、こちらも言い換えればデメリットを享受しなければならない人もいます。
それは妻(もしくは夫)が専業主婦の家庭です。
今まで専業主婦の人は配偶者控除で所得税で38万円、住民税で33万円の所得控除を受けることが出来ていましたが、これが廃止されます。
代わりに夫婦控除が導入されるので問題ないように感じますが、夫婦控除は共働きの世帯に「も」適用されます。
すなわち、配偶者控除よりも対象になる人が増えるのです。
そうなると一人あたりの控除額を減らさないと、国の税金が減ってしまいます。
ですので、配偶者控除に比べて夫婦控除は、控除額が少なくなる可能性が大です。
となると専業主婦の家庭は納める税金が増えることになるでしょう。
また、配偶者控除が廃止され夫婦控除が導入されても、妻が103万円以下の所得である家庭も損をする可能性があります。
まとめ
まだ導入が検討されている段階の夫婦控除ですが、配偶者控除が廃止されるとなると、ほぼ間違いなく導入されると思われます。
専業主婦がいる世帯の人は損をしますが、現在の日本では共働き世帯よりも、専業主婦がいる世帯の方が裕福と考えられますので、仕方のない面があります。
今後は女性がどれだけ働いても損をしない税制になりますので、社会で活躍できる女性が増えてくることが予想されます。
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配偶者控除の廃止については別記事にまとめました。