子どものアトピーには保湿が大事!正しい保湿ケアとNG保湿ケア
アトピーは皮膚の抵抗が弱い乳幼児に多くあらわれる症状です。
成長していくとアトピーが自然に治っていくことが多いのですが、なかなか症状が良くならずアトピーが慢性化してしまう子どももいます。
アトピーは掻けば掻くほどひどくなります。しかし我慢できないほどかゆくなるのも事実。
そんなアトピー肌に有効な方法と言えば保湿です。保湿をすればかゆみはましになるので、正しい保湿方法で子どものアトピー改善に努めていきましょう。
このページの目次
アトピー原因と症状
アトピーがましになる保湿方法を知る前に、まずアトピーの原因と症状を知る必要があります。
アトピーの原因と症状を知っておかないと、やってはいけない保湿方法を取ってしまうからです。
アトピーになる原因は?
アトピーの症状は、乳幼児の頃に発生することが多いようです。
ほとんどの場合成長と共に症状は治まっていくのですが、最近はアトピーが治らないまま大人になる人も増えています。
なぜアトピー性皮膚炎になるのかと言うと、肌の水分保持力が低くて乾燥しやすいからと言われています。
肌の水分保持力は正常な肌の人の場合、下記の配分となります。
角質層の細胞間脂質…80%
NMF(天然保湿因子)…18%
皮脂…2%
アトピー性皮膚炎の人は、この角質層の「細胞間脂質」が正常な肌の人に比べて少ないのです。
細胞間脂質が少ないと肌は乾燥しやすく、肌を守るバリア機能も低下してしまいます。
肌を守るバリア機能が低下してしまうと、肌が炎症を起こしてかゆみが発生しやすくなってしまうのです。
アトピー性皮膚炎はストレスや食生活も原因と言われていますが、直接的要因は角質層の細胞間脂質が少ないことによる皮膚の乾燥と言われています。
ですので肌の保湿をしっかりおこない乾燥を防ぐことで、アトピー肌を改善させることが出来るのです。
アトピーの特徴や症状
そんなアトピーはどのような症状が発生するのでしょうか?
- 肌の乾燥
- 肌が乾燥と炎症を繰り返して硬くなる
- 湿疹があり円状に広がる
- フケのような皮膚の小片がはがれ落ちる
- 皮膚に赤い炎症がおきる
- 痒みによる掻いたあとのかさぶたがある
- 肌がただれる
- 肌がひび割れる
といった肌のトラブルがおきます。
アトピー性皮膚炎の肌の外見は、肌が全体的にカサカサしていて、人によっては細かい掻き傷がたくさんあります。
特に慢性化したアトピーは痒みが強く、とても辛いものです。しっかりと保湿対策をしたいですね。
アトピーの保湿は2種類の方法が
それでは個々からが本題です。アトピーのかゆみを抑えるために、どのような保湿方法があるのでしょうか?
肌の水分が足りないアトピーの肌には「水分の補給」と「蒸発を防ぐ」ことが必要とされます。
そして、この保湿方法は大きく分けると2種類の方法に分けられます。
- 肌表面をカバーする保湿
- 肌内面に水分を与える保湿
それぞれに有効な保湿剤があるので紹介します。
肌の表面を保護し、異物の侵入や水分の蒸発を防ぐ保湿剤
アトピー性皮膚炎で傷ついた肌の表面は、掻き傷が出来ていて外部からの汚れや雑菌が傷口に入りやすく、炎症を起こしやすくなっています。
掻き傷が出来ないように肌の表面を保護し、外からの刺激から守ることが出来る保湿剤があります。
- ワセリン
- ホホバオイル
- 馬油
- シアバター
これらが肌の表面を保護してくれる保湿剤です。
これらは油分を肌の表面に塗ることで肌を保護するという役目があります。さらに、これらは肌の水分の蒸発を防いでくれる効果もあります。
肌の内側の水分を浸透・保持する保湿剤
肌の内側にはセラミドという細胞間脂質があり、この細胞によって肌の潤いが保たれています。
アトピー性皮膚炎の場合、細胞間脂質が不足しているため、乾燥しやすい肌になります。
ですので、肌の内側に水分を補給する必要があります。
- ヒアルロン酸
- アミノ酸
- グリセリン
- 尿素
これらが肌の内面に潤いを浸透させる保湿剤です。
これらは肌自身に潤いを与えてくれる役目があります。
アトピー肌の症状によって保湿剤を選ぶ
アトピー肌とは言うものの、乾燥しているだけで軽度な症状の場合もあれば、掻き傷により肌が傷ついている重度な場合があります
。
この「肌のダメージ」によって、保湿剤も使い分ける必要があります。
乾燥はしているが傷がない場合
乾燥はしているものの、傷がなくて軽度なアトピーの場合は、肌の内部に水分が行き渡るように保湿するようにしてください。
しっかり保湿してもすぐ乾燥してしまうことがあります。
そのような場合は、まず肌に水分をしっかりしみこませて保湿した後、肌の表面を覆う為にワセリンを使って肌を保護して保湿するといいでしょう。
肌の水分の蒸発を防ぎ、異物による外からの刺激からも保護できます。
乾燥していて傷がある場合
乾燥肌に加え、傷やひび割れがあるような場合は、保湿剤を使うことによってアトピーが悪化してしまう場合があります。
傷がある部分を保湿すると、肌がしみてしまうことがあり炎症をひどくさせてしまうのです。
このような場合は、天然成分でできたミネラルウォーターで保湿するようにしても良いでしょう。コットンにミネラルウォーターを湿らせて患部を保湿しましょう。
ミネラルウォーターすら、しみて対処できない時は皮膚科で受診してください。
正しい保湿ケア方法
アトピーで悩む人が、かゆみを軽減するには保湿ケアを徹底することです。
保湿ケアを徹底することで、子どものアトピーが早く改善することもありますが、「正しい方法で保湿すること」が大切です。
入浴後はすぐ保湿する
アトピー肌はお風呂に入った後に痒みがひどくなる人が多くいます。
これはお風呂にはいると身体の保湿成分が洗い流されるため、お風呂から出た後に身体が乾燥してしまうことが原因です。
さらに身体が温まっていることによって、血行が良くなり痒みをひどくさせます。
入浴後の肌は水分が蒸発しやすくなりますので、すぐに保湿をする必要があります。
ちなみに入浴後の保湿するまでの時間が長ければ長いほど肌への負担は大きく、乾燥と痒みがひどくなることが多いです。
ですので、入浴後はすぐにでも保湿した方が良いのです。
子ども自身が保湿剤を塗るとなると、ムラができてしまうことがあります。
それに背中や足の裏側など、保湿剤を塗り忘れることもありますので、保湿剤は親がきちんと塗るようにしましょう。
保湿剤を塗る前に体の水分をバスタオルでしっかりとっておきましょう。
1番おすすめな方法は、浴室に保湿剤を常備しておいて入浴後は浴室で保湿をすることです。
浴室で保湿をすると乾燥する前に保湿が出来て、肌表面のバリアーが出来るのでアトピー肌の人には本当におすすめです。
洗顔後すぐに保湿する
「洗顔後すぐに保湿する」というのは、先程お話したお風呂の後の保湿と同様のことが言えます。
洗顔料を使って顔を洗った後は、顔の油分や保湿成分が洗い流されていますので、無防備な状態になっています。
このような時に少しの時間でも放置していると、肌の乾燥がひどくなってしまいます。
ですので、洗顔をした後はすぐに保湿してください。すぐ保湿できるように、保湿剤を洗面場に置いておくようにしましょう。
蒸しタオルで肌を柔らかくする
蒸しタオルを使って顔を蒸らすことで肌を柔らかくし、保湿剤を浸透しやすくします。
アトピー性皮膚炎の肌は、何度も掻くことにより肌が固くなってしまっている子どもが多いです。
少しでも肌を柔らかくできれば、保湿剤の浸透は効果が出ます。そのために蒸しタオルで肌を温めて柔らかくするのです。
ここで注意しておきたいことは、蒸しタオルの温度です。
蒸しタオルの温度があまりに熱すぎると、肌には負担をかけてしまい痒みを悪化させてしまうことがあるので逆効果になります。
ですので蒸しタオルを顔に当てたとき「熱い!」と感じるような温度は逆効果です。暖かくて気持ちいいと思える程度の温かさが適温です。
乾燥している箇所に部分パックする
保湿と言えば「パック」です。
ですがパックには元々いろいろ成分や添加物が入っています。この中にアトピーが悪化する成分があったら大変です。
ですので市販されている顔パックを使うのではなく、子どもがいつも保湿ケアで使っている化粧品をコットンに染み込ませて、乾燥が気になる箇所に部分パックしましょう。
いつもの保湿にワセリンをプラスする
保湿効果にとても役立つ保湿剤として代表的なものは「ワセリン」です。
ワセリンは化粧水などのように肌に浸透しないで皮膚の表面をカバーする役割があり、塗ることで皮膚の上に油分の膜ができます。
膜を張ることで肌の角質層の水分が蒸発しにくくなり、外からの異物による刺激も防いでくれるので肌の保護に役立ちます。
このワセリンをいつも使っている保湿ケア用品と一緒に使うことで、より一層肌を保護することが出来るのです。
敏感肌には無添加の保湿剤を使う
アトピー性皮膚炎の子どもには敏感肌が多いです。
敏感肌はちょっとしたことでも刺激を受けやすいので、炎症やかゆみの原因になります。
そのためアトピーで悩んでいる子どもには低刺激、無添加な保湿剤が好ましいです。ですが無添加だからといって、誰の肌にも合う保湿剤はありません。
ですので肌が敏感な子どもには、保湿剤を使う前に少量を腕につけてパッチテストをおこないましょう。
アレルギー反応が現れた場合は、違う保湿剤を使うようにしてください。子どもにあった保湿剤を選んで使用することが大切です。
やってはいけない保湿ケア方法
間違った保湿ケアをしていると、アトピーは改善するどころか悪化してしまいます。ですので、これらの保湿ケアは避けましょう。
過剰の保湿はNG
今までアトピー肌には保湿が必要というお話をしましたが、
過剰な保湿はかえってアトピー肌を悪化させてしまう原因にもなります。また、皮膚の回復を遅らせる原因にもなります。
アトピーにより肌が乾燥しているからと言って、保湿を自分の力だけではなく保湿アイテムに頼りきってしまうということは、肌本来の再生機能を使わないということになります。
その機能を使わないでいると、自分で再生する力を低下させてしまう原因になるのです。
つまり過剰に保湿することによって、肌を甘やかしすぎてしまい肌が自分で回復する力を弱めていくと言うことなのです。
肌のターンオーバーは、肌の再生機能が正常に働くことによって新しい皮膚が表面に現れます。
ですがこの再生機能が働かないということは、アトピーによって荒れた肌から、新しい健康な肌に生まれ変わることが出来ないという事になるのです。
ですので、過剰な保湿はしないように気をつけましょう。
過剰に洗いすぎるとNG
過剰に洗いすぎるということも、アトピー肌にとっては負担になり肌の乾燥を招いてしまいます。
アトピー肌の場合、「清潔でいよう」と思うが故にごしごし念入りに洗ってしまったり、1日に何回もお風呂に入ったり、洗顔をする子どもがいます。
ですがこれをすると肌に必要な油分も流れてしまい、より乾燥してしまいます。洗いすぎることで肌のバリア機能は弱まります。
だからといって肌を不衛生にしては細菌感染の原因になります。ですのでお風呂は基本的に1日1回にし、適度に洗うことがベストということです。
いま話題の脱保湿はおすすめできない
いままで「アトピーには保湿が大切!」とお話してきましたが、最近では「脱保湿」でアトピーを改善するという方法もあります。
保湿剤という、他の力を借りることによって、自力で肌を再生させる機能が弱まってしまうという考えの人がいます。
このことから保湿剤は避けて、自力で皮膚を再生する力を強めて、アトピーを改善しようと言う考えなのです。
ですが脱保湿はアトピー肌に大きなリスクがあります。リスクについてもこの後お話していきますが、そもそも脱保湿というのは何なのでしょうか?
脱保湿とは
脱保湿とは、肌の保湿を一切行わない方法です。
アトピー肌の場合、一般的には保湿をして肌の乾燥を抑えるものなのですが、脱保湿は真逆の方法です。
保湿は一切行わずにわざと肌を乾燥させて剥がれ落とし、肌本来の再生機能を利用して新しい皮膚を作り出して改善しようという考えです。
脱保湿のリスク
脱保湿でアトピーが改善した人は実際にいますが、中には悪化する人もいます。脱保湿によるリスクはいくつかあります。
まず乾燥している肌をさらに乾燥させることにより、肌は余計にボロボロになってしまい、外見がみるにつらい状態になってしまいます。
その後、肌が綺麗に再生してくれればいいのですが、最悪の場合、乾燥した肌が炎症をおこし細菌感染することがあります。
アトピー性皮膚炎の特徴は肌の乾燥がありますが、それに加え強い痒みがあります。保湿をしないで、乾燥させ続けることで痒みはより強いものになります。
あえて乾燥させているので掻きむしることを避けることは難しく、掻いた後の傷や、ひび割れから細菌が入り込み、感染症を同時に引き起こすリスクが出ます。
そうなってしまうと肌が膿んだり、ただれてしまったりする原因になりかねません。
ですので、リスクを承知の上で脱保湿をおこなうなら構いませんが、おすすめできる方法ではありません。
子どもに合う保湿ケアをすること
保湿のケア方法は人によって「肌に合う・合わない」「効き目がある・ない」があります。
この方法は子どもにはぴったりであっても、他の人にとっては悪化させてしまうという場合もあるのです。
子どもの肌の調子が良いか悪いかは、日頃から見ている親が1番わかっているはずです。
ですので幾つかの保湿ケアと子どもに試し、一番効果のあった保湿ケアを続けることが、アトピーをましにさせる秘訣です。
まとめ
アトピーの保湿ケア対策はいかがでしたか?
アトピーが少しでも改善できるよう、お肌を蒸らして肌を柔らかくし、保湿剤が浸透しやすいようにするなどのケアを日頃から心がけましょう。
肌を清潔に保つことは大切ですが、洗いすぎることによって、肌が余計に乾燥してしまう原因になりますので、洗いすぎには気をつけましょう。
アトピーに効く万能な方法はありませんので子どもに合った保湿ケアをすることが大切です。また、あまりにひどい場合は小児科もしくは皮膚科を受診しましょう。
子どものニキビも厄介です。ニキビの治し方と予防はこちらにまとめました。
保湿もやりすぎたら良くないんですね、知りませんでした。
できるだけ乾燥しないように保湿剤を使っていたので、少し控えてみます。
ねおん様
コメントありがとうございます。
保湿はほどほどにして、アトピー改善に役立ててください。