子供が車酔い(乗り物酔い)をする原因と酔わないための対策
休日に車に乗って、家族で遠出することは楽しいですよね。
しかし楽しくなるはずのおでかけが、車酔いが原因で子供にとっては全く楽しくない思い出になる可能性があります
車酔いはなったことがある本人にしかわからないのですが、非常に気持ち悪くお酒の酔いとは気持ち悪さが違います。
特に子供は大人よりも車酔いしやすいので、遠出する時は子供への配慮が必要です。その為にも、子供が車酔いする原因や対策を心得ておきましょう。
さらに車酔いしない体作りの方法や、車酔い用のお薬もご紹介しますのでお役に立てると幸いです。
このページの目次
車酔いする原因
車酔いの原因は大きくわけて、3つの器官が関係しています。
- 耳
- 目
- 鼻
この器官が刺激されることにより、車酔いになります。
揺れることで耳から酔う
車酔いには「三半規管」が大きく関係しています。
三半規管は鼓膜内側の中耳にあります。前半規管・後半規管・外側半規管と3本あり、この3つをまとめて三半規管と言います。
この三半規管は主に平衡感覚を司っており、私達がまっすぐ歩くことが出来るのはこの三半規管のおかげなのです。
車が揺れることでこの三半規管が刺激を受けると、めまいや吐き気などが引き起こされてしまいます。
車やバス・遊園地での乗り物などの揺れが激しい乗り物を乗ることで、三半規管が刺激を受けて車酔いになるのです。
大人になって車酔いをしなくても、船酔いをする人は多いですよね。あれは船は車以上に揺れるからと言えます。
このことから、車酔いは「加速病」「動揺病」とも言われています。
景色が変わり目から酔う
目から入ってくる情報によっても、車酔いになります。
人は目で見る景色を情報として取り入れ、脳で自分の体がある位置や傾きを処理しています。これにより、姿勢を正しく保つことが出来るのです。
ですが乗り物に乗ることによって、目から入る情報と自分のいる位置に誤差が生じてしまい脳が混乱してします。
車に乗ると目で見ている景色は次々変わりスピード感があるのに、自分の体は動かしていませんよね。
それにより、感覚のズレが生じて脳で処理しきれなくなり、車酔いの症状がでてしまうのです。
これは乗り物だけに限ったことではありません。3Dの映像も同様のことが言えるのです。
目からは立体感があるリアルな映像が入ってくるのに、体は動いていないので脳が混乱をおこしてしまうのです。
このことからもわかるように、目から入る情報と脳の処理が不一致になることが、車酔いの原因の1つなのです。
臭いが原因で鼻から酔う
車に乗ってすぐに気分が悪くなることを「途端酔い」とも言うのですが、車酔いする9割の子供は車に乗ってすぐに気分を悪くしているというデータがあります。
参照:「車酔い」の原因は臭いだった? 9割の子「乗ってすぐに気分が悪くなる」経験
車酔いは揺れや振動によってなると考えてしまいますが、実は臭いによる車酔いがとても多いのです。
車の中の臭いが嫌で不快感を感じ、車酔いするということです。
家の車だと車酔いするけれど、他の人の車なら車酔いしないという子供もいますし、市バスは大丈夫だけれども、観光バスでは車酔いするという子供もいます。
臭いは、脳に強い刺激を与えます。不快感のあるに臭いって誰しも持っていますよね。その臭いが原因で自律神経にストレスを与え、気分が悪くなり車酔いに繋がるのです。
車酔い対策
それでは、車酔いしない為にはどのような対策が必要なのかを書いていきます。
十分な睡眠をとっておく
「明日はお出かけ」となると、子供は楽しみでなかなか眠れないなんてこともありますよね。
その気持ちはわかりますが、子供が睡眠不足だと前日の疲れは完全に取れませんし、体調が万全ではありません。当然疲れやすくなりますし、車酔いの原因にもなります。
ですので車やバスなどで出かける予定がある時は、当日睡眠不足にならないようにしなければなりません。
前日から早めに子供を起こし、寝る時間も早くなるよう時間のサイクルを調整しておきましょう。
空腹と満腹を避ける
出かける前に空腹・満腹であっても、車酔いした時に吐き気や嘔吐の原因になります。
まずお腹が空いていると、自律神経が刺激され、車酔いしやすくなります。逆に、お腹いっぱいになりすぎても少しの揺れで嘔吐しやすくなります。
ですので軽く食べれる、小さなおにぎりや飲み物を持って乗ったり、乗り物に乗る前に消化のいい食べ物を少し食べておいたりするのが良いでしょう。
ゲームやスマホは使用しない
車やバスなどの移動中、子供は退屈してしまう場面が多々あるかと思います。そんな時にスマホやゲームは子供の暇つぶしにとっても役立ちますよね。ですがこれも車酔いの原因になります。
スマホやゲーム画面を見ていると、下を向いてしまいがちになり、周りの景色が目に入りません。
そうなると目で見る情報は動いていないのに、体は揺れを感じる為に脳が混乱してしまい、車酔いになってしまいます。
これはスマホやゲームに限らず、車内でのテレビや読書にも同じことが言えます。
ですので乗り物での移動中は、下を向かず外の景色をなるべく見るようにしましょう。
車の臭いを消臭する
臭いは、人間の感覚の中でも脳に強く伝わるります。不快に感じる臭いは脳や自律神経にストレスを与えると考えられ、それは車酔いにも影響していると言われています。
車の中の臭いが苦手で気持ち悪くなるなり、酔ってしまう子供がいます。ですので自家用車で出かける場合は、おでかけ前に消臭スプレーで車の臭いを取っておきましょう。
前に座る
車やバスに乗る時に、「揺れが少ないから前方に座る」とよく聞きますが、実際は前に座っても後ろに座っても揺れは大差ありません。
前に座ることで酔いにくいと言うのは、これも視界が関係しています。
これは、先程も話たことと同じですが、目でみる情報と体の動きの不一致で起こる脳の混乱です。
想像してみていただけたらわかると思うのですが、後方に座って前を見たとき、目に映るのは車内や椅子・人の後頭部ですよね。外の景色はあまり目に入ってきません。ですが前方に座ると、フロントガラスから外の景色が観えます。
これにより、目で見る情報と体の動きによる脳の混乱が少なくなるので、車酔いをしにくくさせることが出来るということなのです。
荒い運転をしない
車に酔いやすい子供を車に乗せる時は、ゆっくりやさしい運転が理想的です。
急発進や急停車をしていると、揺れも激しくなりますので車酔いしやすくなってしまいます。
ですので曲がる時もゆっくり曲がり、やさしい運転を心がけましょう。
ゆったりした服を着せる
車酔いしやすい子供には、その乗り物内でもゆったりできる環境が必要です。
特に長時間の移動となると、疲れは溜まりやすくなりますので車酔いを引き起こす原因にもなります。
その為にも服装は窮屈ではない方が良いですし、足元も楽になるよう靴を脱がせておくようにしましょう。
酔い止めの薬を飲む
乗り物に乗る前に、酔い止めの薬を飲むことは効果的です。
車酔いの薬は、内耳神経系の刺激を和らげ、整えてくれる働きがあります。
酔い止めの薬を飲むことで、吐き気を抑えたり、不快感を減少させてくれたりするので、車酔いをする子供がいるご家庭は薬を常備しておくと良いでしょう。
こまめに休憩を取る
たまに外の空気を吸い、車からおりるようにしましょう。外の空気を吸うことで気持ちもリフレッシュします。
たとえ酔いそうになっていたとしても、休憩をはさむことで酔いを和らげることが出来ます。
またトイレを我慢することが体にストレスをかけ、車酔いを促進することがありますので、トイレ休憩も入れると良いでしょう。
しかし汚いトイレですと、見た目や臭いからさらに悪化する可能性があるので、汚いトイレであればトイレ休憩は取らないほうが良いですね。
車酔いした時の対処法
どんなに対策をとっていても車酔いをしてしまう子供はいます。
子供の具合が悪くなってしまった場合は、これらの対処法をおこなうと車酔いの症状が和らぐことが多いです。
- ベルトや衣服をゆるめる
- 横になり楽な姿勢になる
- 窓を開けて外の空気を吸う
- 氷を舐めさせる
- 一度乗り物から降りて休憩する
- 吐きそうな時は我慢させずに吐かせる
子供は急な吐き気を催すことがありますので、エチケット袋を用意しておくと良いでしょう。
一度吐くとスッキリして酔いが収まることがありますので、吐き気を我慢させないようにしましょう。
なかでも氷を舐めるという方法は、効果的です。
乗り物酔いは、視覚情報と体の位置情報のズレによって、自律神経のバランスが崩れることで起きます。
自律神経のバランスを元に戻すために、他の刺激を与えてあげるのが良いとされています。
冷たい氷を舐めることで、冷たい刺激が自律神経に働きかけ不快感がおさまります。
車酔いの症状
車に乗った瞬間すぐに気持ち悪くなってしまう途端酔いは、車の中のにおいが原因ですが、それ以外の場合は徐々に症状がでてきます。
車酔いには前ぶれがあり、その症状はこれらがあげられます。
- 頭が痛くなる
- 生つば多く出る
- あくびが頻繁に出る
- 吐き気がする
- めまいがする
- 顔色が悪くなる
これらの症状は脳が車酔いの警告をしてくれているような状態ですので、それらを無視していると最終的に嘔吐してしまいます。
ですので、車酔いによる前ぶれの症状が出た時に対処することで、車酔いを重症化させる予防にも繋がります。
車酔いしない体作り
車酔いは三半規管が大きく関係していますので、三半規管を強くすることで車酔いをしづらくなります。その三半規管を鍛えるには下記のことが有効です。
でんぐり返し
でんぐり返しをすることは、三半規管を鍛えるにあたって良い運動と言えます。回転することで、揺れや動きに強くなります。
でんぐり返しは家の中で出来る運動ですので、道具も必要ありませんしお金もかかりません。
布団の上や柔らかい座布団を敷き詰めた上で、でんぐり返し運動をおこなってみましょう。ママも一緒になってでんぐり返しをすれば、子供も楽しくできるのでおすすめです。
揺れの激しい遊具で遊ぶ
公園には三半規管を鍛える遊具がたくさんあります。
ぐるぐる回る回転遊具のグローブ・ジャングルやブランコは、三半規管を鍛える遊具にピッタリといえます。
ちなみにグローブ・ジャングルと言うのは下記の遊具です。
最近ではグローブ・ジャングルが危険ということで撤去されている公園が多いので、ブランコをメインにして遊ぶと良いでしょう。
ブランコは早いスピードで前後に揺れますので、三半規管が鍛えられます。
はじめからスピードをつけてブランコを漕ぐのではなく、ゆっくりの揺れから始めるようにしましょう。
車酔いやすい人・しにくい人の違いは?
すぐに車酔いしてしまう子供もいれば、長時間乗り物移動していても酔わない子供もいます。
これは単に三半規管の強さの違いと言えます。三半規管が未発達であればすぐ車酔いしてしまうのです。
一般的に車酔いは2.3歳頃からはじまり、成長するにつれて三半規管は発達し、中高生あたりからは車酔いが少なくなります。
三半規管が関係している、平衡感覚は鍛えることができます。
フィギュアスケート選手がその例ですね。日々の訓練で三半規管が鍛えられているので、何度回転していてもフラフラしないのです。
三半規管は成長と共に整っていくものですので、子供が車酔いをするからといって大きな不安をママが持つ必要はありませんよ。
車酔い用の薬
市販されている車酔い対策の薬を飲むことは、かなり有効です。
車酔い対策の薬は、乗り物に乗る前に飲む物や車酔いをしてから飲む物がありますので、両方を用意しておくと安心ですね。
いくつか車酔いに有効な薬をご紹介します(画像クリックでAmazonへ飛びます)。
名称:久光製薬株式会社・しんかんせん
価格:648円(参考価格)
名称:エーザイ・トラベルミンジュニア
価格:518円(参考価格)
名称:エーザイ・トラベルミン チュロップぶどう味
価格:512円(参考価格)
名称:大和合同製薬・酔い止めドロップ
価格:540円(参考価格)
名称:エチケット袋
価格:1,658円(3セット)
こちらは薬ではありませんが、急な嘔吐に便利なエチケット袋も用意しておくことをおすすめします。
まとめ
子供の車酔いは、三半規管の未発達・揺れ・嫌な臭い・景色の変化により起こります。
どれが原因で車酔いになっているのかが分かれば、それぞれの対処法をおこなっていきましょう。
意外と忘れがちなのが「臭い」です。車酔いしない人からすれば、何で車の臭いが嫌な臭いなのか理解できないかもしれませんが、乗り物する人にはかなり影響します。
ですので車の消臭対策はしっかりしましょう(消臭剤の臭いがキツすぎるとこれもまた問題ですが)。
もし車酔いしてしまったときは、窓をあけて外の空気を吸ったり道中で休憩を挟んだりして、リフレッシュをすると車酔いは和らぎます。事前に酔い止めの薬を飲んで、酔いを防止するのも1つの手ですね。
乗り物に酔いやすい子供は、「乗ると酔う」と思い込んでしまっていることもあるので、その気持ちを解いてあげるのはママの役目です。
せっかくのお出かけが車酔いのせいで台無しにならないよう、子供の為に対策を万全にしておきましょう!
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