【2016年版】母子家庭(シングルマザー)が受けられる手当(制度)まとめ
母子家庭(シングルマザー)になった時、1番に不安になるのはお金のことですね。
離婚の際に夫婦の間で「養育費」の約束をしていても、8割の人が未払いとなっている現状です。
養育費が支払われないとなると、シングルマザーの頼りになるのは国からの援助や支援です。
2016年現在、母子家庭が頼れる制度がたくさんありますので、その制度(手当)をまとめました。
このページの目次
母子家庭に対する支援制度
離婚をしたら役所で母子家庭に対する資料が貰えると共に、「支援制度」を紹介してもらえます。
しかし役所の人は全ての制度を教えてくれるわけではありません。
ですので「受けられたはずの支援を受けずにいた」なんてことも。
受けられる支援を見逃さない為にも、ママ自身が色々調べていかなくてはなりません。
現在、国が「母子家庭」に対して支援をしている手当てをご紹介します。
児童扶養手当(母子手当)
児童扶養手当は一般的に母子手当とも言われています。
夫(妻)と離婚しており片親で子供を育てる場合や、夫(妻)が亡くなり片親で子供を育てる場合など、「ひとり親家庭」の為の手当です。
児童扶養手当は平成28年の8月に、新たな金額設定になりました。
支給対象
「18歳になって初めて3月を迎えるまで」の子供がいる、「養育者」が対象です。
支給金額
支給金額は、養育者の所得によって「全部支給」か「一部支給」か決まります。
支給金額は
1月から6月に申請すると「養育者の前々年度の所得」
7月から12月に申請すると「養育者の前年度の所得」
で決まります。
【全部支給の場合】
養育する児童の数
1人・・・42,330円/1ヶ月
2人・・・10,000円加算/1ヶ月
3人目以降・・・6,000円加算/1ヶ月
【一部支給の場合】
養育する児童の数
1人・・・42,320円~9,990円/1ヶ月
2人・・・9,990円~5,000円加算/1ヶ月
3人目以降・・・5,990~3,000円加算/1ヶ月
支給月
4月・8月・12月の年に3回に分けて支払われます。
現況届け
毎年8月に「現況届け」を役所に出す必要があります。
現況届けを出さなければ、8月以降の児童扶養手当を受けられなくなります。
役所から、現況届けのお知らせが封書で届きますので、見落とさないように気をつけましょう。
児童手当
児童手当はもともと「こども手当」と言われていましたが、名称が「児童手当」に変わりました。
児童手当は、「ひとり親家庭に限った制度」ではなく、子供がいる家庭が受けられる制度です。
児童手当は所得制限があり、一定以上所得が高いと、児童手当を受け取ることが出来ません。(ただし今は特例で5,000円受け取れる)
その一定以上の所得とは、夫婦どちらか所得の高い方の所得が、年間960万円以上の場合です。
年間960万円の所得がある方はなかなかいないので、大半の方が児童手当を受け取ることが出来ます。
支給対象
「15歳になって初めて3月を迎えるまで」の子供がいる、養育者が対象です。
つまり中学校卒業までの子供がいる家庭ということになります。
支給金額
0歳~3歳未満・・・1人あたり月15,000円/1ヶ月
3歳~小学生・・・1人あたり月10,000円(3人目以降、月15,000円)/1ヶ月
中学生・・・1人あたり月10,000円/1ヶ月
所得制限以上・・・(特例給付)5,000円/1ヶ月
支給月
2月・6月・10月の年に3回に分けて支払われます。
現況届け
児童手当の場合も、毎年6月に「現況届け」を役所に出す必要があります。
現況届けを出さなければ、6月以降の児童手当を受けられなくなります。
役所から、現況届けのお知らせが封書で届きますので、見落とさないように気をつけましょう。
障害児福祉手当
精神・知的・身体に障がいがあるために、日常生活で介護が必要で、在宅の20歳未満の者に対して支給される手当です。
所得に制限がありますので、制限を超えている場合は手当を受けられません。
また、障害年金や施設に入所している場合も手当を受けられません。
支給金額
14,600円/1ヶ月
支給月
2月・5月・8月・11月の年に4回に分けて支払われます。
現況届け
毎年8月に現況届けを役所に出す必要があります。
現況届けを出さなければ、8月以降の障害児福祉手当を受けられなくなります。
役所から、現況届けのお知らせが封書で届きますので、見落とさないように気をつけましょう。
特別児童扶養手当
精神・知的・身体に障がいがある20歳未満の児童を養育している者に支払われる手当です。
所得に制限がありますので、制限を超えている場合は手当を受けられません。
支給金額
障害等級1級・・・1人あたり51,500円/1ヶ月
障害等級2級・・・1人あたり34,300円/1ヶ月
支給月
4月・8月・12月の年に3回に分けて支払われます。
現況届け
毎年現況届を提出する必要があります。役所または自治体にて確認が必要です。
生活保護
生活保護は生活に困窮する家庭に対して、自立と援助を目的としている制度です。
資産がある場合は手当を受けることができません。
生活保護の相談やお問い合わせは、現在住んでいる地域の役所にておこないます。
ひとり親家庭医療費助成制度
親が離婚したり、死亡したりと、ひとり親で子供を養育している場合に受けられる助成制度です。
ひとり親家庭医療費助成制度を受けるためには「所得制限」があります。
ひとり親家庭医療費助成制度を受けられる所得は下記の方のみです。
- 扶養人数が1人→ 230万円未満
- 扶養人数が2人→268万円未満
- 扶養人数が3人→306万円未満
4人以上はひとり増えるたびに38万円加算した未満額です。
支給対象
ひとり親家庭医療費助成制度は子供本人または、養育者で下記の条件に当てはまる人が受けられます。
- 18歳に達する年齢の年度末(3月末日)までの児童
- 上記の児童を養育する母、または父、または養育者
助成金額
ひとり親家庭医療費助成制度は、都道府県によって医療費の助成金額が異なります。
ですのでお住まいの地域を管轄する役所にて問い合わせてみてください。
大阪府の例でしたら1回の医療費が上限500円になります。
詳しくはこちらをご確認ください。
福祉医療費助成制度の自己負担について
乳幼児の医療費助成制度
病気が多い「乳幼児」がいる家庭に対して、医療費の一部を国が負担する制度です。
乳幼児医療費助成制度は、ひとり親家庭に限った制度ではなく、子供がいる家庭が受けられる制度です。
乳幼児の医療費助成制度は、地域によって対象年齢の幅に違いがあります。
大阪府の例でしたら1回の医療費が上限500円になります。
詳しくはこちらをご確認ください。
乳幼児医療費助成制度
遺族年金
遺族年金は、夫が死亡、又は妻が死亡した場合に支払われる年金です。
死亡した者が加入していた「組合」によって、受け取れる金額が変わります。
遺族年金を貰っていた者が再婚したら、年金の受給資格は失います。
(18歳未満の子供がいる場合は、子供に受給資格が移動しますが、受給金額は減少します。)
寡婦控除
寡婦控除とは、納税者が寡婦の場合に受けられる所得控除のことです。
寡婦控除に該当する人は、「年末調整」の用紙にチェックを入れると控除が受けられます。
寡婦にあたる人は下記2つのどちらかの条件を満たしている者です。
1・・・夫が死亡、又は夫と離婚している人や、夫の生死が不明の人で、扶養親族、又は同生計の子どもがいる人(子どもの総所得金額が38万円以下に限る)
2・・・夫が死亡、又は夫と離婚している人や、夫の生死が不明の人で合計所得金額が500万円以下の人
特定寡婦控除
寡婦に該当する人が下記の3つ全ての条件を満たしている場合は、「特定寡婦」になり、控除額が上乗せされます。
1・・・夫が死亡、又は夫と離婚している人や、夫の生死が不明の人
2・・・合計所得金額が500万円以下の人
3・・・扶養親族の子どもがいる人
すなわち、寡婦に該当する方で「所得金額が500万円以下」であれば、特定寡婦控除を使うことが出来ます。
母子・父子福祉資金貸付金
母子福祉資金貸付金とは、母子家庭または父子家庭の家庭で、就労や児童の就学などで資金に困った時、都道府県がお金を貸してくれる制度です。
詳しくは子育てペディアで母子・父子福祉資金貸付金についての記事がありますので参考にしてみてください。
母子家庭なら知らなきゃ損!母子福祉資金貸付金について
母子・父子福祉資金貸付金はあくまでも「貸付金」です。
低金利で借りることができますが、お金を返していく必要があります。
マザーズハローワーク
マザーズハローワークは、子育てをしながら仕事を探すママのために用意された、職業相談所です。
マザーズハローワークは「子供連れ」で訪れることが可能です。
「子育てと仕事を両立が難しい」と悩んでいる人が多い中、マザーズハローワークでは、育児と仕事を両立しやすい仕事を紹介してもらえます。
マザーズハローワークは全国展開しています。
下記に全国のマザーズハローワークが紹介されていますので参考にしてください。
マザーズハローワーク
自立支援教育訓練給付金
自立支援教育訓練給付金は、
母子家庭または父子家庭の自立を支援する為に、厚生労働省が自治体と協力して取り組んでいる制度です。
内容は、「雇用保険の教育訓練給付の受給資格」に該当しない人が、対象になっている「教育訓練を受講」することができ、修了した時に「かかった費用の6割」が支給されます。
平成28年4月から支給額が改正され、2割だった支給額が現在は6割(12,001円以上、20万円を上限)支給されるようになりました。
費用は受講が終了してからの支給になります。事前に貰えるお金ではありませんので注意しましょう。
地域により自立支援教育訓練給付金の制度がない場合があります。
現在住んでいる地域を管轄する「ハローワーク」または「役所」に事前確認をしましょう。
国民年金・国民健康保険の減免
収入が少なかったり、収入が全くなかったりすると、国民年金や健康保険料を納めることが困難になります。
その場合役所に相談すると、国民年金や健康保険料が「減額」または「全額免除」される場合があります。
ですので国民年金や健康保険料を納めることが困難な場合は、役所に問い合わせてみましょう。
保育料の減免
母子家庭に限った話しではありませんが、非課税であったり所得が少ない家庭は保育料が減額や免除されます。
前年度(場合によっては前前年度)の収入が対象になっており、一定の金額以下である場合に「減免」が受けられます。
地域やよって所得制限や減額される額が変わります
まずは役所に問い合わせてみましょう。
水道料金の全額免除や基本料金免除
母子家庭の場合、水道料金が全額免除、または基本料金が免除になる地域があります。
地域によっては水道料金に関して、免除がないところがあります・
こちらもまずは役所に問い合わせしてみましょう。
交通機関の割引
交通機関の割引も、地域によって支援にバラつきがあります。
通勤の為の定期券であればJRは3割引きになる地域もありますし、地下鉄やバスが半額、または無料になる地域もあります。
こちらもまずは役所に問い合わせしてみましょう
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業は、
ひとり親家庭を対象に、「親の高校卒業資格を取る為にかかった費用」を援助するという制度です。
13.2%の母子家庭の人は最終学歴が中学校卒業ということから、母子家庭の学び直し支援が新たに開始されました。
自治体に酔って所得の規定水準が代わり、制度がない自治体もあります。
こちらもまずは役所に問い合わせしてみましょう
貰える給付金
【受講修了時給付金】
高校卒業に向けてかかった受講費用の2割(10万円上限)
【合格時給付金】
高校卒業に向けてかかった受講費用の4割(受講修了時給付金と合わせて上限15万円)
(合格時給付金については、2年以内に高卒認定試験に全科目合格した場合に限ります。)
合格した場合としなかった場合では、もらえる給付金に違いがあるということです。
住民税(市民税)の減免
住民税の免除が受けられる人は「生活保護を受けている人」や、「所得が低い寡婦」になります。
寡婦の場合は、寡婦控除や特別寡婦控除を受けられます。
年間204万円以下の給料収入(手取り額)であれば、寡婦控除や特別寡婦控除を使い、非課税になります。
非課税の場合は住民税も免除されます。
住民税の減免の相談や申請は、お住いの地域を管轄する役所にておこなえます。
地域ごとの制度もある
母子家庭が受けられる手当の中でも、ごく一部に限られた支援や制度がありますのでいくつかご紹介します。
児童育成手当
児童育成手当は、各都道府県の自治体が独自におこなっている制度です。
東京都茨城県の、ごく一部でしかおこなっていない制度です。
ですのでご自身のお住いの自治体で行っているかを役所にて確認する必要があります。
東京都北区の例でしたら、基準を満たしている母子家庭または父子家庭などに対して、月額13,500円の支給があります。
参照:東京都北区児童育成手当(申請手続)
母子家庭・父子家庭の住宅手当(住宅補助・家賃補助)
母子家庭・父子家庭の住宅手当も、一部の自治体に限られた制度で、多くの地域では対応していません。
関東では武蔵野市や浦安市など、いくつかの地域で住宅手当があります。
補助金は3,500円~10,000円のところがほとんどです。
現在住んでいる地域で、住宅手当の補助が受けられる制度があるか、役所で確認してみてください。
家庭生活支援員の派遣
母子家庭または父子家庭の養育者が仕事や病気などの場合、子育て支援・家庭生活支援などのサポートを受けられます。
利用には登録が必要で、利用料金は所得によって変わります。
大体1時間150円です。(生活保護受給世帯や・市民税非課税世帯は無料)
ちなみに子育て支援を行う為に派遣される人は、「厚生労働省の定めた基準の研修を修了した人」なので、安心です。
お住いの自治体に、家庭生活支援員の派遣の制度があるかを役所に問い合わせてみてください。
粗大ごみ処理手数料
粗大ごみの処理手数料減免制度は取り扱いをしている自治体があまりないようです。
児童扶養手当を受けている世帯が、粗大ごみ手数料減免対象になっています。
東京都の一部の地域で実施されている制度なので、一度お住まいの地域を管轄している役所に問い合わせてみてください。
まとめ
母子家庭になって受けられる手当をまとめてみましたが、意外とたくさんあります。
それぞれの手当を受けるには、所得の制限や家庭環境の条件などがあります。
自分の場合受けられるのか否かは、役所に確認をすれば確実です。
これらの手当は「勝手にもらえるお金」ではありません。
手当のことを知っていて、申請した人が使える手当ばかりです。
「知らなかった!」「教えてもらってない!」と嘆いても仕方ありません。
知らない人が悪いとも言えるのです。
このページで知識をつけて、自分に該当しそうな手当があれば、役所に確認をしましょう。
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母子家庭は市営住宅の申込みで「有利」な場合があります。