母子家庭なら知らなきゃ損!母子福祉資金貸付金について
母子福祉資金貸付金と言う制度をご存知ですか?あまり広く公表されていない制度ですので、知らない人が多いかもしれません。
母子福祉資金貸付金とは簡単に言うと、シングルマザー・シングルファーザーの家庭でお金に困っている場合に、都道府県(または指定都市や中核市)がお金を貸してくれると言う制度です。
特にシングルマザーの家庭ですと、お金に困ることは少なくないと思います。ですので、今回は母子福祉資金貸付金について詳しく情報をまとめます。
このページの目次
母子福祉資金貸付金って何?
母子福祉資金貸付金は実際にはこのような名前の制度ではありません。正しくは母子父子寡婦福祉資金貸付金と言います。
母子・父子・寡婦の家庭に特化した制度であることがわかりますね。ただ、制度名が長すぎるので、このページでは便宜上、母子福祉資金貸付金と書きます。
この母子福祉資金貸付金について、兵庫県はこのように説明しています。
母子福祉資金貸付金の貸付制度は、母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の経済的自立と生活意欲の助長を図り、あわせて児童の福祉を推進することを目的として、修学資金をはじめとした12種類の資金からなる貸付制度です。
母子父子寡婦福祉資金貸付金
この制度は国の制度ではなく、都道府県単位の精度です。ですので貸付制度については細かな違いがあるのですが、制度の目的としては同じです。
母子父子家庭で、「一時的に」お金に困っているけれど、「返す資力がある人」に対し、お金を無利子(もしくは低金利)でお金を貸し付ける制度です。
対象者は?
母子福祉資金貸付金の対象者は、母子(シングルマザー)、父子(シングルファーザー)、寡婦(配偶者と死別した人など)のみとなっています。ようはひとり親の家庭を支援する制度なのです。
これに当てはまらない家庭は、お金に困っていたとしても母子福祉資金貸付金制度を使うことは出来ません。
またこれに当てはまる家庭だとしても、後述する理由以外のお金の使いみちであったりお金を返す資力が無い人は、この制度を使うことは出来ません。
反対に所得が多い人もこの制度を使うことは出来ません。都道府県によっては前年の所得が「203万6千円」を上回る場合は対象から外れます。
借りられる上限金額は?
母子福祉資金貸付金の上限金額は、貸付制度によって異なります。ようは使用用途によって貸してくれる金額の上限が違うということです。
この金額や貸付制度については都道府県によって変わります。このページの後半では「大阪」の場合の貸付制度詳細を記載しています。
返す必要はあるの?いつまでに返せば良い?
母子福祉資金貸付金はあくまでも「貸付」になります。ですのでお金を借りるということになりますので、当然お金を返す必要があります。助成金や生活保護とは違うと言うことですね。
返済期間(償還期間)は都道府県によって違いますし、貸付制度によっても異なります。しかし、出来るだけ早く返すスケジュールの方が借りられやすくなります。
金利はどうなっている?
母子福祉資金貸付金について金利は原則無利子です。
ただし、母子福祉資金貸付金では連帯保証人を用意することが条件となります。もし、連帯保証人を用意できない場合は金利が発生します。
当然、銀行やサラ金で借りるよりは安い金利で借りることが出来ます。(おおよそ1.5%前後)
母子福祉資金貸付金の返済が遅れた場合にも金利が発生することになります。大阪の場合は5.0%が延滞利息として発生してしまいます。
母子福祉資金貸付金を受けるために
母子福祉資金貸付金制度を使ってお金を借りるにはどこで申請をすればいいのでしょうか?
また、母子福祉資金貸付金制度には審査があります。どのような人がこの制度の審査が通りやすいのでしょうか?
母子福祉資金貸付金の申請場所は?
このページの前半にも書きましたが、母子福祉資金貸付金制度は国の制度ではなく都道府県単位の精度となります。
また、大阪のように市町村別で申請を受け付けている地域もあります。詳細は大阪府でもお住いの市でも、どちらでも教えてくれるでしょう。
母子福祉資金貸付金制度の申請はインターネットでは出来ません、役所で確認をし実際に役所へ出向くことになります。(福祉課が多いようです)
必要書類
母子福祉資金貸付金の申請のために必要な書類はこちらです。(こちらは大阪の場合になります)
- 貸付申請書(役所でもらいます)
- 返済(償還)計画書(役所でもらいます)
- 個人情報の取扱いに係る同意書(役所でもらいます)
- 年収を証明するもの
- 税を滞納していないことを示す納税証明書等
- 戸籍謄本
- 世帯全員の住民票
- ひとり親家庭もしくは寡婦であり扶養の事実を証明する書類
母子福祉資金貸付金には審査があります
母子福祉資金貸付金を受けるためには審査に通過する必要があります。対象者に該当すれば誰でも借りられるというわけではありません。
母子福祉資金貸付金の審査を通過するためにもっとも重要なことは「返済出来るのか?」です。
これは毎月の収入から返済金をマイナスしても、生活していけるだけのお金が手元に残るのか?と言うことです。
ですので返済計画書がもっとも重要となります。節約に節約を重ねて、十分返済することが出来るアピールをしましょう。
満額を貸すと返済が苦しい場合は、限度額を下げて審査が通ることもあるので、満額の返済が難しい場合でも申請してみると良いでしょう。
母子福祉資金貸付金でよくある質問
ここでは母子福祉資金貸付金を申請する上でよくある質問とその回答をまとめます。
生活保護を受けているが、借りることは出来る?
生活保護を受けている場合、母子福祉資金貸付金を利用することは出来ないでしょう。
なぜなら生活保護費から借金を返すことは、禁止されてはいないですが良くないからです。
生活保護費は借金を返すために国から受け取るお金ではなく、最低限の生活を営むために受け取るお金です。
生活保護受給者にも借りる権利はありますが、「審査」があるので貸すも貸さないも都道府県の判断です。生活保護を受けている人には賃さないでしょう。
母子福祉資金貸付金でお金を借りているが、生活保護を受けられる?
母子福祉資金貸付金でお金を借りることが出来たが、後に発生した困難が原因で生活が成り立たなくなることはあります。
その場合、貸付金を返済していなくとも生活保護を受けることは出来ます。なぜなら生活保護を受ける権利は国民であれば誰でも有しているからです。
生活保護の申請をする場合に、母子福祉資金貸付金制度を使っていることを申告しましょう。
無職や僅かな収入でも借りられる?
世帯主が無職の場合や収入が少ない場合、母子福祉資金貸付金を借りることは出来ません。
なぜなら、返すことが出来ないからです。
母子福祉資金貸付金は生活保護のような無条件にお金を与える制度ではなく、あくまでも都道府県からすれば「回収しなければならない」制度です。
言うなれば銀行と同じく、貸したのに返してもらえないと言うことは許されないのです。
もしあなたが無職や僅かな収入しかない場合は、生活保護などの他の制度を使うことになります。
貸付資金の種類
母子福祉資金貸付金には、用途別に色々な貸付金制度が用意されています。今から書く制度は全て大阪の制度ですが、都道府県によってそこまで大きな違いはありません。
しかし、償還期間などの具体的な数字に関しては違いがありますので、詳細はお住いの市町村に確認して下さい。
修学資金
高等学校
貸付限度額(月額)
国公立(自宅通学):27,000円
国公立(自宅外通学):34,500円
私立(自宅通学):45,000円
私立(自宅外通学):52,500円
貸付期間:その学校の定める最短修業年限を貸付期間とする。
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
高等専門学校
貸付限度額(月額):
国公立(自宅通学):(1,2,3年生)31,500円(4,5年生)67,500円
国公立(自宅外通学):(1,2,3年生)33,750円(4,5年生)76,500円
私立(自宅通学):(1,2,3年生)48,000円(4,5年生)79,500円
私立(自宅外通学):(1,2,3年生)52,500円(4,5年生)90,000円
貸付期間:その学校の定める最短修業年限を貸付期間とする。
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
短期大学・専修学校(専門学校)
貸付限度額(月額):
国公立(自宅通学):67,500円
国公立(自宅外通学):76,500円
私立(自宅通学):79,500円
私立(自宅外通学):90,000円
貸付期間:その学校の定める最短修業年限を貸付期間とする。
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
大学
貸付限度額(月額):
国公立(自宅通学):67,500円
国公立(自宅外通学):76,500円
私立(自宅通学):81,000円
私立(自宅外通学):96,000円
貸付期間:その学校の定める最短修業年限を貸付期間とする。
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
専修学校(一般課程)
貸付限度額(月額):48,000円
貸付期間:その学校の定める最短修業年限を貸付期間とする。
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
修学資金以外
技能習得資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人
資金用途:就労するのに必要な知識技能を習得するに際し、授業料等に充てる資金 (限度:5年)
貸付限度額:月額68,000円/自動車運転免許取得(ただし、直接就労に必要な場合)460,000円
据置期間:習得期間満了後1年
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
修業資金
対象者:児童又は寡婦が扶養している子
資金用途:就労するのに必要な知識技能を習得するに際し、授業料等に充てる資金(限度:5年)
貸付限度額:月額68,000円/自動車運転免許取得(ただし、直接就労に必要な場合で、高校3年等在学時に就職内定などを受けた児童)460,000円
据置期間:習得期間満了後1年
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
就職支度資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人/児童
資金用途:就職するのに直接必要な被服・履物の購入等に充てる資金
貸付限度額:100,000円/(通勤不便地における通勤用自動車購入の場合330,000)
据置期間:1年
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
医療介護資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人/児童
資金用途:医療を受けるのに必要となる費用に充てる資金(限度:1年)
貸付限度額:340,000円(特に経済的に困難な事情にあると認められる場合480,000円)
据置期間:医療期間満了後6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人
資金用途:介護保険法に規定する保険給付に係るサービスを受けるのに必要となる費用に充てる資金 (限度:1年)
貸付限度額:500,000円
据置期間:介護期間満了後6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
生活資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人
資金用途:技能習得期間中の生活費を補給する資金 (限度:技能習得期間中)
貸付限度額:月額141,000円(ただし、親が生計中心者でない場合69,000円)
据置期間:習得期間満了後6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
資金用途:医療介護を受けている期間において生活費等を補給する資金、または、配偶者のない女子となって7年未満・失業期間中の一時的生活困窮時の生活費を補給する資金 (限度:医療介護・失業期間1年、その他2年)
貸付限度額:月額103,000円(ただし、親が生計中心者でない場合69,000円)※養育費取得のための裁判費用は、12ヵ月相当の一括貸付が可能
据置期間:医療介護期間貸付期間満了後6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
資金用途:配偶者のない親となって7年未満で養育費取得の裁判費用とする資金
貸付限度額:月額103,000円(ただし、親が生計中心者でない場合69,000円)※養育費取得のための裁判費用は、12ヵ月相当の一括貸付が可能
据置期間:医療介護期間貸付期間満了後6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
住宅資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人
資金用途:現に居住・所有する住宅を補修・保全等するのに必要な費用に充てる資金
貸付限度額:1,500,000円(災害など特別な場合 2,000,000円)
据置期間:6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
転宅資金
対象者:ひとり親家庭の親、寡婦本人
資金用途:住居の移転に際し必要な敷金・運送代等に充てる資金
貸付限度額:260,000円
据置期間:6ヶ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
結婚資金
対象者:児童又は寡婦が扶養している子
資金用途:婚姻に際し、挙式披露や家具購入等の費用に充てる資金
貸付限度額:300,000円
据置期間:6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
就学支度資金
対象者:児童又は寡婦が扶養している子
資金用途:高校・大学等への入学に際し必要となる被服の購入や入学金等に充てる資金(授業料については、「修学資金」又は「修業資金」となります)
貸付限度額
小学校:40,600円
中学校:47,400円
高校・専修(高等課程)・高専(私立):(支度金)75,000円(自宅外通学85,000円)(入学金等)335,000円
高校・専修(高等課程)・高専(国公立):(支度金)75,000円(自宅外通学85,000円)(入学金等)75,000円
大学・短大・専修(専門課程)(私立):(支度金)75,000円(自宅外通学85,000円)(入学金等)505,000円
大学・短大・専修(専門課程)(国公立):(支度金)75,000円(自宅外通学)85,000円(入学金等)295,000円
据置期間:卒業後6ケ月
利子:無利子
延滞金利:延滞元利金額につき5.0%
事業開始資金
現在大阪府では取り扱っていません。
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子育てを手伝ってもらえる、家庭生活支援員派遣制度って知っていますか?
都道府県ごとに違うんですね!どこでも同じだと思ってました!
引っ越し前に知ることが出来て良かったです。ありがとうございました。
mizuki様
コメントありがとうございます。
国からの支援は、全国一律になっているものと、市町村によって違っているものがあります。
引っ越すことで、国からの支援内容が変わる可能性がありますので注意してください、
生活保護を受けている母子家庭ですが、働いてるのでまともな保護費は出ません。今冷蔵庫とテレビが壊れました。お金を県もしくは市から借りれますか?長崎県です。