子供が歯ぎしりをする原因は?予防・対策・治療方法もまとめました。
子供が寝ている時に歯ぎしりをしていませんか?
いつの間にかおさまっている事がほとんどですので、意外と気にならない方もいます。
ですが毎晩のように歯ぎしりをする場合「病気なのでは?」と心配になりますよね。
歯ぎしりを続けていると、少なからず悪影響が起こります。
「今回は子供の歯ぎしりはなぜ起こるのか」「親はどうしたらいいのか」など、
歯ぎしりの「原因」「対策」「治療方法」について情報をまとめました。
このページの目次
子供が歯ぎしりをする原因
子供が歯ぎしりをする原因は大きく分けて「2つ」あります。
成長過程によるもの
子供の歯が生えてくる過程で、噛み合わせがズレることがあります。
ズレてしまった噛み合わせを修復するために、無意識に歯ぎしりをしてしまいます。
歯ぎしりをすることで、出ている歯を摺り減らしたり、押さえ込むことが出来ます。
噛み合わせがうまくいかないことで起こる歯ぎしりは、
寝ている時だけでなく起きている時も無意識にしてしまう特徴があります。
また歯が生え変わる時期に、よく歯ぎしりが起こりやすいです。
成長過程で起こる歯ぎしりは、子供が大きくなるにつれて改善されることが多いでしょう。
ストレス
ストレスが原因で歯ぎしりが起こることもあります。
噛み合わせが原因で起こる歯ぎしりは、寝ている時や昼間にも現れます。
しかしストレスが原因による歯ぎしりは、「寝ている時」に起こることが多いです。
子供にストレスがあると、睡眠が浅くなり歯ぎしりが起こると言われています。
ですので寝ている時に歯ぎしりが頻繁に起こる場合は、子供に何かストレスがないか確認しましょう。
歯ぎしりでおこる悪影響
歯ぎしりは成長過程で起こることが多く、成長とともに改善されます。
ですので基本的に心配する必要はありません。
しかし歯ぎしりの頻度が多い場合は、悪影響が起こることもあります。
歯並びが悪くなる
歯ぎしりをしていると、強い圧力が歯と歯茎に加わります。
歯と歯茎に圧力がかかり続けると、歯並びが悪くなることがあります。
特に子供の歯茎は柔らかく、圧力によって部分的に歯茎が下がってしまいます。
歯茎が下がった部分は、他の歯に比べて低い場所から歯が生えてきます。
よって歯並びが悪くなるのです。
また綺麗な歯並びでも、歯ぎしりによって圧力がかかり、歯がズレてしまうこともあります。
噛み合わせが悪くなる
歯ぎしりを頻繁に行うことによって、噛み合わせが悪くなる可能性があります。
歯ぎしりをすることで歯がすり減り、不揃いになります。
歯が不揃いになることで、噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪いと、上手に食べ物を細かく出来ません。
食べ物が大きいまま飲み込むことになり、胃腸への負担も大きくなるのです。
神経への影響
歯ぎしりが続くことで、歯の神経へ影響を及ぼすこともあります。
歯の神経が圧力に耐えられなくなり、神経の炎症や壊死に繋がるのです。
歯の神経が壊死してしまうと、二度とよみがえることはありません。
壊死した神経を取り、治療を行う必要があります。
歯の神経を取ると、歯茎や歯が変色してしまうので注意が必要です。
顎関節症の原因
歯ぎしりは、歯や歯茎にだけ負担をかけるのではありません。
顎の関節へも負担をかけます。
顎の関節に負担をかけることで、顎の軟骨にある関節円板がズレたり、変形したりします。
関節円板がズレたり変形したりすることで、顎関節症になってしまうことがあります。
発音が悪くなる
歯ぎしりをすることで歯が削れてしまい、歯に隙間ができることがあります。
歯に隙間が出来ると、「発音」が悪くなります
また歯が傾いていると、舌の動きが難しくなり、発音が悪くなる悪影響も起こります。
歯がぐらつく
歯と歯をすり合わせることで、歯を支えている骨へのダメージも大きくなります。
歯を支えている骨に圧力がかかり、骨が弱っていきます。
骨が弱くなることで、歯がぐらぐらしてくるのです。
一般的に、ご飯を食べている時以外に歯を強く使うことはありません。
1日3食1回あたりの食事が30分の場合、歯を使っている時間は1日1時間30分になります。
しかし歯ぎしりは、硬い歯同士を長時間、磨り合わせています。
食事より歯ぎしりの方が、歯や骨へのダメージが大きいことがわかりますね。
歯が傷つく
歯の表面はエナメル質で覆われています。
歯と歯を磨り合わせている部分は、歯のエナメル質が薄くなり、歯の表面に傷がつきやすくなります。
また歯に圧力が加わることで、歯はボロボロになりヒビが入ってしまうことがあります。
歯のヒビは鏡でよく見ないとわかりません。
ですのでヒビに気付かず歯ぎしりを続けていると、さらに歯のヒビが悪化するので注意が必要です。
虫歯の原因になる
歯ぎしりによって歯はもろく傷つき弱くなります。
細かいヒビは、目で見ても確認できるレベルではないものが多いです。
そのため、傷に気が付かず多くの人は放置してしまいます。
そして歯の傷やヒビから虫歯菌が入り込み、虫歯になります。
ちなみに歯の表面が白くなると虫歯になりかけている証拠です。
よく注意して歯をチェックしましょう。
歯ぎしりの対策・直し方
歯ぎしりをしないようにするために、自宅で出来る対策や改善方法がいくつかあります。
下記の方法を試して、歯ぎしりを治しましょう。
これらの方法で改善しない場合は、病院で診てもらいましょう。
よく噛む
ご飯を食べる時にあまり噛まずに飲み込む子供がいます。
子供の顎は成長過程でよく使わないと、歯並びが悪くなり噛み合わせも悪くなります。
噛み合わせが悪くなると歯ぎしりの原因になります。
ですので顎を強く成長させるために、「よく噛んで食べる習慣」をつけましょう。
柔らかい食べ物ばかり食べていると、顎は強くなりません。
よく噛んで食べる必要があるメニューを、考える必要があります。
煮物や洋食などの柔らかい食べ物ではなく、固形物の硬い食べ物を使った料理を率先して作りましょう。
姿勢を良くする
実は、歯ぎしりと姿勢の悪さには関係があります。
姿勢が悪く猫背になると、頭が前に出ます。
頭が前に突き出ると、バランスを取るために顔が下向きになります。
顔が下向きになっていると、口元が緩み舌や口周りや顎の筋肉が衰えてくるのです。
顎の筋肉が衰えることで噛み合わせが悪くなり、歯ぎしりの原因になってしまいます。
姿勢を正して、口周りや顎周りの筋肉が衰えないようにしましょう。
ストレスを溜めない
歯ぎしりの原因の多くはストレスと言われています。
子供は幼稚園や小学校に行っていると、たくさんの人と関わりを持ちます。
意外なことに子供も大人と同様に、ストレスを感じていることが多いのです。
学校や家庭内で大きなストレスを抱えていないか観察しましょう。
またストレスの原因がわかれば、解消できるようにしましょう。
歯医者で治療する
自宅でできる対策をとっても、歯ぎしりが改善しない場合は、歯医者での治療をオススメします。
ひどい歯ぎしりは放置せず、治療をしましょう。
歯医者では、下記の方法で歯ぎしりを改善する治療が行われます。
マウスピース
歯ぎしりを防ぐ方法としてマウスピースを使うことが最も多いです。
寝ている時に無意識に歯ぎしりをしないよう、マウスピースをします。
歯医者では子供の歯の形に合わせたマウスピースを作ります。
マウスピースがあると歯ぎしりはあっても歯が擦れることがありません。
マウスピースでの治療は保険が適用されます。
マウスピース1個あたり「5,000円前後」の費用がかかります。
歯科矯正
噛み合わせが悪いことにより、歯ぎしりが治らない場合は、歯科矯正という方法もあります。
歯科矯正をすることで歯並びが改善されます。
歯並びが良くなると歯ぎしりが改善される可能性があります。
ただし歯科矯正は保険適用外です。
ですので費用が高額になります。
歯医者によって値段は様々ですが、「数十万円」かかります。
リマインダー
起きている時の歯ぎしり予防には、リマインダー対策がオススメです。
リマインダー対策とは、「何らかの目印を決めてその目印が目に入ると、歯ぎしりを辞める」と言う方法です。
子供は無意識に歯ぎしりをするので、「歯ぎしりをやめる目印」が目につくと、歯ぎしりを辞めます。
小学校に行ってる時なら、筆箱の中に「歯ぎしりをしない」と言う小さなメモを入れておくと良いでしょう。
自宅であれば「歯ぎしりをしない」と、書いた紙を壁に貼るのがオススメです。
子供自身が意識的に歯ぎしりを辞める習慣がつきます。
ボトックス注射
ボトックス注射とは、ボツリヌス毒素菌を薄めたものを筋肉に注射して、神経の働きを麻痺させるものです。
美容整形でボトックス注射は、よく取り入れられています。
眉間やおでこにボトックス注射を使い、筋肉を麻痺させシワができないようにする方法で使われています。
歯ぎしりの治療では、顎の筋肉にボトックス注射をすることで、顎の筋肉を麻痺させ、歯ぎしりをできないようにします。
一時的に筋肉を麻痺させるものですので、4ヶ月ほどで効果が消えます。
このボトックス注射は副作用を伴うことがあります。
食べ物を上手に噛めなくなったり、効果が消えた後も筋肉に違和感を感じることがあるのです。
ですので幼い子供に、ボトックス注射での治療は避けたほうが良いでしょう。
ボトックス注射は保険が適用されません。
注射するボトックスの量によって値段が変わりますが、大体「3万円~5万円」の費用がかかります。
まとめ
子供が歯ぎしりをする原因は、成長過程で起こる場合、噛み合わせやストレスで起こる場合があります。
成長過程での歯ぎしりは自然に治りますが、噛み合わせやストレスが原因の場合は、治療が必要な場合もあります。
ですのでまずは、「何が原因」で歯ぎしりをするのが把握しましょう。
歯ぎしりを放置すると、歯並びに悪影響が起こり、虫歯になりやすくなったりするなどの悪影響が現れます。
ですので歯ぎしりがひどい場合は、放置せず対策や治療をしましょう。
歯ぎしりの治療にはいくつか種類があります。
保険が適用されるものと、されないものがあります。
歯医者でどの治療方法が子供に合っているのか相談すると良いでしょう。
歯ぎしりが続くと歯並びの悪さにもつながります。
子供の歯の黄ばみが気になるというママはご覧下さい