学校に行きたくないと言う子どもに、親が出来ること
子供から「学校に行きたくない」と言われたことはありませんか?
昨日まで楽しく学校に登校していた子どもが、急に学校に行きたくないと言い、
布団から出てこなくなることはよく見受けられます。
この場合学校に行かせなくてはならないのでしょうか?
それとも無理やり行かせる必要はないのでしょうか?
そして不登校を相談できる場所はあるのでしょうか?
今回は、「学校に行きたくない」と子どもに言われた場合に親ができる「対処方法」をまとめました。
このページの目次
不登校の子供は親以上に辛い
学校に行きたくないと言う子供は、結果だけを見たらサボっているようにしか見えないのですが、親が思っている以上に辛い思いをしています。
親はどうすれば良いのかと悩むでしょうが、
子供はもっと深刻に悩んでいる事を忘れず、子供の味方であることを伝えて下さい。
ちなみに、私の子供も学校に行きたくないと言った事があります。
私の子供の場合は、めんどくさいからという理由だったので、
「皆頑張っていってるんだから!友達にも会えるよ!」と、学校へ行くように言いました。
「めんどくさい」・「しんどい」・「勉強が嫌だ」、言う理由で、
学校に行きたくないと言う子供の場合の対処は比較的容易です。
それに比べ、いじめが原因の場合は深刻です。
相談しなければいけない場所も増えるでしょう。
ですのでまずは、子供が学校へ行きたくない原因を、子ども自身に聞いてみましょう。
なぜ学校に行きたくないと思ったのか原因を聞く
子供が「学校に行きたくない」と言うには理由が必ずあります。
まずその理由を子供に聞いてあげましょう。その理由によって親が出来ることは違ってきます。
学校に行きたくない理由として一番多いのは「いじめ」です。
自分がいじめにあっているという事を、正直に話しをしてくれる子供もいますが、親に言えない子供もいます。
そんな時は無理に聞き出そうとせず、時間をかけて話しかけてあげてください。
学校でも追い詰められているのに家でも追い詰められては子供がかわいそうですから。
学校に行きたくない理由がいじめの場合
いじめが原因で学校に行きたくないと言っているとわかった時は深刻ですよね。
まずはどんな状況なのか、子供の話をじっくり聞いてあげてください。
素直に話しをしてくれる子供もいますが、自分がいじめられていることを言えない子供もいますので、子供の様子を伺いながら少しずつ聞いてあげてください。
イジメを解決する方法の最初の一歩は、担任の先生に相談することです。
場合によっては、学校を交えた相手の親との話し合いも有効です。
いじめられていると言うことは、子供は学校に行くと傷つきます。
ですので無理に学校へ行かせようとせず、ひとまずは家を避難所にさせましょう。。
後述しますが、学校以外でも勉強できる場所はいくらでもあります。
それらを使えば勉強の遅れはいつでも解決できます。
イジメを解決するのは子どもや親の責任ではありません。
イジメを解決するのは学校の責任です。イジメが解決するまでは学校に行かせないのも一つです。
学校に行きたくない理由がいじめ以外の場合
いじめ以外で学校に行きたくないと言う子供もいます。
勉強がいやだ・めんどくさい・しんどい、などと言う理由が多いですね。
なかでも「勉強が嫌」という子供は非常に多いです。
そんな時は勉強以外の楽しみを学校にみつけるように促すと良いでしょう。
学校には友達がいるわけですから、「友達と遊んでおいで!」と声をかけてあげるのも良いですね。
中学生以降なら部活に入ることを勧めて、自分の特技を見つけ出せるようにしてあげるのも良いでしょう。
いじめ以外が原因(例えば怠惰な理由での不登校)の場合は、最初のうちに芽を潰しておく必要があります。
「楽な不登校」に慣れてしまうと解決が非常に難しくなります
そもそも学校はいかなければならないのか?
不登校のお子さんをお持ちで、何とかして学校に行かせたいという親の気持ちは十分わかります。
しかしそもそも学校って、絶対に行かないと行けないのでしょうか?
いじめられてつらい思いをしている場合や、物を壊されたりしている場合でも
学校に無理やり行かせる必要はあるのでしょうか?
私はそうは思いません。
それに
教育のプロのような方も、「学校に無理やり行かせる必要はない」と言う論調になってきています。
学校に行かせないと教育の義務に反するのか?
日本国憲法にはいわゆる「教育の義務」と言うものがあります。
学校を休むことを親が許可した場合、この教育の義務に反しないのでしょうか?
ご安心下さい。
不登校の子どもに対し学校を休むことを許可しても、教育の義務には反しません。
学校教育法22条、39条は小・中学校の学齢児童・生徒の保護者に学校に就学させる義務を定めています。これは義務教育を定めた憲法26条に基づく規定です。学校教育法91条は就学義務違反の保護者に対し、督促を受けても就学させないときには10万円以下の罰金に処すると定めています。
しかし、22条などは、子どもにどんな事情があっても、なにがなんでも学校に出席させる義務を保護者に負わせるわけではありません。学校教育法施行令20条は「出席させないことについて正当な理由がない場合」に就学義務違反に当たると定めています。たとえば、子どもが学校でいじめを受けており、出席させると子どもに危険が及ぶような場合には、子どもを守るために出席させない正当理由があります。
Q&A 学校に行かせないと罰せられる?
義務教育の義務は親の義務であって、子供が学校に行く義務はありません。
親は学校に行く手続きをちゃんとしているわけですから、罰せられることもありません。
当然、子供が学校に行かなくても罰せられることはありません。
学校には無理やり行かせる必要はない
ですので、嫌がる子どもを無理やり学校に行かせる必要はありません。
むしろ、いじめられている子どもを無理やり学校に行かせることによって、
考えたくはないかもしれませんが、子どもが自殺する可能性もあります。
そうなってから後悔しても仕方ありません。
それに勉強が出来る場所は学校だけではありません。
家でも勉強は出来ますし、塾だってあるのです。
子供のことを1番に考えて、学校以外で勉強が出来る環境作りを親が作ってあげましょう。
学校以外で勉強をできる場所
それでは、実際に学校以外で勉強できる場所って一体どこなのでしょうか?
具体的な場所を上げてみましょう。
- 家庭教師を頼む
- 通信制高校に通う
- 適応指導教室に通う
- フリースクールに通う
家庭教師と通信制高校はよく聞くのでご存知の人も多いかと思います。
その他の、「適応指導教室」と「フリースクール」について詳しくご存知ですか?
適応指導教室とは、長期間にわたって不登校になっている子供を対象に、
市町村の公的な施設で部屋で勉強をし、後々は子供が学校に復帰できるよう運営しています。
適応指導教室の扱いに関しては市町村で違うようですので、
まずは市役所で、適応指導教室の有無について確認しましょう。
フリースクールは適応指導教室と違い、個人やNPO法人が経営しているのスクールです。
個人が運営していますので、フリースクールは学費が必要になります。
勉強はもちろんですが体験学習や、さまざまな校外学習も用意されています。
フリースクールも学校に復帰できるよう、目標が立てられています。
フリースクールは民間が運営していますので、評判の良い悪いがあります。
インターネットや口コミなどから、色々情報を仕入れましょう。
学校以外の勉強場所を紹介しましたが、各家庭によってどれがベストかは変わります。
それぞれの学校の情報を調べ、我が子にはどれがベスト化判断して下さい。
どこに相談すればいいのか
不登校の子どもの問題を解決するには、誰かに相談した方が良い場合が多々あります。
一人で悩まず、誰かに頼ることは恥ずかしいことではありません。
ここは恥ずかしさよりも、子どもの問題の解決を優先しましょう!
それでは具体的に、「一体誰に」または「どこに」相談をすれば良いのでしょうか?
まずは担任の先生に相談する
まず考えられるのは学校の先生です。
子ども自分の抱える悩みやトラブルを、子供が先生に伝えていない場合があります。
先生からすれば、子どもが悩んでいることすら把握していない場合があるのです。
ですので、親の方から担任の先生に相談を仕掛けることはおかしな話ではありません。
昨今ニュースでは先生が起こす事件というのをよく耳にしますが、親身になって対応してくれる先生も多いです。
子供がなぜ学校に行きたくなくなったのか、今後どのような対応をすればいいのかを先生に考えてもらいましょう。
ただし、トラブルを公にしたくない先生がいるのも事実です。
「先生に相談」は絶対的に信用できる解決法ではないと言うことは理解しておきましょう。
地域のサポートも使おう!
先生以外にも頼れる場所はたくさんあります。
その一つが都道府県や市町村のサポートです。
都道府県や市町村では、いじめ・不登校に関する電話相談を受け付けてくれる部署や、支援団体が存在します。
例えば大阪市であれば、不登校や引きこもりの人からの相談を受け付けるページを市が作成しています。
→いじめ・不登校(ふとうこう)などの相談(そうだん)
他にも名古屋であれば、不登校対策支援サイトというものを作成し、積極的に問題解決に向けて動いてくれます。
→不登校対策支援サイト
それぞれお住まいの市町村によって支援内容は違います。
まずは市役所に電話をして確認してみてください。
イジメがひどい場合は法テラス
いじめがひどい場合は弁護士の方に相談するのも1つの手です。
最近はいじめ解決のために弁護士を使う親も増えています。
傷つけられたり・物を壊されたりと言った犯罪トラブルまで生じた場合は、無料で相談が出来る法テラスに相談してみてください。
弁護士と言うと料金が高いイメージがありますが、法テラスは30分間無料で相談することが出来ます。
また法テラスから実際に弁護を依頼することになった場合、費用の分割払いなどの制度があります。
金銭的に心配な人でも、まずは相談してみることをオススメします。
まとめ
我が子が「学校に行きたくない」と言い不登校の状態になったとき、
まず判断するのはいじめかいじめじゃないのかです。
いじめでなく本人の怠惰が原因の場合は、学校に勉強以外の楽しさがあることを教えましょう。
何も勉強をすることだけが学校ではありません。
イジメの場合は、学校以外に勉強できる場所を提示してあげて下さい。
イジメ解決の場合にはそれぞれの度合いに適した相談先へ相談しましょう。
いじめの前段階に「仲間外れ」があります。仲間外れの解決方法はこちら
いじめが悪質な場合、子供だけの解決はほぼ無理ですので、親が対応しましょう。