子供の逆まつげの原因は?どんな治療法や手術がある?
子供がよく目をこすっていたり、チクチクすると言ったりしたら、それは「逆まつ毛」が原因かもしれません。
逆まつ毛の子供がいるママは、どうして逆まつ毛になるのか?どのような治療法があるのかなど、たくさんの疑問があるかと思います。
今回は、そんな逆まつ毛についてまとめてみました。
このページの目次
逆まつ毛とは
逆まつ毛とは、まつ毛が目の中に入ってしまうまつ毛のことを言います。
一般の人のまつ毛は、まぶたの付け根から外側に向かってまつ毛が生えていますよね。
ですが逆まつ毛の場合は、毛の生え方が外側ではなく真下や真上に生えていたり、眼球側に向かって生えていたりします。
まつ毛の向きが真上や真下に生えていたり眼球側に向かって生えたりしていると、瞬きをするたびにまつ毛が眼球に当たり、眼球を傷つける原因になるのです。
逆まつ毛の症状
逆まつ毛は、子供の目をよく観察しないとわかりにくく、ママは気が付かないことが多いです。ですので、逆まつ毛の症状をママが把握して、子供の目をよく観察しましょう。
逆まつ毛には下記の症状が現れます。
- ゴロゴロする
- 目ヤニがでる
- 充血する
- 光が眩しい
- 涙が出る
子供がある程度大きくなっていたら、逆まつ毛によって目が痛いと伝えることができますが、乳幼児の頃は伝えることができません。
ですので子供に上記のような症状があれば、逆まつ毛の可能性があると思ってください。
特に乳幼児の場合は、まつ毛が細く柔らかいのでよく見なくてはわかりませんので注意が必要です。
逆まつ毛になる種類と原因
逆まつ毛は大きく分けて3種類あり、それぞれ別の原因があります。
睫毛乱生(しょうもうらんせい)
睫毛乱生は、まつ毛の生え方が不揃いで、あちらこちらの方向に生えています。そのいくつかのまつ毛が眼球に向かって生えている状態です。
人によって生え方は違い、1本だけ眼球に向かって生えている人もいれば、何本ものまつ毛が眼球に向かって生えている人もいます。
睫毛乱生はまぶたの問題ではなく、毛根の生えている向きが問題で逆まつ毛になります。
睫毛内反(しょうもうないはん)
睫毛内反は、まぶた内側の皮膚が多いことで、まつ毛が内側に押されて眼球向きになります。
睫毛内反は生まれつきなっていることが多く、下瞼によく見られるのが特徴です。
乳幼児は皮下脂肪が多く、まぶたがぷっくりしています。
まぶたがぷっくりしていることが原因で逆まつ毛になっていることがありますが、成長とともに皮下脂肪も減り顔の骨格も変わりますので、睫毛内反は自然治癒することがほとんどです。
眼瞼内反(がんけんないはんしょう)
眼瞼内反症はまつ毛の生え方に問題があるのではなく、まぶたそのものの向きに問題があります。
と言いますのも、まぶたの縁が内側を向いているので、まつ毛またはまぶたの縁が眼球に入りやすくなってしまいます。
眼瞼内反症は、先天性の場合と加齢によりなる場合があります。
逆まつ毛の治療法
逆まつ毛になっている部分だけ抜いてしまえば、目にまつ毛が当たらなくなりますが、また生えてくるので同じことの繰り返しになります。
一時的に逆まつ毛を凌ぐ方法でしたら、ビューラーでカールをしたりまつ毛パーマをかけたりする方法がありますが、
これらでは逆まつげになる原因の根本が解決していないので、時間が経てばまつ毛の向きは元に戻ってしまいます。
根本的に逆まつ毛を治したい人は、下記の治療法を検討してみてください。
睫毛電気分解術
睫毛電気分解術は、まつ毛の根本に細い針で電気を流して焼く治療法になります。
眼球に向いて生えているまつ毛のみを選択して、電気を流し毛根を分解しますので、まつ毛全部がなくなることはありません。
痛みもほとんどなく10分程で済むので、簡単にできる治療ではありますが、1回の治療ですぐに効果が出ることは少なく何度か行う必要があります。
もう逆まつ毛が生えてこなくなったと思っていても、しばらくしてから生えてきたということが稀にありますので、そのときは再度治療が必要です。
レーザー治療
レーザー治療は、特殊な光をあてて、毛根を消滅させる方法です。
女性のムダ毛処理にも、レーザーでの処理が主流になってきていることがよくわかるように、レーザー治療は毛を生えてこなくさせる為にとても有効です。
ですが、目に影響がないよう配慮しなくてはなりませんので、レーザーの威力は弱目になっています。ですのでこちらも1度の治療ではなく、何度か行う必要があります。
レーザー治療中は眼球に影響がでないように、専用のコンタクトレンズを装着することがあります。
埋没法
埋没法は、上まぶたが一重で逆まつ毛になっている人に多く用いられています。この方法は、美容整形で二重にする手術の方法としてもよく使われています。
まぶたの形に問題があって、逆まつ毛になっている時は、埋没法で二重にしたり、二重の形を変えたりしてまぶたの向きを変えます。
まぶたの向きを変えることで、まつ毛が眼球に入らなくなるのです。
埋没法は手術といっても切開をおこなわず、まぶたの内側から糸で筋肉をひっぱり、2.3箇所留める方法です。
手術にかかる時間は10分から20分程度で局部麻酔をしますし、手術中の痛みは麻酔の針を刺す時に少し感じる程度です。
そして術後はしばらくまぶたが腫れてしまいますが、痛みも少なく1~2週間ほどすれば腫れも引いていきます。ちなみに逆まつ毛による、埋没法は保険が適応されます。
切開法
切開法も、埋没法と同様に美容整形で二重の手術によく使われています。切開法は上まぶたの逆毛、下まぶたの逆毛に行われる手術です。
切開法は逆まつ毛が重症化している人に向いていて、しっかりとまつ毛を上に向かせることが出来ます。
切開法はまぶたを切開して皮膚を縫い合わせる方法です。こちらも埋没法と同様に局部麻酔をしますので手術中に痛みはありません。
手術には1時間~2時間程かかり、まぶたの痛みや腫れが引くには2週間~1か月程度かかります。
ただ切開法の手術を行うと、逆まつ毛が再発することは非常に少ないのですが、縫い目や内出血などの傷跡が痛々しく見えるので、子供が可哀想に感じてしまうママも多いでしょう。
ちなみに逆まつ毛による切開法も、保険が適応されます。
逆まつ毛が原因でなる目の病気
逆まつ毛を放置し続けると、まつ毛が眼球に触れて目の病気になることがあります。
逆まつ毛が原因で引き起こされる目の病気には下記の病気があります。
- 角膜炎
- 結膜炎
- 角膜びらん
- 角膜潰瘍
子供がこれらの目の病気になるまで放っておくママはいないと思いますが、危険性として覚えておいてください。
乳幼児のまつ毛はうぶ毛のようにまつ毛が柔らかいので、まつ毛が眼球に触れても病気になったり、目を傷つけたりすることはほとんどありません。
ですが子供が成長するにつれて、まつ毛も太く強くなっていきます。太く硬いまつ毛が目に入ると、目は病気になったり傷ついたりする可能性があります。
最悪のケースでは失明してしまうこともありますので、子供の逆まつ毛に気がついたら早めに眼科で受診して治療しましょう。
まとめ
逆まつ毛は子供の目や行動をよく見ていないとわからないことがほとんどです。
ですのでこのページに書いた「逆まつ毛の症状」が子供にあった場合は、目をよく見る必要があります。
そして逆まつ毛だった場合は放置すると目の病気になりますし、目を傷つけてしまい失明の恐れもありますので早めの処置が必要です。
子供の逆まつ毛は早期治療を行うためにも、みつけたらすぐに眼科で受診しましょう。