夜驚症って何?夜驚症の原因や対策など
幼稚園や小学校に入っても、夜中に起きて泣き叫んだり怯えたりする子供がいます。
「いつまで夜泣きが続くの?」と思っているママも多いですよね。
夜泣きと思っていた症状は、「夜驚症」かもしれません。
まだ「夜驚症」という言葉は、知名度がありません。
夜泣きと勘違いしている人が多いのです。
そこで今回は、夜驚症について原因や対策などを説明します。
このページの目次
夜驚症とは
夜驚症という症状を知っていますか?
夜驚症とは、2歳~6歳の幼児や子供にみられる睡眠障害の1つです。
睡眠障害を大きくまとめて「睡眠時随伴症(パラソムニア)」と言います。
「睡眠時随伴症(パラソムニア)」の中に夜驚症が含まれています。
他には「夢遊病」「レム睡眠行動障害」「金縛り」などが含まれます。
夜驚症の発症率は?
夜驚症は「子供の3~6%」が発症する症状です。
夜驚症の原因の1つとして「遺伝」が言われています。
夜驚症を発症する子どもの約80%は、夜驚症や夢遊病などの「睡眠時随伴症」の経験がある親がいます。
夜驚症はいつまで続くの?
夜驚症は幼児が発症するもので、小学校低学年までには治る子供が多いですね。
しかし稀に小学校高学年になっても続く子供もいます。
小学校高学年まで続く場合は、注意が必要です。
なぜなら修学旅行や林間学習などの、泊りがけの課外授業があるからです。
泊りがけの課外授業で、宿泊時に夜驚症が発症する可能性があります。
ですので担任の先生には事前に、夜驚症を持っていることを説明しておきましょう。
夜驚症の症状
夜驚症の症状というと、主に下記の症状があります。
- 夜中に急に起きる
- 寝ていたのに急に目が開いている
- 汗をかき呼吸が激しくなる
- 泣き出したり、大声を出したりする
- ひどくおびえて震えている
- 理解不能なことを急に言う
- 意識があるように見えるが反応は鈍い
- 数分で挙動が治まり寝る
- 本人は覚えていない
夜驚症を発症すると、急に起きて激しく泣くだけではなく、怯えたり理解不能なことを言います。
怯えて混乱している様子を見せることが多くあります。
また呼吸が早くなり大量の汗をかき、心拍数が上がることもあります。
症状は基本的に「数分」で治まります。
早ければ数秒で治まることもありますし、遅ければ10分以上続く場合もあります。
夜驚症の症状が治まると、自然にまた眠りにつきます。
夜驚症は寝ぼけている状態と似ており、意識がはっきりしていません。
ですので子供が急に起きて泣き騒いでいる時に、親が話しかけても反応が鈍いのです。
夜驚症になる頻度は、週に1~2回の子供もいれば、月に数回の子供もいて、個人差があります。
夜驚症の原因は?
夜驚症の原因は解明されていないものの、睡眠や覚醒のリズムが未熟なことではないかと言われています。
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。
ノンレム睡眠は眠りが浅い状態で、レム睡眠は深い眠りに就いている時を言います。
人は睡眠中に、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を繰り返しています。
レム睡眠状態の時に覚醒すると、夜驚症が起こると言われています。
明確な原因がわかっていないものの、夜驚症を引き起こす要因があります。
1つが「恐怖体験」です。
例えば怖い映画や映像を観たりすると、夜驚症の要因になると言われています。
他にもお化け屋敷に行ったり、交通事故現場を見たりした日に、夜驚症の症状が出る場合もあります。
夜驚症の子供にとるべき対策
子供が夜驚症だと気がついたら、対策を取りましょう。
下記のことを行う事で、夜驚症が改善される可能性があります。
不安を取り除く
子供が何か不安に思っていることがないか、話しをしましょう。
不安な気持ちがあると、それが夜驚症として現れます。
毎日幼稚園や学校であった出来事も聞くようにしましょう。
些細な出来事でも、不安要素がある可能性があります。
不安要素と思い当たる出来事を聞いた時は、子供が安心できるように導いてください。
怖い・残虐な映画やゲームを観せない・させない
ホラー映画やオカルト映画など、怖い映画や残虐な映画は、子供に観せないようにしましょう。
怖い映画や残虐な映画は、子供にとって衝撃的なシーンが数多くあります。
子供の恐怖心を煽る衝撃的なシーンは、睡眠時に夢として現れることがあります。
レム睡眠時に、怖い夢をみると、覚醒した時にパニックになります。
ですので怖い映画や残虐な映画は、子供に観せないでください。
またゲームも映画と同様に、残酷なシーンがあるゲームは避けてください。
残虐なシーンは、夜驚症以外にも、子供の成長に悪影響があります。
残虐なシーンが子供に及ぼす悪影響に関してはこちらの記事を参考にしてください。
残虐的・暴力的な映画やゲームが与える子供への影響は?
怒りすぎない
子供に厳しくしすぎて怒ってばかりいると、子供は親に対して恐怖心を持ちます。
子供は親と一緒に生活しているので、恐怖心が常に頭の片隅にある状態になります。
するとその恐怖心が就寝時に出てしまい、夜驚症に繋がります。
ですので子供の恐怖心を植え付けるほど、怒るのは辞めましょう。
子供の正しい怒り方はこちらを参考にしてください。
子供への上手な叱り方と、駄目な叱り方について
子供とスキンシップを取る
日頃から子供と関わり、スキンシップを取るようにしましょう。
子供にあまり構ってあげない状態が続くと、子供は不安になります。
不安な気持ちは夜驚症に影響します。
スキンシップを取ると、子供は安心と共に、楽しい感情や、嬉しい感情が出てきます。
子供とのスキンシップは大切にしてください。
特に寝る前のスキンシップは、睡眠直前に安心を子供に与えられますので、夜驚症対策にはオススメです。
夜驚症の対処法
子供が夜驚症になった時の対処法は、「子供を落ち着かせる」ことです。
パニックを起こしているなら、背中を撫でたり抱きしめたりして、自然と落ち着くのを待ちましょう。
子供が落ち着けば、夜驚症は自然と治まり、子供は再び眠りにつきます。
子供の夜驚症でママは夜中に何度も起こされると、イライラしてしまうことがあります。
しかし子供にとっては記憶にないことなので、イライラして怒ってはいけません。
病院に行った方が良い?
夜驚症は子供の成長と共に症状が消え、次第に発症しなくなります。
ですので特別な治療は必要とされていません。
しかし症状が治まらなかったり、症状がひどく頻繁に夜驚症をおこしたりする場合は、病院に行くことをオススメします。
なぜなら子供の体に悪影響になる可能性があるからです。
夜驚症がひどいことで寝不足になり、疲れやすい体になる場合があります
ですので夜驚症の症状がひどいと思った時は、病院へ行きましょう。
何科に受診すればいいのか?と迷う人もいるかと思います。
夜驚症で受診する場合は、まず小児科で受診しましょう。
しかし夜驚症は睡眠障害の一種です。
睡眠障害の診察は心療内科または精神科で行われます。
ですのでまずは小児科で症状を説明し、治療が必要とされたら心療内科または精神科を受診すると良いでしょう。
まとめ
夜驚症は睡眠障害の1つで、「夜泣き」に似た症状です。
夜驚症がおきる原因は、はっきりとわかっていません。
しかし不安なことがあったり、残酷な映像を観たりすると、夜驚症が引き起こされる可能性があります。
ですので日頃から子供の不安を取り除き、残酷な映像を見せないようにしましょう。
夜驚症は自然と症状が無くなるので、治療をする必要はありません。
しかしあまりにも症状がひどいと思う場合は、病院を受診しましょう。
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