子供がでべそになる原因と治療方法は?手術した方が良いの?
子供がでべそになる原因は一体何なのでしょうか?
また、でべそを治療することは出来るのでしょうか?
でべそはほとんどの子供が「自然」に治ります。
傷や出血はありませんので、即治療する必要はありません。
しかし「でべそを放置していて大丈夫なの?」と不安に思うママは多いのではないでしょうか?
特に赤ちゃんが女の子の場合年頃なると、でべそを本人が気にすることでしょう。
今回はあまり知られていない、「でべそ」の原因や治療法・手術・費用について紹介します。
このページの目次
でべそは2種類ある
でべそとは、通常凹んでいる状態にあるおへそが、出っ張っている状態を言います。
赤ちゃんは、生まれた時にへその緒(臍帯)がついています。
へその緒は乾燥し、早ければ5日ほど遅くとも2週間以内には自然と取れます。
取れたあとは、「おへそが陥没した状態」になるのですが、おへそが凹まず出っ張っている状態がでべそなのです。
「へその緒の切り方が悪いとでべそになる。」と言う人もいますが、実際はそうではありません。
でべそはほとんどが産まれつきのもので、予防法はありません。
でべそは大きく分けて下記の2種類があります。
- 臍ヘルニア
- 臍突出症
この2種類の「でべそ」の原因ついて説明します。
臍ヘルニアの原因
まずは臍ヘルニアの原因を説明します。
もともと赤ちゃんとお母さんは、へその緒で繋がっています。
ですのでへその緒がなくなると、穴(臍輪)の開いた状態になります。
通常は穴を塞ぐために、「筋膜の固い組織」が覆います。
しかし中には、穴が閉じない赤ちゃんがいます。
穴が閉じないと、そこに腸や脂肪が入り込みます。
開いたままの穴から「腸や脂肪が飛び出している状態」になるので、おへそが出っ張ります。
このように穴から腸が飛び出している状態を「臍ヘルニア」と言います。
空気を多く含み、腸が張っている時に、でべそは大きくなります。
ひどい場合はピンポン玉ほどの大きさになるでべそもあります。
赤ちゃんが飲み物を飲む回数が多いと、空気がお腹に溜まりやすくなります。
するとでべそが大きくなりますので、こまめにゲップさせるようにしましょう。
臍突出症の原因
次に臍突出症の原因です。
臍突出症の原因は、穴(臍輪)は閉じたけれど、おへそが凹みきらずに飛び出している状態を言います。
おへその真ん中だけ膨らんでいたり、おへそ周りの皮膚が飛び出していたりしています。
臍突出症の場合は、穴が閉じているので腸が出て来ることがありません。
見た目だけの問題ですので、気にならないのであれば、そのまま放置することになります。
でべそになる確率は?
赤ちゃんがでべそになる確率は10%と意外と高く、10人に1人がでべそになる割合です。
臍ヘルニアタイプのでべそは、90%の赤ちゃんが「1歳になるまで」に自然治癒します。
また未熟児や低体重の赤ちゃんの場合は、「でべそ」になる確率が50%と非常に高くなっています。
でべその治療方法
でべそを治す場合、どのような治療をするのでしょうか?
でべそは「放置しておいて良い場合」と「治療が必要な場合」があります。」
それぞれの治療方法について説明します。
自然に治る
赤ちゃんのでべそは、寝返りやハイハイができるようになると、自然と治り始めます。
腹筋が発達することで、おへそ内側の穴が小さくなるためです。
でべそは何もせず放置していても、1歳までには約90%の赤ちゃんのでべそが治ります。
ですので、でべそだからと言って焦らずに、経過を観察するのが良いでしょう。
1歳を過ぎても完治しない場合は、手術をすることも可能です。
しかし2~3歳頃に治る子供もいますので、早急に治療する必要はないでしょう。
治療するタイミングは、小児科の先生に相談してください。
テープを貼る
少し前まで、赤ちゃんのでべそを治すには、「5円玉や10円玉をおへそに貼ると治る」と言われていました。
しかし現在、5円玉や10円玉をおへそに張り付ける方法は行われていません。
現在、一般的に行われている治療方法を紹介します。
まず飛び出しているおへそを押し込みます。
おへそを押し込んだことで出来た凹みに、小さく切ったスポンジや、小さく丸めた綿をおへその中にいれます。
上からテープや絆創膏を貼り、固定します。
つまりでべそを圧迫して固定するのです。
テープや絆創膏で固定する時に注意しなくてはいけないのが、赤ちゃんの肌かぶれです。
赤ちゃんの肌は敏感で、テープや絆創膏でかぶれてしまうことがあります。
またスポンジや綿を固定することで、おへそが蒸れて細菌が繁殖し、湿疹の原因になることもあります。
ですので赤ちゃんの肌が荒れないように、1週間に1度おへそをよく洗いましょう。
また固定するスポンジや綿は替えるようにしましょう。
テープや絆創膏を貼る位置も、毎回同じにならないよう注意しましょう。
自分でやるのは意外と難しく、病院でやってもらうことも出来ます。
小児科で相談してみましょう。
ただし小児科に酔っては、テープで固定する方法をやってくれない小児科もあるようです。
これは「治療ではなく民間療法だから」と言う理由からのようです。
テープで固定し、圧迫する治療方法は、早くて2・3週間で治る子供がいます。
手術をする
1~2歳を過ぎてもでべそが治まらない場合は、手術を行い、でべその治療をします。
臍突出症の場合は、皮膚が飛び出しているだけの状態です。
ですので見た目を気にしないというのであれば、手術をする必要はありません。
しかし臍ヘルニアの場合は、腸が皮膚下に飛び出している状態ですのでいくつかの危険性があります。
腸が突出したまま戻らなくなり、穴の部分で締め付けられて痛みや吐き気の症状が現れることがあります。
さらに危険なのが、腸が締め付けられたところに血液が行き渡らず、内臓が壊死してしまうことです。
上記のような症状が起こるのは、まれです。
ですので手術に関しては、病院で相談すると良いでしょう。
でべその手術について
手術を迷っている場合、でべその手術でおこるリスクや手術の手順・入院日数・費用について気になりますよね。
そこで手術の手順・術後の経過・入院日数・費用について、詳しく説明します。
手術の手順
でべその手術内容は下記になります。
- でべその下を切開する
- 穴が開いている部位を縫って閉じる
- おへその皮膚を縫い、凹みを作る
- 術後おへその中にスポンジ、または綿をつめて圧迫し、固定する
上記の流れで手術が進み、手術にかかる時間はおよそ「1時間」です。
でべその手術の際は、基本的に全身麻酔で行われます。
病院によっては部分麻酔も可能です。
しかし子供の手術の場合、部分麻酔ですと手術中意識があり、不安が生まれます。
手術の時間が1時間ほどありますので、長い間子供に不安な思いをさせるのは可哀想です。
ですのででべその手術をする際は、部分麻酔より全身麻酔の方が良いでしょう。
入院日数は?
臍ヘルニア手術の入院日数は、手術する子供の年齢や、術後の経過によって変わります。
大体「2・3日」の入院後に、退院する事がほとんどです。
早い場合は、手術当日の退院になる子供もいます。
術後は痛みが徐々に軽減されるものの、子供が無意識に傷口を触ったり、引っ掻く場合があるので注意が必要です。
でべそ手術後の経過
手術をした後は、普通に日常生活を行えます。
術後の痛みは一週間程続き、強めの筋肉痛に似た痛みです。
傷跡はほとんどわからなくなりますし、傷が残ってもおへそが凹んでいますので、目立ちません。
おへその形は、医者の技術になりますので、手術後本人が調節することは不可能です。
でべその手術を行うと、再発することはほとんどありません。
費用は?
手術費用は臍ヘルニアの場合、健康保険が適応されるので医療費が全体の3割負担となり、「50,000円前後」です。
子供の場合、乳幼児医療制度がありますので、手術費は無料になります。
しかし入院費用と食事代はかかります。
乳幼児医療制度は、地域により対象年齢が違います。
詳しくは現在住んでいる地域の役所に問い合わせてください。
臍突出症の手術の場合は、病気ではないため、保険が適応されません。
ですので手術費用全額負担となります。
手術費用は、自由診療になるので病院によって料金が異なり、「10万円~30万円」と幅があります。
まとめ
赤ちゃんのでべそは、ほとんどの場合、1歳前後に自然治癒します。
1歳前後になるとハイハイを始め、腹筋がつき、おへそが小さくなるためです。
なかなか治らない場合は、でべそを圧迫し固定の治療を行います。
テープを貼って固定する方法ですが、難しい場合は小児科でやってもらいましょう。
それでも治らない場合は、手術にて治療します。
でべその手術は、比較的簡単な手術で1時間程で済みます。
傷跡はほとんど残らないので、心配する必要はないでしょう。
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