公立保育園と私立保育園どっちを選ぶべき?比較してみました
私は、公立保育所・私立保育所どちらも勤務した経験がある現役保育士です!
今からお子さんの保育園に通わせようと思っている方。
「保育園って公立と私立に分かれているけど、なにが違うの?」
って思いません?
今回は【公立保育園】と【私立保育園】の記事を書きます。
それぞれの特徴や違いを比べながら、どちらの保育園が良いのか紹介します☆
表面的な良い部分だけでなく、保育士だから知っている【裏の部分】もズバッと伝えていければ…( ̄ー ̄)
10年以上保育園で働いてきた私だからこそ書ける内容にしましたので、参考にどうぞ!
このページの目次
公立保育園と私立保育園の保育料は違う?
一番気になるのは公立保育園と私立保育園の保育料の違いじゃありませんか?
イメージ的には私立保育園のほうが、金額が高いような気がしますよね。
基本的に公立保育園も私立保育園も、【保育料自体は同じ】です。
ですので私立保育園のほうが、保育料が高くなるということはありません。
保育料は前年度の【所得税額】によって自治体が決定します。
保育園ではなく世帯の【所得】で違うんです。
- 所得が少ない→保育料は安い
- 所得が多い→保育料は高い
と言うことです。
ただし、保育料が全く同じかと言うとそうではありません。
私立保育園は、カリキュラムや行事に力を入れている保育園もあるので、
そういった園は教材費やイベント・行事で費用が別途かかります。
園の特色が多ければ多いほど【保育の質】は高いでしょうが、その分お金もかかるってわけです。
ちなみに公立保育園はALT(外国語指導助手)を呼んだとしても
自治体からの補助があるので、保護者に大きな負担はかかりません。
公立保育園と私立保育園の保育方針は違う?
公立保育園と私立保育園では、保育方針は大きく違います。
※ちなみに保育園の場合は教育方針のことを【保育方針】と言います。幼稚園の場合は【教育方針】となります。このページでは正しい使い方をしたいので、保育方針で統一します。
公立保育園の教育方針
公立保育園の運営は【自治体】が行っています。
同じ地域で同じ自治体内で共通した保育方針や目標を設定しています。
ですので同じ地域の公立保育園は、さほど保育方針に違いはありません。
家庭の延長みたいな感じですね。
“のびのび”や”見守る”ってキーワードがよく使われています。
私立保育園の教育方針
私立保育園はNPO法人や宗教法人、企業など様々な運営団体によって行われています。
これは言い換えると、自治体運営ではないということです。
園によって独自の保育方針があります。
キリスト教や仏教などの宗教が絡んでくる保育園もあります。
また英会話や体操、リトミックなどのカリキュラムに力を入れている保育園もあります。
私立保育園で一律同じ保育方針ということではなく、私立保育園によってバラバラです。
ですので私立保育園に入園させようと思っているときは、必ず事前にどのような保育園なのか下見に行くべきです。
公立保育園と私立保育園どんな家庭環境の人が通っているの?
公立保育園と私立保育園、それぞれどんな家庭の人が通っているのでしょうか?
公立保育園に通わせる家庭の特徴
公立保育園は、保育料の他に余分な出費はほとんどありません。
幼稚園と違って、教材費もありません。
給食費、保護者会費が費用の大半を締めます。
行事があるときは写真代や必要な経費を少し請求されるくらいです。
ですので、通わせる家庭のほとんどは【一般家庭】です。
【お金の問題や自宅からの通いやすさ】を基準にしている家庭が多いですね。。
自宅から近い保育園だと、近所の友だちやお姉ちゃんお兄ちゃんも通っているでしょうから通学も安心です。
公立保育園の保育料(大阪の場合)
保育料は子どもを預ける市区町村、人数、時間などで異なります。
※大阪市内の保育園に1人通わせる場合の保育料(月額)の一例です。
世帯所得約200万円の場合…
保育料 9,100円~10,100円
世帯所得約300万円の場合…
保育料 23,500円~24,900円
世帯所得約400万円の場合…
保育料 31,000~39,400円
私立保育園に通わせる家庭の特徴
私立保育園にはそれぞれ独自の保育方針があります。
力を入れている分野があればあるほど、お金はかかります。
講師を雇う、教材を用意する、オーガニック給食にこだわる…
良いものを取り入れると費用がどうしても必要ですからね。
全額保育園が負担!なんてしません。
「お子さんの力を伸ばすんだから、お金は払ってくださいね」ってイメージです。
保育料にプラスして教育的な費用がかかるでしょう。
ですので私立保育園に通わせる家庭は【一般家庭】か【裕福な家庭】です。
【子どものため】の費用なので、お子さんの力を伸ばしたい家庭は私立保育園を選んでいる方が多いです。
また私立保育園は公立保育園と違って延長保育や休日保育など【保育サービス】が充実しています。
夜8時まで預かってくれる園や夜間保育を行っている園もあります。
働く時間が長い人(早朝・残業・深夜など)、休日出勤をしている人で他に子どもを預ける場所がない人はこういった保育サービスを利用します。
ただサービスといってもタダではありません。
延長料金、休日保育料としてお金はかかるので、やはりある程度お金に余裕がある家庭がほとんどでしょうね。
私立保育園の保育料(一例)
私立保育園は入園料や施設費がかかる園もあります。(5万円~7万くらい)
また冷暖房費やカリキュラムによる教材費、冷制服がある園は制服代…
保育料自体は公立も私立も同じですので、前項の所得別保育料にプラスしてください。
公立保育園と私立保育園の設備環境は違う?
公立保育園と私立保育園では、設備環境が違います。
簡単に言いますと、公立保育園は設備環境が古く、私立保育園は新しい場合が多いでしょう。
公立保育園の設備環境の特徴
公立保育園は自治体が運営しています。
保育園の設備環境に文句があったとしても、希望が通ることはほとんどありません。
(保護者でアンケートをとるなり、署名運動するなり行動を示せば何とかなる場合もありますが…)
例えば「ここが危ないからフェンスを強化してくれ」とか「最近不審な車がいるから防犯カメラを設置してくれ」って要望を園長に伝えても、
自治体からの予算の問題で希望が通らなかったり、許可をもらうまでに時間がかかったりします。
むしろ自分の身分を気にする園長先生は、保護者の要望を自治体にハッキリ伝えません。
公立保育園は異動がありますから、面倒なことを言って役所から目をつけられるとすぐにとばされますので。
争いがないように保護者を適当になだめて平穏をキープし一年を過ごす園長先生が多いんですw
なので公立保育園は古くて環境が十分整っていない保育園も多いでしょうね。
また公立保育園の場合は、おもちゃも古いことがほとんどです。
費用を抑えようと【手作り】にこだわったり、保護者が「もう使わないから」と言って【提供】してくれるおもちゃも多いです。
公立保育園は毎年予算内で保育するのに必死なのです。
ただ公立保育園は園庭が広い場合が多いです。
園庭が広いと、園内で安全に遊べるから先生もママも安心です。
私立保育園の設備環境の特徴
私立保育園は、他の園にはないこだわりや新しい設備環境を整えている場合が多いです。
他の園にないものは強みになるので、保育園のPRとして保育園児の呼び込みにも効果的です。
例えば床暖房やプール、ボルダリングを設置したりする保育園もあります。
部屋もカラフルで明るくキレイです。
保育園のトップページには、園の設備を紹介した写真がどーんと載っていますね(笑)
またセキュリティも徹底していて、ドアがオートロック式だったり警備員を立たせたりする保育園もあります。
とにかくお金をかけて設備環境を整えていますね。
しかし公立保育園とは反対に園庭がなかったり、建物内のテラスしかないといった場合も多いです。
そのため散歩に出て近所の公園で遊ぶことも多いんですが、園外は危険もいっぱいですよね。
先生は目が話せませんし、子どもの遊びも制限が多いでしょう。
公立保育園と私立保育園で先生の雰囲気は違う?
保育園生活が充実するかどうかは、先生との関係で決まる場合もあります。
その先生も、公立と私立で雰囲気が違うんですよね。
公立保育園の先生の特徴
公立保育園で働く先生は自治体のもとで働いているので、肩書は【地方公務員】です。
先程も書きましたが、異動があるので「母園に知っている先生が一人もいない!」なんてことはしょっちゅうです。
(実際に私は母園(母校の保育園版)に就職しましたが、私の幼少時代を知っている先生は一人もいませんでしたw)
特に園長先生が異動すると、園のカラーはガラッと変わります。
そうなると子どもはちょっと可哀想ですよね…
新年度には大好きな先生がいなくなり、不安な中で
新しいクラス…
新しい部屋…
新しい先生…
に囲まれて、数日前とは全然違う雰囲気で毎年一年がスタートするわけですから…
しかし公立保育園の先生は勤続年数が長いので、年配の先生は保育のプロです。
産休・育休後も復帰しやすいので、子育てのプロも多いでしょう。
子どもの悩み・子育ての悩みは、出産経験のない若い先生に相談するのは抵抗があります。
年配のベテラン先生にだったら相談しやすいですよ。
私立保育園の先生の特徴
私立保育園の先生は若い先生が多く、園長先生も若い場合があります。
こだわりの強い教育方針をもっている保育園は先生の負担も大きいので、辞めていく先生が多いようです。
しかし異動がないので、同じ園で長く働く先生もまた多いのです。
子どもを入園から卒園まで見守ってもらえるので、
アレルギーのある子や喘息持ちの子の場合は、親としては安心して預けられますね。
また語学や運動、音楽などの専門性が高い特色をもつ保育園は、先生の【保育の質】が高いでしょう。
ただ!
私立保育園で働く先生たちは仲が悪いことが多々ありました。。。
私立保育園は中堅の先生、いわゆる【ある程度保育園に腰を据えている先生】は強いです。
そういった先生が、新人をいじめたり、先生同士で派閥をつくったりでドロドロとした関係がほとんどです。
若い先生が多く辞める理由に、人間関係も大きく影響していると思いますよ。
異動がないので一生人間関係で悩むのは苦痛ですから…。
しかも陰湿な先生ほど保護者や上司の前では愛想を振りまくので表向きは”良い先生”です!
「保育園の先生って子どもを相手にしているから優しい~(*^^*)」なんて嘘。
先生も人間ですし、女の世界ですから心の中はドロドロです。
そんな先生は子どもに対しても裏では冷たいんです。
本当の意味で【良い先生】に出会えるといいですね…。
公立保育園と私立保育園のでママ友との付き合い方は違う?
保育園に通うと、先生だけでなく保護者同士の付き合いも少なからずあります。
ただ公立保育園、私立保育園どちらも基本的には親は働いているんで、ハッキリいって付き合いをしてる暇はありません!
「子ども同士が仲が良いと、親同士も仲良くしなきゃいけないの?」って心配は必要ないんです。
しかし役員になれば役員会や行事の手伝いなどで保護者同士の付き合いは増えます。
それ以外でしたら公立保育園は私立保育園に比べれば行事は少ないかも。
なかには年6回バザーを開催している私立保育園もあるようですから…(・・;)
公立保育園と私立保育園卒業後の進路の違いは?
保育園を卒業後したあとは、小学校へ進学しますね。
(幼稚園を経由する子もいますが)
私立保育園に通っている子供は、必ず私立保育園に進学するのでしょうか?
実はそんなことはありません。
私立保育園→公立小学校
公立保育園→私立小学校
どちらでも通えるんです。
ただ!
「私立の小・中学校はめちゃくちゃお金がかかります!!」
調べたところ、私立小学校の学費は年額で【約150万円】です(*_*)
もはやお金持ちしか通えないレベルでしょう。
リアルな話
入学しても学費を払えなくて転校…なんて場合もあるようです。
逆に公立小学校の学費は年額で【約30万円】です。
小・中学校の間は無理せず、公立へ通ったほうが家計も助かるでしょう。
大学進学となればもっとお金も必要になります。
金銭的に不安があるなら、必要なお金を貯めておく期間を作ったほうがいいですよ☆
公立保育園と私立保育園、結局どっちがいいの?
長々と書いてきましたが、結局公立の保育園と私立の保育園、一体どっちが良いのでしょうか?
あいまいですいませんが
結局のところは、どちらも良い面もあれば悪い面もあります。
お金のあまりかからない私立保育園だってあります。
私立保育園の方がドロドロしているって書きましたが、公立保育園にだって陰湿で怖い先生はいます。
保育園一つ一つ全く違うのが当たり前です。
子ども・自分・家庭に合った保育園を選びましょう!
まずは気になる保育園を一つでなく、いくつかピックアップするといいですよ。
最初は家から通える距離や保育時間、お金の問題など表面的な内容を重視して、
その中で先輩ママに話を聞いたり、見学に行ったりして内面的な部分を探っていくといいでしょう。
自分の子どもを就学まで預ける場所なので、事前の見学や体験は特にオススメです。
保護者が来ると先生はいつも以上に部屋をキレイに整頓して、子どもたちの前では笑顔を欠かさないでしょうが、
しばらく一緒の空間にいると見えてくるブラックな部分もあると思います。
これからのお子さんの成長のためにも、保育園選びは慎重にしましょうね!