子どもがダニアレルギー(ハウスダストアレルギー)になった!ダニアレルギーの原因や対策
子どもは大人より免疫が弱く、アレルギーが出やすいものです。特にダニアレルギーに困っている方は多いですよね。
ダニアレルギーは文字通り、ダニが原因で起こるアレルギーのことです。このダニは生きているダニだけではなく、ダニの死骸でもアレルギー反応が出てしまいます。
ちなみに、小児喘息を持った子どもの約9割がアレルギーを持っていると言われており、その中で最も多い原因がダニアレルギーです。
なぜダニアレルギーになってしまうのでしょうか?そして、ダニアレルギーになってしまった時は一体どのような対策をすれば良いのでしょうか?
子どもにダニアレルギー症状が出てしまった時、すぐに対処できるようにママが知識を身に着けておきましょう。
このページの目次
子どものアレルギー
ダニアレルギーに限らず、アレルギーの症状の多くは幼児期にあらわれます。
ちなみに現代の子どもの4割弱が、なんらかのアレルギーを持っていると言われており、年々その数は増加傾向にあります。
子どものアレルギー疾患がどのくらいいるのかを調べた調査では、ぜん息、アトピー性皮膚炎が減少傾向にあるものの全体的に増加傾向を示しており、4割弱がなんらかのアレルギー疾患を抱えていることがわかります。近年のアレルギー疾患の動向
そもそもアレルギーとは、一体何なのでしょうか?
ダニアレルギーの原因と対策を知る前に、アレルギーとは一体何なのかを知っておいたほうが良いので説明します。
アレルギーって一体何?
私たちの体には、「免疫」という機能が備わっています。
この免疫は、外部から入ってきた異物・細菌・ウイルスを排除しようとする働きがあります。簡単に言うと免疫とは、体を守ってくれる「ヒーロー」みたいなものですね。
ですが、この免疫が過剰に反応した時に「アレルギー反応」が現れます。
そしてその反応が、正義のヒーローとは逆に体に危害を与える悪みたいなものになってしまうのです。
【アレルギー症状の現れ方】
アレルギー症状の現れ方は4つに分類されます。
アレルギーの種類 | 症状 |
---|---|
Ⅰ型アレルギー (即時型) |
大半のアレルギー反応 症状が即時型 |
Ⅱ型アレルギー (細胞傷害型) |
免疫異常反応が自分の 身体の細胞を攻撃するもの |
Ⅲ型アレルギー (アルサス型) |
アレルゲン抗体が結び ついて障害を起こすもの |
Ⅳ型アレルギー (遅延型) |
症状発症まで時間がか かるもの |
ほとんどのアレルギーはⅠ型で、ダニアレルギーはⅠ型に含まれています。ですので、ダニアレルギーの人がダニを吸い込めば、その日のうちにアレルギー反応となって現れるのです。
ダニアレルギー・ハウスダストアレルギーの原因
家で遊んでいる子どもの目が痒くなったり、くしゃみがよく出るようになったりという症状が見受けられた場合、なんらかのアレルギーの可能性があります。
特に子どものアレルギーで多いのが、ダニアレルギーやハウスダストアレルギーです。
ダニアレルギーやハウスダストアレルギーの対策をする前に、まずはこのダニとハウスアレルギーの原因について知りましょう。
ダニアレルギーの原因
ダニはどの家庭にも潜んでいてます。ダニに噛まれると痒くなるといったイメージがありますよね。
実はこの噛むダニとアレルギーの原因となるダニは種類が違います。
アレルギーの原因になるダニの多くは「ヤケヒョウダニ」と「コナヒョウダニ」です。
このダニはチリダニに属するもので、人に吸血しないのが特徴です。噛まれることがないため、なかなかこれらのダニの存在に気が付くことが出来ないのです。
このチリダニには、「プロテアーゼ」と言う「タンパク質」が含まれています。そしてこのタンパク質は「消化酵素」なのですが、この「消化酵素」がアレルギーの原因となっているのです。
ハウスダストアレルギーの原因
ハウスダストと言うと、家の中にあるホコリやチリが代表的ですよね。このホコリやチリの中にもダニ・ダニの死骸・フンが含まれています。
ちなみに、ホコリやチリの中にどれくらいのダニが存在していると思いますか?
ホコリ1gあたり、なんと1000匹もダニがいると言われています!目には見えないだけで、実際はこんなにもダニが存在しているのです。
ダニの他にも、カビやバクテリア、糸くず・食べカス・人のアカなど様々な要因があります。
ハウスダストアレルギーになるほとんどの原因はダニなのです。そしてダニアレルギーの人の多くは、ハウスダストアレルギーなのです。
ハウスダストアレルギーもダニアレルギーも、ほとんど原因が同じですので、対策も同じと言えます。
どうすれば発症するの?
「ダニアレルギーになってしまった」と言う人がいますが、実はアレルギーに「なってしまった」という表現は間違いです。
と言いますのも、アレルギーと言うものは「なるならない」ではなく、元々アレルギーとして現れる要素が体にあって、ただ、それが今まで表に出てきてなかっただけなのです。
ですのでなってしまうのではなく、元々の体質にアレルギーが発症する可能性があり、それが発症したと言うのが正しい表現になります。
ではなぜ、アレルギーが今まで表に出てこなかったのに急に出てきたのかと言うと、子どもの体に入っていたアレルゲンの量が、発症するまでは「許容範囲内」だったからです。
「アレルギーコップ」という言葉をご存知ですか?
画像引用:http://immubalance.jp/about/allergy-8/
子どもそれぞれに、色々な大きさのコップを持っていると想像してください。そのコップに水を注いでいきます。
コップの容量が小さいとすぐ水が溢れてしまいますが、コップが大きいと水は溢れません。それをアレルゲンに置き換えて考えてもらえれば分かるかと思います。
普段であればダニを吸い込んでもアレルギー症状が出なかったけれども、子どもの体の許容範囲である一定の量をオーバーしてしまうと、溢れてアレルギー反応が出てしまう。そう考えるとわかりやすいと思います。
ダニアレルギー(ハウスダスト)の症状
ダニアレルギーの症状でよくあらわれるのはこちらです。
- 息苦しくなり激しい咳や発作が起こるアレルギー性喘息
- 鼻水・鼻づまり・くしゃみなどのアレルギー性鼻炎
- 目のかゆみ・充血・腫れが起こるアレルギー性結膜炎
- 赤い湿疹・炎症・かゆみが出るアレルギー性皮膚炎
このようにダニアレルギーの症状は大きく分けて4つになります。
アレルギー性喘息
アレルギー性喘息は、ダニやダニの死骸、フンを吸い込むことにより、気管支が詰まってしまい息苦しくなります。ひどい場合は、発作を引き起こすこともあります。
激しい咳が出るのが特徴で、息ができないほど苦しくなることもあります。
ダニアレルギーの子どもは、小児喘息に移行していく子どもが多いようです。つまり慢性的な喘息持ちになってしまうということです。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、風邪をひいてるわけでもないのに何度もくしゃみがでたり、鼻水が出たりするのが特徴です。
花粉症に似た症状がでます。鼻や喉の粘膜にアレルゲンが付着することで、アレルギー反応としてあらわれます。
あまりにも鼻をかみすぎると、中耳炎になる子どももいますので気をつけましょう。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、目の粘膜にアレルゲンが付着することで目がかゆくなったり、充血したりします。
アレルギー性物質が目に侵入すると、ヒスタミンという物質が体内から放出されます。
ヒスタミンは痒みの原因になっていますので、強い痒みが症状としてよくあらわれます。この時、アレルゲンがついている手で目をこすると、さらに症状がひどくなります。
アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、アレルギー反応が皮膚にあらわれます。皮膚に強い痒みを伴うことが多いのが特徴です。
湿疹のような赤い点がたくさんできたり、赤みがかった肌の炎症がおこります。このことからアトピー性皮膚炎を併発してしまうこともあります。
ダニアレルギー・ハウスダストアレルギーの対策
ダニアレルギーもハウスダストアレルギーも対策次第では、アレルギーの発症を抑えることが出来ます、
子どもにアレルギー症状が出ないように、下記の対策を行いましょう。
掃除機、拭き掃除をする
ダニアレルギーは掃除が1番大事です。家の中にホコリがあると、アレルゲンを放置しているようなものなので、子どものアレルギー症状は良くなりません。
出来ることなら毎日掃除することが理想ではありますが、それができない場合は、こまめに掃除をするようにしましょう。
掃除の方法にも気をつけなければいけないことがあります。フローリングは、必ず雑巾がけをしてから掃除機をかけてください。
いきなり掃除機をかけてしまうと、アレルゲンであるダニやダニの死骸・フンなどを部屋中に舞い上げてしまうことになるからです。
アレルゲンが空気中に舞うことで、子どもが吸い込んでしまいやすくなり、アレルギー症状が出てしまうことがあります。
ですので必ず雑巾がけから始めましょう。当然、家具や細い隙間などのホコリを取ることも忘れないように。
布団を干して掃除機をかける
毎日布団を干して叩けばダニを撃退できる、と考えているママは多いですよね。ですがそれだけではダニを撃退することはできません。
なぜかというと、布団を干しても表側にいる一部のダニは布団の裏側に周り隠れます。
では布団の両面を叩けばいいのでは?と思いますが、この「叩く」と言うのも、布団にはあまり良くないのです。
布団を叩くことで、布団の繊維が傷んでしまいます。叩いているとたくさんのホコリが舞っているように見えますが、実際はホコリではなく布団の繊維なのです。
ですので、布団を叩くのは干した後、取り入れる時にサッと表面についた異物を取り払う程度にしましょう。その後に、布団の両面に掃除機をかけます。そうすることで布団にいるダニを減少させることが出来ます。
ダニアレルギーの人は、布団用に専用の掃除機を購入している人が多いようです。家庭内の掃除機は日頃、ホコリやダニに触れていますので、布団用に使う掃除機は、分けて購入する方が良いでしょう。
コインランドリーを利用する
熱に弱いダニは50度以上の熱で20分以上、60度以上の熱なら一瞬で死滅すると言われています。
ここで役立つのがコインランドリーの乾燥機です。コインランドリーの乾燥機は約60度ですので、ちょうどダニが死滅してくれるのです。
ドラム缶の中では熱風でかき回されるのでダニの死骸やフンが衣類から離れます。それから洗濯をすることでダニの死骸等が洗い流されます。再度乾燥機にかけることで、ダニやダニの死骸・フンが激減するのです。
家庭でも乾燥機能が付いている洗濯機なら可能ですが、容量を考えますと一度に大量のシーツや布団を乾燥できません。家庭で何度も乾燥させると、電気代がかかってしまうので注意しましょう。
アレルギー対策の寝具を購入する
ダニは中綿が天然素材の布団を好みますので、木綿・真綿の布団に寄ってきます。ですので、布団の素材がポリエステルやウレタンにする方がオススメです。
他にも寝具全てのカバーを防ダニ仕様にすることを徹底しましょう。
ダニは布団やシーツなど、寝具に多く潜みます。そのため、寝ている間にアレルギーの症状が出てしまうことが多いようです。その寝具にダニ対策をすることで、アレルギー症状は激減します。
免疫を高める食事
アレルギーと免疫は密接な関係があります。体の免疫力が弱まっていると、アレルギーが出やすくなるのです。
ですので、免疫力が高い体質になればアレルギーが発症することも少なくなります。
免疫力を高める為には、栄養バランスの取れた食事が重要です。
特にたんぱく質は免疫細胞を作る材料になり、体を温めて体のエネルギーを作ってくれます。
たんぱく質には動物性と植物性がありますが、どちらも免疫力アップには欠かせない栄養素ですのでバランス良く摂取する必要があります。
さらに、ビタミン類やミネラル成分は、目、鼻・のどなどの粘膜を強くする効果があります。
体内へのアレルゲンの侵入を防ぐ為にも、緑黄色野菜をしっかり食事に取り入れるようにしましょう。
子どもがアレルギーかも?と思ったら病院へ
子どもが家の中で、上記のような症状が出ている場合は、ダニアレルギーの可能性があります。
「アレルギーかも?」と思ったらすぐ病院で受診しましょう。
何科にいけば良い?
「子どものアレルギーって何科に行けば良いの?」と悩む方は少なくありません。
「子どもの病気のことなので、小児科?でも痒がっているから治すには皮膚科かな?目が充血してるからそうなると専門の眼科の方が詳しそうだし…」
色々と考えてしまって、結局何科が受診すれば良いのかがわからないママが多いかと思います。
ここはひとまず小児科で大丈夫です。
小児科では子どもの病気を全般に扱っていますので、アレルギー症状も診てもらうことが出来ます。
アレルギー反応が起きる箇所に特化した専門家に診てもらいたい場合は、小児科ではなくそれぞれの症状に合わせた科で受診すると良いでしょう。
まとめ
ダニアレルギー・ハウスダストアレルギーの発症を防ぐには、アレルギーの原因となるダニを避けることにあります。
特に布団や枕などの寝具はダニの隠れ場所となるので、徹底してダニを排除しましょう。ただ干すだけではダニは排除されません。ですので乾燥機を使ってダニを死滅させ、その後に掃除機で吸い取ります。
また、免疫力の高さも重要です。タンパク質やビタミン・ミネラルが多く摂れるバランスの良い食事を摂りましょう。
ダニアレルギーか否かの判断は私達では不可能です。ですのでダニアレルギーのような症状が発症した場合は、病院で診てもらう必要があります。
少しの血液でどの物質にアレルギー反応するかが分かりますので、是非病院で見てもらって、子どもの体質を知っておきましょう。
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