子どもが蕁麻疹になる原因は?蕁麻疹の種類と対処法
子どもに蕁麻疹が出来て、驚いてこのページに辿り着いた人は多いハズ。
子どもの蕁麻疹は決して珍しいことではありません。大人と比べたら子どもの皮膚はデリケートで敏感ですので、ちょっとしたことで蕁麻疹が出てしまうことがあります。
蕁麻疹が出たということは、体の中、あるいは体の外からなんらかのダメージを受けているサインかもしれません。
子どもの蕁麻疹の原因は一体なにが考えられるのでしょうか?
そして蕁麻疹になった時はどのように治したらいいのでしょうか?
今回の記事は子どもの蕁麻疹に特化した記事となっております。
このページの目次
蕁麻疹ってなに?
蕁麻疹とは、なんらかの影響により皮膚の中にある「マスト細胞」から「ヒスタミン」と言う化学物質が放出されたことで、引き起こされる病気の一種です。
マスト細胞は誰もが持っている細胞です、そして血管があるところには、ほぼ存在する細胞です。
マスト細胞からヒスタミンが放出されると、血管が拡張されて赤く見えます。さらに血管の中の「血漿」という液体成分が、血管から漏れ出すため皮膚が膨れます。
この状態を「蕁麻疹」といいます。
蕁麻疹の症状
蕁麻疹でよくある症状はこちらです。
- 皮膚が蚊にさされたように赤く膨れる
- かゆくなる
- 急に症状が出てすぐに治まる
蕁麻疹は急に症状が出ることが多く、蚊にさされたような赤い膨らみが皮膚にあらわれかゆくなり、それが徐々に広がっていきます。
子どもの蕁麻疹は大人の蕁麻疹と異なり、比較的短期間で治っていきます。
だいたい数分~数時間で赤い膨らみや痒みもなくなっていきますが、ひどい場合は一日中続く場合もあります。
蕁麻疹と似たものに、湿疹があります。
蕁麻疹と湿疹の違いですが、皮膚がかゆくなるという症状は同じです。
しかし湿疹の場合は赤いプツプツがあらわれ、蕁麻疹は肌が広い範囲で赤く膨れると言った症状があらわれます。
子どもの蕁麻疹の原因
蕁麻疹といえども原因は一つではありません。それぞれの原因によって対処法も変わってきます。
子どもの蕁麻疹の原因は一体どのようなものがあるのか記載します。
蕁麻疹は大きく分けて4つある
子どもが引き起こす蕁麻疹は大きく分けて4種類あります。
- 急性蕁麻疹・慢性蕁麻疹
- アレルギー性蕁麻疹・非アレルギー性蕁麻疹
- 物理性蕁麻疹
- ストレス性の蕁麻疹
これらが代表的な蕁麻疹です。
次にそれぞれの蕁麻疹を引き起こす原因と対処法をみていきましょう。
急性蕁麻疹・慢性蕁麻疹になる原因
蕁麻疹の症状を訴える人の7割は、「急性蕁麻疹・慢性蕁麻疹」と言われています。
急性蕁麻疹
急性蕁麻疹は原因がわからないことが多いのですが、子どもの急性蕁麻疹は「風邪をひいた時」やなんらかの「病気の時」に出ることがあります。
細菌やウイルスが体内に侵入したことにより、普段の風邪の症状に加え、アレルギー反応として蕁麻疹があらわれることが多いのです。
急性蕁麻疹は大体1ヶ月以内に治まることが多いのですが、子どもの病気が原因の場合は病気が治るまで、頻繁に蕁麻疹の症状があらわれることがあります。
蕁麻疹が出た原因が細菌やウイルス感染によるものとわかっている場合は、細菌やウイルスが体内から消えると治まることが多いので、原因となっている病気を治すための薬が処方されます。
慢性蕁麻疹
1ヶ月以上慢性的に続く蕁麻疹のことを言います。この慢性蕁麻疹の場合も急性蕁麻疹と同様に、原因がわからないことが多いのが特徴です。
このような原因がわからない慢性蕁麻疹の治療は、痒みや腫れを抑える薬を使い、経過を観察し蕁麻疹の症状が治まっていくのを待つことが多いです。
急性蕁麻疹に比べ、長く続く慢性蕁麻疹の方が怖いと言えるでしょう。
アレルギー性蕁麻疹
アレルギー性蕁麻疹は、アレルギーの原因(アレルゲン)となるものを体内に取り入れたり触れたりすることによって引き起こされる蕁麻疹です。
主にアレルゲンになるものは下記のものが上げられます。
- 食べ物
- ペットの毛
- ハウスダスト
- ダニ
- 虫
- 花粉
子どもの蕁麻疹の場合、毎日口にする食べ物によるアレルギー反応で蕁麻疹になることが多いようです。
ですが、アレルゲン要素のある食べ物や花粉などが体内に入って蕁麻疹が出たとしても、子どもの場合は大人と比べると比較的すぐに症状が治まり、数時間で治ることが多いです。
アレルギー性蕁麻疹の症状が出てしまった場合は、それ以上アレルゲン要素を体内に入れないようにしてください。
しばらく安静にしていると、次第に症状は治まってきます。
症状があまりにもひどくなる場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などで症状を抑える必要がありますので病院で受診しましょう。
アレルギー性蕁麻疹になりやすい食物
アレルギー性蕁麻疹の原因となることが多い、アレルギー反応を起こしやすい食べ物はこちらです。
- 卵
- 乳製品
- 小麦
- 大豆
- 魚
- エビ・カニ
- ソバ
- ピーナッツ・カシュナッツ
これらの食べ物はアレルゲン要素があるとされています。他にもお肉や、果物でアレルギー性蕁麻疹を引き起こす場合もありますが、これらに比べて比較的少ないでしょう。
食べ物による蕁麻疹が起きてしまった時、その原因を特定するには病院で血液検査をおこなうのですが、とても時間や手間がかかります。
ですが、我が子が一体何の食べ物にアレルギー反応してしまうかは絶対に知っておく必要があるので、病院を受診しましょう。
運動によって誘発されるアレルギー性蕁麻疹
アレルギー性蕁麻疹は、運動によっても誘発されることがあります。
これは「運動誘発アナフィラキシー」と言って、運動をしたことにより起こる症状です。
少量であればして食べたとしてもアレルギー反応として現れないようなものでも、運動することにより食べ物の中に含まれるアレルゲンの吸収を高めることがあります。
アレルゲンの吸収を高めたことによって、アレルギー性蕁麻疹を発症してしまうのです。
運動誘発アナフィラキシーはひどい症状になると蕁麻疹では治まらず、呼吸困難や失神・意識障害といったショック症状を引き起こすことがあります。
このことから食事の後は、2.3時間運動しないことが好まれます。
もしこのような症状があらわれてしまった場合は、すぐに運動をやめる必要があります。
軽度であれば、安静にしていれば治まってくるものですが、そうでない場合はすぐに病院に行き、処置を受けるようにしましょう。
非アレルギー性蕁麻疹
非アレルギー性蕁麻疹は体内に取り入れたアレルゲンによる蕁麻疹とは違い、外からの影響により発症する蕁麻疹のことを言います。
後半でお話しますが、物理性蕁麻疹が非アレルギー性蕁麻疹に含まれます。
物理性蕁麻疹になる原因
物理性蕁麻疹というのは、何かを体内に取り入れたことによるアレルギー反応ではなく、外部要因によってのアレルギー反応の蕁麻疹をいいます。
物理性蕁麻疹は下記の種類に分類出来ます。
- 機械性蕁麻疹
- 寒冷蕁麻疹
- 温熱蕁麻疹
- 日光蕁麻疹
- コリン性蕁麻疹
それではそれぞれの蕁麻疹の説明と原因を見ていきましょう。
【機械性蕁麻疹】
機械性蕁麻疹とは、外部から皮膚に圧力や摩擦を加えたことにより出来てします蕁麻疹のことです。
爪で掻いたり、衣類による肌の摩擦などが原因でおこります。人工蕁麻疹とも言われています。
この機械性蕁麻疹の場合は、外部からの刺激で蕁麻疹が出来ているので、刺激が与えられた部分に圧力や摩擦がかからないようにすれば症状は治まっていきます。
【寒冷蕁麻疹】
寒冷蕁麻疹とは、皮膚の温度が急激に冷えることでおこる蕁麻疹のことです。
温かい場所から急激に寒い場所に移った時や、夏に体温が温かい状態で冷たいプールに入った時などに症状が出ます。
一般的に蕁麻疹が出た時は、かゆみを治まりやすくするために患部を冷やします。
ですが寒冷蕁麻疹の場合は、冷やすことによって余計に症状を悪化させてしまいます。
ですので寒冷蕁麻疹の場合は、患部を冷やさずに温めてください。
【温熱蕁麻疹】
温熱蕁麻疹とは皮膚の温度が急激に温まることでおこる蕁麻疹のことです。
運動をしたことにより、急激に体が温まった時や、温かい食べ物や飲み物を摂取したときなどにあらわれます。
温熱蕁麻疹が症状としてあらわれた時は、涼しい所で体を休めてください。温まった体温が徐々に常温になりますので蕁麻疹が治まりやすくなります。
【日光蕁麻疹】
日光蕁麻疹とは、太陽の光を浴びた時におこる蕁麻疹のことです。
必ずしも太陽の光を浴びると蕁麻疹があらわれるわけではなく、体調がすぐれない時や真夏の紫外線が強い時に起こりやすい蕁麻疹です。
症状が発症した時は、すぐ日陰や室内に移動して安静にしてください。
そして冷えたタオルを患部に当てたり、冷たいシャワーを浴びるとかゆみや腫れが和らぎます。
【コリン性蕁麻疹】
体が温まり、汗をかいたことでその部分にできる蕁麻疹をコリン性蕁麻疹といいます。
詳しい原因は解明されていませんが、発汗作用のあるアセチルコリンという化学物質や、自分が出した汗の成分によってのアレルギー反応が関係しているのではないかと言われています。
コリン性蕁麻疹に対しては根本的な治療法は見つかっていないのが現状です。
汗は自然に出るものですのでそれを防ぐことはできません。ですので薬によりかゆみを抑える方法から今後の様子をみていくことになります。
ストレス性の蕁麻疹になる原因
ストレスによって、蕁麻疹が発症したり悪化することがあります。
蕁麻疹とストレスの直接的な関係性は明確にされていません。
ですが特にアレルゲン要素を摂取したわけでもなく、外部要因がない場合の蕁麻疹にはストレスからくるものが多いと言われています。
ストレスによる蕁麻疹を「心因性蕁麻疹」と呼びます。
心因性蕁麻疹は薬によりかゆみや腫れを治めたとしても、一時的な解決にしかならないことが多いのです。
ストレスを取り除くなどの根本が解決していない限り、何度も蕁麻疹として現れます。
この場合の治療方法としては、心療内科による受診となり精神療法や薬物療法(抗うつ剤や抗不安剤)が一般的とされています。
蕁麻疹が出た時の応急処置
突然、子どもに蕁麻疹の症状が出来た時に、「どう対処すれば良いのか」と悩むママもいると思います。
一般的な蕁麻疹の場合、かゆみや赤みのある腫れを伴いますので、それを抑えるための応急処置があります。
蕁麻疹があらわれると多くの場合、強いかゆみを伴います。そういうときは入浴を避け、患部を冷やすと良いでしょう
(ただし、寒冷刺激による蕁麻疹の場合は避けて下さい)
そして衣類などによる摩擦や圧迫の刺激を与えないよう注意し、ゆったりと安静に過ごして下さい。
蕁麻疹の予防法
子どもが蕁麻疹でひどい肌になり、痒がっている姿を見るのは可哀想ですよね。その蕁麻疹にならない為に予防することが大切です。
すでに1度蕁麻疹を発症しており、原因がわかっているのであれば予防が出来ます。
つまり、子どもがどんな理由で何が原因で発症するのかを知ることが1番の予防対策なのです。
その原因を知るためにも、蕁麻疹を発症したときは病院で検査を受けましょう。
そして免疫力が低下しない為に、規則正しい生活を送りバランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。
病院は小児科と皮膚科どっちを選べばいい?
子どもに蕁麻疹が出てしまった時は何科の病院に行けば良いのでしょう?
「子どもだから小児科?」
「皮膚のことだから皮膚科?」
どっちを選べばいいのか悩んでしまいますよね。
子どもの蕁麻疹の場合、まずは小児科で受診しましょう。なぜなら小児科では子どもの肌トラブルに関してはほとんどが対処可能だからです。
ですが小児科に行っても原因がわからない場合に、皮膚科へ移動させられる場合もあります。
皮膚科だと、皮膚の知識に詳しい専門のお医者さんに診てもらうことが出来ます。
皮膚科では、顕微鏡も用意されているところがほとんどなので、その場で皮膚細胞を取り調べてもらうことも出来、小児科よりは詳しい検査が可能です。
ちなみに病院で処方される薬は、体内からケアする飲み薬と、外からケアする薬があります。
飲み薬の場合は、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬などが処方されます。
塗り薬の場合は、抗ヒスタミン軟膏が処方されかゆみを抑えることが多いです。
はじめに受診した小児科で治療を受けても、蕁麻疹の症状が改善しない場合は皮膚科で受診しましょう。
まとめ
子どもは皮膚が弱く、ちょっとしたことで蕁麻疹がでやすいものです。
蕁麻疹はたくさんの種類があり、さまざまな要因が発症の原因となります。
ですので子どもの皮膚に蕁麻疹が出た時は、一体何が原因で蕁麻疹になったのかを考える必要があります。
子どもに蕁麻疹がでてしまった時の応急処置は、患部を冷やし(寒冷蕁麻疹の場合は温める)、ゆっくり休ませることが重要です。
そして子どもの免疫が落ちている時や、体調が悪い時にも蕁麻疹がでやすくなることがあります。
ですので、子どもの体調を崩さないためにも、日頃から規則正しい生活を送るようにしましょう。
頻繁に蕁麻疹を繰り返す場合は、小児科または皮膚科で受診しましょう。
病院に行けば、アレルゲンが何なのか検査してもらえるので原因の特定に繋がります。
蕁麻疹になる原因さえ特定できれば、今後予防することが可能となるので安心ですね。
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息子が運動誘発アナフィラキシーなんですけど、蕁麻疹って年齢とともに起こりにくくはならないのですか?ずっとこのままなのでしょうか?
ドラちゃん様
コメントありがとうございます。
大人になるにつれ、免疫がつき、蕁麻疹が出にくい体質になることはあります。
しかし個人差があり、体質によって、違いますので蕁麻疹が必ず改善されるとは限りません。