子供の虫歯予防はどんな方法がある?さらに子供の年齢別予防法もご紹介!
子供の歯の治療で歯医者に通ったことがある方ならわかると思いますが、子供を歯医者さんに連れて行くのは大変ですよね。
痛い治療じゃないと子供に言ったとしても、子供は嫌がります。歯医者という言葉を聞くだけで拒否反応が出る子供が多いのです。
歯医者さんに行くのに手こずるのであれば、歯医者さんに行かなくて済むように虫歯予防を行えば良いのです。
虫歯になってしまうと治療費もかかりますし、1回の治療時間が短いので何度も歯医者さんに通わなければなりません。家計的にも、歯医者さんに行かないほうが助かるのです!
ということで今回は、歯医者に行かずに済むように自宅でできる虫歯予防についての情報を書きます。
虫歯になる原因
虫歯を予防する方法を知る前に、なぜ虫歯になるのかを知っていきましょう。
虫歯菌は、誰の口の中にも存在します。この虫歯菌は、歯垢の中に住んでいて、甘いものが大好物です。
虫歯菌は「糖」を取り組み、繁殖して活発に動き出します。
人間が食べた物の食べカスには「ショ糖」という糖分が含まれていますので、それを虫歯菌は取り込んで歯に悪さを働きます。
糖を取り込んだ虫歯菌は、酸を生成します。酸は口の中を酸性にし、歯の表面を覆っているエナメル質からカルシウムやリンを溶かし始めます(これを脱灰といいます)。
ですが人間には優れた機能があって、溶けた歯の表面を再生させることができるのです。(再石灰化)
その機能というのが唾液の「緩衝能」という機能です。緩衝能は一度失われたリンやカルシウムをが再生し元の歯に戻してくれるのです。
それではこの緩衝能があるなら、虫歯になることはないのでは?と思いますよね。しかしそうではありません。
脱灰されている時間が再石灰化された時間より長いと、歯は完全には元に戻りませんので虫歯になるのです。
虫歯の予防方法
それでは本題の虫歯予防について話していきたいと思います。
子供の虫歯をしっかり予防する為に有効なのは、下記の方法です。
歯磨きをしっかりする
虫歯予防に1番効果的なのは、やはり歯磨きです。
歯磨きがしっかりできていないと、口の中に歯垢はたまりますし、虫歯菌にとって居心地が良く活動的になってしまいます。
歯磨きを手抜きした時に虫歯菌はスキをついて攻撃してきますので、歯磨きを生活習慣としてしっかり身につけるようにしてください。
過去に虫歯の治療で歯に詰め物がある子供の場合、詰め物と歯の間に虫歯菌や細菌が入りやすくなりますので、虫歯に再度なってしまう可能性が高くなります。
ですのでご飯や甘いものを食べた後は、歯垢が残らないようにしっかりと歯磨きをしましょう。
ダラダラ食いをしない
ダラダラ食いをすると虫歯になりやすくなります。ダラダラ食いとは時間を決めずに好きなときにご飯やお菓子を食べることを言います。
ダラダラ食いをすることで口の中は常に酸性化され、虫歯菌が活動できる時間を長くしているのです。
ですのでおやつの時間や回数をきちんと決めることで、口の中が酸性の状態になる時間が短くなります。
食べ終わった後はしっかり歯磨きをするようにしましょう。
飲み物にも注意する
飲み物も食べ物と同じく、ダラダラ飲みをしていると口の中が酸化状態になります。
ジュースには糖分がたっぷり入っています。いくつかジュース別に糖分量を紹介します。
【コカコーラ】
500mlペットボトルで56.5g
スティックシュガー約19本分です。
【ポカリスエット】
350ml缶で22g
スティックシュガー約7本分です。
【ファンタグレープ】
500mlペットボトル60g
スティックシュガー約20本分です。
このようにジュースにはとても多い量の糖分が、含まれていることがわかります。
飲み物の糖分も口の中を酸化させます。ジュースを合間合間に飲むのは控えて、喉が乾いている時はお茶やお水を飲むようにしましょう。
甘いものを食べすぎない
甘いものといえばお菓子です。そしてお菓子には糖分がたくさん含まれていて、虫歯菌の大好物です。
お菓子はダラダラ食いになりがちなので、さらに虫歯菌にとっては活動しやすくなります。
子供はお菓子が大好きなので、禁止することは難しいでしょう。
ですのでおやつの時間を決めて、その時間以外はお菓子を食べないようにしましょう。
時間を決めて食べるだけで、虫歯対策だけでなく小児肥満の対策にもなるので一石二鳥と言えますね。
フッ素を塗って歯の強化をする
フッ素を歯に塗ることで、歯を強化することが出来ます。
フッ素を塗ると、歯の表面を覆っているエナメル質の結晶性が高められて、歯を強くする効果があり、さらには歯を再石灰化する助けもしてくれます。
特に永久歯に生え変わったばかりの歯は弱いので、この時にフッ素を歯に塗ることをおすすめします。
虫歯の治療をした時にフッ素を塗ってもらうと、それも治療に含まれますので保険が適用されます。
ですが歯の治療をせずフッ素だけ塗ってもらう場合は、自由診療になり保険は適用されませんので注意しましょう。
よく噛む習慣をつける
食べ物を食べる時は、よく噛んで食べると唾液が多く出やすくなります。
唾液には緩衝能がありますので、唾液が多く出ることで酸性になった口が中性になり、再石灰化しやすくなります。
ちなみによく噛んで出た唾液は自然に出る唾液よりも、口内の酸性を中性にする力が約30倍~60倍も強いそうですよ!
年齢別の虫歯予防方法
次は年齢別に適した虫歯予防方法をお話します。
0歳
生後半年を過ぎると、赤ちゃんの前歯が生えてきます。
この時期は大人と同じように歯磨きをするのではなく、ガーゼを使って歯を磨いてあげるようにしましょう。
虫歯を心配する方もいるかもしれませんが、赤ちゃんはよだれがたくさん分泌され、このよだれが歯を守ってくれますので、すぐに虫歯になることはありません。
ですので、しっかりごしごしと歯を磨く必要はありません。
この時期から甘い物を与えると、味覚が慣れて甘いもの好きになる可能性があり、大きくなった時に虫歯になりやすくなるので、甘い物は控えるようにしましょう。
1歳~
1歳過ぎの乳幼児は、上の歯と下の歯が4本づつ生えてきます。この時期には歯ブラシを使った歯磨きをします。
1歳を過ぎれば固形物もだいぶ食べられるようになっていますし、ジュースやお菓子も少しずつ食べることが多くなっていきます。
このとき大人が食べるようなお菓子は糖分がたくさん含まれていますので、大人用のお菓子を1歳過ぎの子供に与えることは、虫歯予防の為に控えるようにした方がいいでしょう。
乳幼児用のジュースやお菓子にも、糖分は控えめながら入っていますので、やはり口の中に糖分が残ると虫歯の原因になります。
ですので食べた後の歯磨きは忘れず行いましょう。
1歳半~3歳頃
1歳半からは生えてくる歯の数が、増えていきます。
3歳前後には乳歯が20本生え揃う時期です。生えたばかりの乳歯は特に弱く、虫歯になりやすいです。
1歳半頃からぶくぶくうがいの練習をして、自分でも口の中をゆすぐことが出来るようにしましょう。
子供が自分で歯を磨いている場合、磨き残しがありますので、ママが仕上げ磨きをしてあげてください。
ここで注意してほしいのが、生えたばかりの奥歯は歯肉が少しかぶっていることもあるので、ゴシゴシ磨くと歯茎を傷つけてしまいます。ですので優しく磨くようにしてくださいね。
3歳~5歳頃
3歳~5歳になると、保育園や幼稚園に通う子供がいますので友達と遊ぶ機会が増えていきます。そんな時に気をつけないといけないことは「ダラダラ食い」です。
子供同士で遊ぶ時は、おやつを出す家がほとんどです。この時にダラダラ食いをしていると、虫歯の原因になります。
3歳を過ぎると自分の意志もはっきりしてくるので、おやつの時間以外におやつを食べたいと子供が言っても、ママが制限をかけてくださいね。
いつでもお菓子が食べれるということが習慣になっているとダラダラ食いになりやすく、虫歯の原因になりますので注意しましょう。
6歳前後
6歳前後になると永久歯が生えはじめます。
先程もお話したように、生えたばかりの永久歯は弱いので、フッ素を塗って歯を強くすることをおすすめします。
それに永久歯は、今後子供が付き合い続ける歯になるので、大切にしなければなりません。
ですので虫歯にならないように永久歯の仕上げみがきは丁寧にするよう意識しておきましょう。
6歳以降
6歳以降は、ママが仕上げ磨きをしなくても大丈夫になってきます。
しかし時々は、子供が自分で磨いた後に磨き残しがないか、ママが口の中をチェックするようにしましょう。
小学校中学年にもなると、自分でお菓子を買うようになりますので、見えないところでダラダラ食いをしている可能性があります。
この年齡にになるとお菓子制限するというよりも、食べた後は必ず口をゆすぐように言い聞かせておきましょう。
口をゆすぐことに歯磨きほどの効果はありませんが、少しでも口の中の食べかすを洗い流すことで虫歯予防に有効です。
虫歯の出来やすい場所
当たり前ですが、磨き残しがあると、歯が出来やすくなります。
どのような箇所に虫歯が出来やすいのかを把握しておくと、磨き残すことが無くなるので、要注意の箇所を知っておきましょう。
歯と歯の間
歯と歯の間は歯ブラシが届かないことが多いので、虫歯になりやすい場所といわれています。
特に奥歯と奥歯の間は、目ではほとんど見えませんので、最も虫歯になりやすい場所と言えるでしょう。
糸ようじ(デンタルフロス)を使った時に、引っかかるようでしたら虫歯になっている可能性があります。
上の前歯の間
上の前歯の間は、甘い飲み物が原因で虫歯になりやすい場所です。と言うのも飲み物を飲むとき、飲み物が上の前歯にかかるからです。
特にスポーツをしている子供は、アクエリアスやポカリスエットなどのスポーツドリンクをよく飲むので、前歯の根本に虫歯ができやすくなるようです。
他にもなかなかミルクを卒業できない乳幼児が、長い間哺乳瓶を使ってミルクを飲む事で、前歯の虫歯ができやすくなることがあります。(哺乳瓶虫歯)
奥歯のみぞ
奥歯のみぞは、とても磨き残しが多い箇所です。
なぜなら歯の側面と裏面を綺麗に磨こうと意識するあまり、みぞの部分をしっかり洗うことを忘れてしまう人が多いのです。
特に乳歯の奥歯はみぞが深いので、虫歯菌がたくさんたまりやすくなっています。
歯と歯ぐきの間
子供の歯茎は大人の歯茎と比べて柔らかいので、歯磨きの時に歯茎付近を避けてブラッシングしてしまい。虫歯菌が残りやすくなります。
子供は歯茎付近を磨くと痛がることが多いので、歯と歯茎の間の歯磨きが疎かになってしまうのも原因の1つです。
ただし磨きすぎると歯茎から血が出るので、注意が必要です。
虫歯の豆知識
意外と虫歯のことで知らないことや、そんなことが虫歯に関係してたの?というような虫歯の豆知識をまとめてみました。
卒乳は早い方が良い
卒乳が早い子ほど虫歯になりません。
どうして卒乳は早い方が良いのかと言うと、母乳や哺乳瓶でミルクを飲む子供は夜中も欲しがることが多く、口の中が酸化しやすいからです。
口の中が酸化していると虫歯になりやすくなります。夜寝ている時は、唾液の分泌が少なくなっています。
夜中にミルクを飲むと子供の口の中は酸化しますが、中性に戻してくれる唾液の量が少いので虫歯菌にとって「最高の場所」となり、虫歯に繋がるのです。
ですので卒乳は、1歳半頃から2歳までに行うのが理想的と言われています。
虫歯は黒色ではなく白色
虫歯の色は「黒」をイメージしていませんか?実は虫歯の初期段階は白いことが多いのです。
初期段階の虫歯は、エナメル質が少しだけ溶けていることを言いますが、エナメル質が少し溶けただけでは歯の色は黒くなりません。
初期段階で虫歯に気がつくと早期治療ができるのですが、色が黒くならないためなかなか気が付くことができません。
そのため虫歯の進行が進み、虫歯が黒くなってから気がつくことが多いのです。
初期の虫歯は削らず治療ができる
虫歯は削って治療するものと思っていませんか?実は全ての虫歯が、削って治療するわけではないのです。
白くなっている初期段階の虫歯は、削らずともフッ素を塗るだけで固い層ができるので、削らずに治療することが出来るのです。
この治療法でしたら歯を削る必要がありませんので、虫歯は早期発見が大切ということがよくわかりますね。
ちなみに虫歯を放っておくと削るだけでは足りず、神経を抜く必要も出てきますので、虫歯は放置しないようにしましょう。
乳歯は虫歯の進行が早い
乳歯は大人の歯と比べて歯の質が弱く、厚みも半分程しかありません。ですので乳歯の虫歯は、進行が早く広範囲に広がりやすいのです。
乳歯はどうせ生え変わるからといって、放置するママがいますがこれはとても危険な行為です。
なぜなら虫歯を放置するとどんどん虫歯が広がり、歯の神経をむしばむことになってしまいます。
そうなると歯の神経を抜く必要があり、歯の色が変色したり差し歯にする必要が出てくるのです。
キシリトール入りのガムは歯に良い
キシリトールといえば、ガムのCMでよく聞く単語ですよね。
このことからキシリトールは、歯に良いということがなんとなくわかっている方は多いと思います。
キシリトールは口の中で酸を作り出しません。キシリトール入りのガムを噛むことで唾液が出ますので、元々酸性だった口を唾液による緩衝能で中和してくれます。
さらにキシリトールには、虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を弱める効果があるのです。
定期検診はとても大事
歯医者さんは虫歯になったら行く人が多いと思います。虫歯の治療が終わった後に、定期検診の予約を促されることはありませんか?
定期検診を一応は予約してはおくものの、虫歯でもないのに行く必要はないかなぁと思って、定期検診を行かない人がほとんどです。
ですがこの定期検診は、歯の状態や虫歯を初期段階で見つけてもらえる良い機会です。初期段階で虫歯が見つかれば、簡単な治療ですみますからね。
ですので歯医者さんに行くことを面倒と思わず、子供の歯を健康に保つ為にも定期検診は通うようにしましょう。
まとめ
虫歯は、口の中で虫歯菌が繁殖することでおこります。そうならない為にも、お菓子をご飯の後は歯磨きをしっかりして予防をしましょう。
虫歯の予防対策は年齢ごとに違った対策が必要です。ですのでご自身のお子さんには年齡に合った予防対策をして下さい。
歯磨きする際は、歯の全体を磨くと同時に虫歯が出来やすい箇所は特に念入りに磨いて下さい。幼い子供がする歯磨きは磨き残しがあるので、ママが仕上げに磨いて下さい。
なにより虫歯は、早期治療が大切です。定期検診に通い、子供の歯を健康に保つようにしましょう。
子供の歯が黄ばんでいると気になったことはありませんか?黄ばみの原因と予防について書きました。