妊婦がアイコスを吸っても良い?妊娠中の喫煙が赤ちゃんに及ぼす影響
妊娠をキッカケに煙草をやめる女性は多いですよね。
しかし中には、禁煙できない妊婦もいます。
イライラが溜まってストレスが爆発しそうになる人も…。
最近は「アイコス(ICOS)」と言う健康におよぼす悪影響が少ない電子タバコが登場しました。
煙草より害が少ないということで、人気を集めています。
「アイコスなら妊婦は吸っても良いの?」と疑問を持つ人もいるはず。
そこで妊婦がアイコスを吸うことで、どのような影響があるのかを説明します。
このページの目次
妊婦がアイコスを吸っても大丈夫?
煙草より害が少ないアイコスですが、害が全くないわけではありません。
アイコスを吸うと体への「害」はあります。
単に煙草より害が少ないだけで、煙草を吸う「ママ」やお腹にいる「赤ちゃん」に影響は少なくともあります。
ですので煙草と同様に、アイコスも吸わない方が良いのです。
アイコスは煙草より害が少ないものの、ニコチンや微量のタールが含まれています。
ちなみにアイコスに含まれるニコチンの量は、煙草と変わらない量です。
ニコチンには煙草依存にさせる効果があり、血管を収縮させる悪影響もあります。
血管が収縮するとママの血圧が上がり、「妊娠高血圧症候群」になる可能性があります。
また煙草には発がん性のリスクがあります。
そしてアイコスも同様、発がん性のリスクがあるのです。
他にも妊婦が喫煙することで、様々な悪影響が「胎児にも」起こります。
つまりアイコスは「煙草よりマシ」なだけで、体には悪いのです。
ですので妊娠中は、赤ちゃんのためにアイコスも吸わないようにしましょう。
喫煙が胎児に与える影響
「妊娠をしたら煙草を吸ってはいけない」と言うのは常識となっています。
少しでも害の少ない、アイコスに切り替えようという気持ちはわかります。
しかしアイコスの喫煙であっても、お腹の中にいる赤ちゃんには、悪影響があります。
ママが喫煙することで、どのような悪影響が赤ちゃんにあるのかを、説明します。
突然死症候群(SIDS)のリスクが上がる
妊娠中に煙草を吸うと、赤ちゃんの「突然死症候群(SIDS)」の発症率が高くなります。
ママがタバコやアイコスを吸うことでニコチンが臍の緒を通じて、胎児に運ばれます。
ニコチンは「胎児が呼吸を調整する脳中枢の発育」に、悪影響を及ぼします。
つまり産まれてきた赤ちゃんは、呼吸を調整する神経系統に、何らかの障害を持って産まれてくる可能性があるのです。
産まれてきた赤ちゃんは無呼吸になることがあり、突然死症候群に繋がるのです。
タバコとアイコスのニコチン量は同じなため、突然死症候群の発祥リスクは変わりません。
胎児の病気のリスクが上がる
突然死症候群の他にも、喫煙により「胎児が病気になるリスク」の割合が上昇します。
例えば下記のような病気が、「妊娠中の喫煙による影響の可能性がある」と言われています。
- 子宮外妊娠
- 流産
- 常位胎盤早期剥離
- 前置胎盤
- 前期破水
- 口唇口蓋裂
- 泌尿生殖器系の異常
- 胎児の奇形
このように赤ちゃんにとって喫煙は、様々リスクがあるのです。
多少リスクが軽減される病気もありますが、アイコスであってもリスクはあります。
血管が細くなり、胎児に栄養が行き渡りづらくなる
煙草を吸うとニコチンにより、血管の収縮作用が働きます。
妊婦が煙草やアイコスを吸うと、体内の血流が悪くなります。
血流が悪くなると子宮への血流も少なくなり、胎児に十分な栄養が行き渡らなくなります。
ちなみに胎盤には「ろ過」する機能があります。
ママの体から赤ちゃんに届けられる不要なものは、胎盤でろ過されます。
しかしニコチンはろ過されず胎盤を通過し、赤ちゃんがニコチンを吸収するのです。
低体重の子どもや未熟児が生まれる可能性が高くなる
妊婦が喫煙することで、低体重の赤ちゃんや未熟児の生まれる可能性が高くなります。
喫煙者から低体重の赤ちゃんや未熟児が生まれる可能性は、「非喫煙者と比べて約2倍」にもなります。
また煙草の本数が多いほど、赤ちゃんの体重が少なくなる傾向があります。
一般的な煙草の量の喫煙者からは、赤ちゃんの体重が平均より200g前後軽く生まれ、
ヘビースモーカーの喫煙者からは、赤ちゃんの体重が400g前後軽く生まれる可能性があります。
さらに知能発達の遅れや発育の遅れなどが現れることがあります。
低体重の赤ちゃんが生まれる統計は、煙草によってのものです。
アイコスによる統計発表はありませんが、煙草と同じようにニコチンやタールが含まれています。
ですので関連性がないとは、言い切れないでしょう。
流産・早産のリスクが上がる
喫煙により流産・早産の可能性が上がります。
煙草の本数が1日20本(煙草1箱)で、流産する確率が2倍以上に上がると言われています。
また早産については「妊婦の喫煙者20人に1人」が、早産するといわれています。
煙草には「200種類以上」の有害物質が含まれています。
妊婦が煙草を吸うことで、赤ちゃんには「40種類以上の有害物質」が行き渡るのです。
アイコスは煙草の害が約9割カットされているものの、有害物質は含まれています。
ですので煙草やアイコスを吸わない妊婦と比べると、喫煙する妊婦には流産・早産のリスクがあるのです。
アイコスは煙草より害が少ないのは確か
アイコスは煙草よりどれくらい害が少ないのか、説明します。
まず煙草の煙には、「4,000種類以上」の化学物質が含まれています。
そして「200種類以上」の有害物質が含まれています。
さらに発がん性物質は「50種類以上」含まれており、煙草は本当に害しかないのです。
煙草の有害物質のなかでも、ニコチン・タールが有名ですね。
アイコスにはニコチンや微量のタールが含まれているものの、その他の有害物質を約9割カットしています。
そもそもアイコスは、火を使いません。
ですのでタールがほとんど発生しないのです。
アイコス専用の煙草をアイコス本体に差し込み、熱することで水蒸気が発生します。
ですので口から出るのは煙ではなく、水蒸気です。
ですので副流煙もほとんど発生せず、ニオイも気にならないのです。
かといってアイコスは無害ではありません。
ただ単に煙草より害が少ないだけですので、勘違いをしないよう注意しましょう。
出来るなら禁煙を!
これまでお話した内容で煙草やアイコスは「妊婦が吸うと胎児に悪影響がある」と分かったと思います。
煙草やアイコスに含まれるニコチンは、母体や胎児に悪影響があります。
しかしアイコスは煙草の有害物質が9割カットされているので、煙草よりは「マシ」と言うのも事実です。
ですので煙草を止められない妊婦の場合、煙草を吸うよりはアイコスを吸う方が「マシ」と言えるでしょう。
たばこは昔から「百害あって一利なし」と言われています。
その通りで煙草は害だけがあるのです。
「百害あって一利なし」はアイコスも同様のことが言えます。
「アイコスは良い」と思っている人がいますが、煙草より害が少ないだけであって、アイコスもたばこと同様に体に害しかないのです。
できることなら、妊娠中は禁煙しましょう。
ちなみに以前まで、妊婦でも我慢が出来ないなら、タバコを少しだけ吸っても言いと言う風潮でした。
しかし最近は、何が何でも妊婦はタバコを吸ってはいけないという風潮になっています。
これはタバコの有害性がどんどんと判明してきたからにほかありません。
まとめ
妊婦が煙草を吸ってはいけないと言うのはもはや常識です。
煙草をやめられないから、「アイコスなら良いの?」と思う妊婦もいるかと思います。
しかしアイコスも有害です。
煙草よりは害が少ないだけで、ニコチンや微量のタールが含まれています。
ですので妊娠したらできるだけ禁煙する努力をしましょう。
どうしてもたばこが辞められないのであれば、アイコスに変えて体への害を軽減させるのも1つの方法です。
しかしアイコスに変えても、多かれ少なかれ胎児に悪影響があることに代わりはありません。
赤ちゃんや子供の前でアイコスを吸っても大丈夫なの?