兄弟で平等に接していますか?兄弟姉妹を平等に扱うコツなど
子供が2人以上いる家庭では、上の子と下の子への対応に悩むことがあるかと思います。
兄弟で平等に接することができず、ついつい片一方だけをかわいがってしまうことも。
我慢ができる子であれば良いのですが、大抵の子供は我慢できず悪影響が出てきます。
どのようにすれば兄弟姉妹、平等に接することができるのでしょうか。
今回は兄弟を平等に接するコツや、兄弟を平等に愛せないことで起きる悪影響につてまとめました。
このページの目次
平等のつもりでも平等に出来ていない事が
2人以上子供がいる場合、子どもたちそれぞれ平等に「愛情」注ぐのは当たり前のことですが、なかなかそれがうまくいきません。
ついつい下の子には甘く、上の子には厳しくなってしまう家庭が多いものです。
それに親自身が気付いていても「下の子は幼いのだから仕方がない」と、おざなりにしている人がいます。
弟や妹はどうしても手がかかるので、兄や姉に我慢させてしまうことが多々あるはずです。
「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」
「お姉ちゃんなんだからおもちゃを貸してあげなさい」
などという言葉を言ったことがある親がほとんどだと思います。
そのことを子供はどのように感じているのでしょうか。
「ママは弟(妹)にばかり優しくて、自分には厳しい」
「弟(妹)はよくてなんで自分は駄目なの?」
そう感じていることでしょう。
大人は、下の子は幼いから仕方ないという考えをします。
しかし幼い子供は、そのことを言われたとしても理解ができません。
ですので下の子ばかり特別扱いをしているという意識が、上の子に生まれるのです。
兄弟平等に扱うコツ
兄弟はどうしても比べてしまいます。
子供は「兄(弟)はいいのにどうして自分はだめなのか」という気持ちが、必ず芽生えます。
生まれた年代が違えば、携帯やゲームを持たせる時期が、兄弟で違うのは仕方がないいことです。
子供の体の大きさが違えば、ごはんやおやつを食べられる量が違うのも仕方がないことです。
完全に平等にすることなんて不可能です。
様々な「仕方がないこと」がある中で、子供達それぞれどのように愛情を注げば、平等になるのか考えてみましょう。
兄姉に我慢ばかりさせてはいけない
兄・姉は年上だからという理由で、我慢させたり厳しくしていませんか?
下の子が産まれると、いままで独り占めできた親の愛情が、独り占めできなくなります。
そして、下の子に向けられる愛情を目の当たりにします。
親は必然的に下の子に構う時間が増えますので、上の子は自分が構ってもらえる時間が減り、日頃から我慢することが増えてしまいます。
その結果上の子は愛情不足や、嫉妬を感じるようになります。
ですので親は下の子ばかりに意識を向けず、「上の子を優先させる」という思考にしましょう。
上の子より幼い下の子はどうしても世話に時間がかかり、上の子より接する時間が多くなります。
ですので意識的に、上の子の言い分を聞いたり、したいことを優先させましょう。
どこかの場面で、上の子に「自分だけ特別にしてもらえた」と思わせる場面を作ることが大事です。
上の子は、自分への愛情も注がれていると自然に感じ取ることができるでしょう。
弟妹も我慢していることを忘れずに
上の子ばかりに意識が向いていてはいけません。
下の子だって我慢していることは多くあります。
例えば同性の兄弟だと服や靴がお下がりになる家庭が多くあります。
子供が幼いうちは、服装を気にすることはありませんが、しかし小学校に上がると、多少服装を意識する子供が増えます。
他にもおやつやごはんの量には、下の子より体が大きな上の子の方が多くなります。
それが下の子の好物だった場合、下の子は「なんで自分だけ少なくて兄(姉)は多いの?」という気持ちになります。
我慢は上の子だけしているのではなく、下の子もしています。
下の子にも気配りを忘れないでください。
平等にしなかったことで起きる子供への悪影響
兄弟それぞれ平等に接しなかったことで、子供にはどのような心境の変化が起きるのでしょうか?
また大人になった時の悪影響には、どのようなことがあるでしょうか?
愛情遮断症候群
片方の子供に愛情を向けられている場合や、愛情を向けているつもりでも本人が感じ取れない場合、
「愛情遮断症候群」になる可能性があります。
愛情遮断症候群とは、ストレスや不安を感じて起こる心の病です。
親からの愛情を感じないことで、「自分は愛されていないのではないか」「必要のない人間なのではないか」と思うようになります。
愛情遮断症候群の症状は、下記のものが挙げられます。
- 表情が乏しくなる
- 動作がにぶくなる
- 知的発達・言語能力の障害があらわれる
- 睡眠障害がでる
親が愛情を注いでいるつもりでも、子供は感じ取れていない場合があるので注意が必要です。
兄弟不仲
「カインコンプレックス」という言葉をご存知でしょうか。
カインコンプレックスとは、兄弟平等に育てられなかったことで、兄弟間で起きる憎悪・嫉妬心・独占欲のことです。
子供のうちからこの思いを抱くことで、兄弟を嫌いになってしまう可能性があります。
これにより子供達が大人になった時でも、兄弟の不仲に繋がるのです。
子供が幼ければ幼いほど、子供は平等にして欲しいという思いより、自分だけを愛してほしいという思いが強いです。
思いが強いことから、兄弟に対しての敵対心やライバル心が生まれてしまうのです。
ライバル心が強くなる
兄弟がいる子供は、ライバル心が高くなりやすい傾向にあります。
子供の頃、兄弟に対して持っていたライバル心は、大人になっても引き継がれることがあります。
子供が持つライバル心は、友人関係をうまく築けない原因になることがあります。
友達のことを敵視し仲良くなれなかったり、
社会人になったとき同僚を敵視し、同僚と良い友人関係を築けないことがあります。
友人や同僚に対してのほどよいライバル心は、自分の力を上げるために役立ちますが、
ライバル心が強すぎると、敵対視してしまう恐れがあります。
独占欲が強くなる
親の愛情を自分以外の兄弟に向けられることを目の当たりにすると、独占欲の強い子供になる可能性があります。
独占欲が強いと、異性だけでなく同性間でも問題が出ます。
仲の良い友達ができると、友達を独占したくなります。
仲の良い友達が、自分とは違う友達と仲良くしていると、ヤキモチを焼いてしまいます。
そこから友人関係が悪化する可能性があります。
まとめ
親は、兄弟で差別なく同じように愛情を注いでいるつもりでも、実際子供はそう感じていない場合があります。
下の子は手がかかるので、結果下の子にばかり構ってしまい、上の子が寂しい思いをしていることに気づかないことも。
兄弟の心境に悪影響を与えないために、親は意識して子供達に接する必要があります。
下の子は手がかかるので、接する機会が多いものです。
ですので下の子を優先するのではなく、意識的に「上の子」を優先してください。
そうすることで上の子も下の子も、親からの愛情を感じ取ることができるでしょう。
愛情遮断症候群やカインコンプレックスらしき状態が見られた場合は、兄弟への接し方を考え直しましょう。
解決への糸口が見えない場合は、自治体が運営する子育て相談などで相談してみましょう。