インフルエンザの予防摂取は本当に効果ある?
毎年流行するインフルエンザの対策として、インフルエンザワクチンを接種する方は多いかと思います。
しかし「予防接種を受けたのにインフルエンザに感染した!」という話をよく耳にしませんか?
そこで疑問に思うのが「インフルエンザの予防接種って本当に効果があるの?」ですよね。
と言うことで今回は、インフルエンザ予防接種についてまとめてみました。
このページの目次
インフルエンザの予防接種って本当に効果あるの?
インフルエンザの予防接種の効果に、疑問を持っている人は多いようです。
しかしそもそも「インフルエンザの予防接種」について、詳しく知らないママが多いのも事実です。
ですのでまずは、インフルエンザの予防接種をする意味について記載します。
予防接種をしてもインフルエンザになる
そもそも予防接種とは、特定の病気の抗原物質(ワクチン)を体に投与して免疫をつけます。
免疫をつけることで、特定の菌が体の中に侵入し感染したとしても、排除することができるので病気を発症しません。
ですがインフルエンザの予防接種は、少し違います。
インフルエンザの予防接種は、たとえ予防接種を受けていたとしても、インフルエンザを発症する可能性があるのです
インフルエンザの予防接種は、流行する前に受けます。
つまりその年に「流行るであろう」と予想されている型の、予防接種を受けることになるのです。
ですのでその予想が的中すれば予防は期待できますが、ハズレてしまうと感染してしまう可能性があります。
予防接種の最大の効果は症状を抑えること
予防接種してもインフルエンザになるのなら、予防接種の意味がないのでは?と思いますが、そういうことではありません。
インフルエンザの予防接種は、インフルエンザにならないようにするのはもちろんのことですが、
最大の目的は「インフルエンザにかかった時、症状を重症化させず軽くすませること」なのです。
予防接種の効果はいつから?効果が続く期間は?
インフルエンザの予防接種は、受けてからすぐに予防の効果を発揮するわけではありません。
なぜならインフルエンザ予防接種は、接種をしてからだいたい1~2週間かけて抗体が作られていくからです。
ですので予防接種の効果が出るのは、約2週間後ということになります。
またインフルエンザ予防接種の効果が続く期間は、約4~6ヶ月といわれています。
つまりインフルエンザの予防接種は、「ワンシーズンの間だけ」効果があると考えると良いでしょう。
インフルエンザ予防接種は効果がある!
インフルエンザの予防接種は、インフルエンザに感染発症した時の「症状重症化の予防効果」があります。
確かにインフルエンザに感染することを100%予防できるという予防接種ではありませんので、効果がない!と思うママがいるかもしれません。
ですがインフルエンザの感染後に、発症・重症化を防ぐ面で考えると、全く無意味ということはないことがわかりますね。
インフルエンザの予防接種をした場合と、予防接種をしなかった場合を比較したデータがあります。
ワクチン接種をした場合、接種しなかった場合に比べて、
- 65歳未満の健常者については、インフルエンザの発症を70~90%減らす
- 65歳以上の一般高齢者では肺炎やインフルエンザによる入院を30~70%減らす
- 老人施設の入居者は、インフルエンザの発症を30~40%、肺炎やインフルエンザによる入院を50~60%、死亡する危険を80%、それぞれ減少させる
インフルエンザワクチンの効果は100%ではありません。しかし明らかに危険を減らします。「100%じゃないから意味がない」と言う人は、「道渡る時に、青信号でも横から車が突っ込んでくる事はあるから、信号なんか守っても意味はない」と言ってるのと同じです。医療法人社団 みやたけクリニック
インフルエンザワクチンの効果については、子供のデータが少ないので、65歳以上を対象としたデータを記載しました。
データにあるように、予防接種をしていない人に比べて予防接種をした人では、明らかに発症率が低く発症した後の症状も軽いのです。
この結果は子供にも同じことが言えるでしょう。
インフルエンザの予防接種とは
インフルエンザの予防接種をしても、「インフルエンザの感染を100%予防できるわけではないこと」がわかっていただけたかと思います。
それでは次に、インフルエンザの予防接種とはどのようなものなのかお話します。
予防接種をする目的
そもそもインフルエンザの予防接種をする人の視点からすれば、1番の目的は、インフルエンザに感染・発症しないことです。
ですが先程もお話したように、100%それを予防することはできません。
ですので子供が受けるインフルエンザの予防接種は、目的を感染・発症の予防だけではなく、下記を追加してください。
- 症状の重症化を防ぐ
- インフルエンザ脳炎・脳症を防ぐ
- インフルエンザ肺炎を防ぐ
インフルエンザになると40度以上の高熱が続きます。
さらにインフルエンザが重症化した時の合併症としましては「インフルエンザ脳炎・脳症」「インフルエンザ肺炎」があげられます。
そして子供に発症が多いといわれているインフルエンザの合併症はインフルエンザ脳炎・脳症です。
この病気は、脳の組織を破壊するので後遺症が残る可能性があります。
このインフルエンザ脳炎・脳症は、ほとんど併発することがないと言われています。
ですが万が一併発した時の事を考えると、取り返しがつかないことになる可能性があるので、予防接種を受けてインフルエンザ予防をすることはとても大切です。
どうして毎年予防接種を受けるの?
先程もお話しましたが、インフルエンザ予防接種の効果が続く期間は、約4~6ヶ月といわれています。
ですのでインフルエンザの予防接種を受けたとしても、翌年にはもう効果がありません。
それとは別にもう1つ、「毎年予防接種を受ける理由」があります。
インフルエンザには大きく分けてA・B・C型の3種類があります。
そしてこれらの型は、少しずつウイルスの性質を変化させています。(抗原変異)
同じ型であったとしても、変化に合わせたワクチンが開発されているので、
去年受けた予防接種とは、成分が少し変わっていることがあるのです。
ですので毎年インフルエンザの予防接種を受けることが、望ましいと言われているのです。
インフルエンザ予防接種の副反応(副作用)
インフルエンザの予防接種の目的は、体内に免疫をつけることです。
ですがその薬によっておきる「副反応」があります。
【注射をした箇所におきる副反応】
インフルエンザの予防接種を受けた人の10~20%は、注射をした部分に副反応があらわれます。
その症状として、注射をした箇所に下記のような症状があらわれます。
- 赤くなる
- 熱をもち腫れる
- 痛くなる
これらの症状は数日でおさまることがほとんどです。
【体におきる副反応】
インフルエンザの予防接種を受けた人の5~10%は、体に下記のような症状があらわれます。
- 発熱
- 嘔吐・下痢
- リンパ節の腫れ
- 蕁麻疹
これらの症状は数日でおさまることが多いのですが、心配な場合は病院で受診するといいでしょう。
【重い副反応】
ごくまれに、インフルエンザの予防接種をしたことで、重い副反応があらわれることがあります。それが下記の症状です。
- アナフィラキシー症状
- 急性散在性脳脊髄炎
- ぜんそく発作
- ギラン・バレー症候群
これらの副反応があることから、予防接種を受けてから30分間は、接種を受けた場所で待機することを指示されます。それは急な様態の変化に対応する為ですね。
インフルエンザの予防接種を受けた日は、自宅に帰ってからも子供に無理はさせず、ゆっくりすごすことが望ましいでしょう。
インフルエンザ予防接種を受ける時期
日本ではインフルエンザの流行し始める時期が12月で、1月~3月にかけて大流行すると言われています。
予防接種の効果が出るのは、予防接種を受けてから約2週間後です。
インフルエンザが大流行してから慌てて予防接種を受けたとしても、免疫がつく前にインフルエンザに感染してしまえば、効果は発揮しません。
ですの予防接種を受ける時期は、インフルエンザが流行し始める前の「11月」に入ってからが良いでしょう。
どうして2回受けるの?
子供のインフルエンザ予防接種は、2回受けたほうが良いということをご存知ですか?
1回目の予防接種を受けた時に、病院から2回目の案内が来ることがあります。
なぜ予防接種を2回受けたほうが良いのかといいますと、子供の場合は大人と比べて免疫がつきにくいからです。
ですので13歳未満の子供に対しては、2回の接種が好ましいとされています。
インフルエンザ予防接種は効果がないという意見
「インフルエンザの予防接種は効果がない」という意見もよく聞きます。
またそのような内容の本も発売されている程です。
実際に予防接種を受けた人が、インフルエンザに感染して発症してしまった場合、効果がない!と思ってしまうかもしれません。
ですがそれは、インフルエンザ予防接種の効果をよく理解していないといえます。
インフルエンザの予防接種は、「インフルエンザに感染しないため」と「重症化を防ぐ」という意味があります。
重症化した場合、インフルエンザ脳炎・脳症を併発する可能性が少なからずあります。ですので重症化を防ぐことも十分大事なのです。
インフルエンザの予防接種の効果に懐疑的な方でも、子供だけは予防接種を受けさせておくことをオススメします。
赤ちゃんはいつ頃からインフルエンザの予防接種を受けられるのでしょうか?