学校選択制ってなに?学校選択制のメリット・デメリット
学校選択制という制度をご存知でしょうか。
簡単に言いますと、「子供が通う学校を選べる」制度です。
文字だけで見ると非常に便利そうな制度ですが、賛否両論があります。
学校選択制を選ぶことでどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
今回はまだ多くの人に知られていない、学校選択制についてお話します。
このページの目次
学校選択制ってなに?
学校選択制とは、校区内に関わらず自分の行きたい公立の小学校・中学校を選べる制度です。
一般的には、住んでいる地区により学校が決められているので、
子供と親は学校を選ぶことなく決められた学校に通う必要があります。
しかしこの学校選択制では通学区域が限定されず、
子供と保護者が行きたい学校を選ぶことができるのです。
現在、自治体によって学校選択制を導入している地域と、導入していない地域があります。
(多くの自治体では、まだ導入していません)
選択形態の種類
学校を選択するにあたって、選び方はいくつかの形態があります。
それぞれ自治体によって、指定されている形態が異なります。
【自由選択制】
市区町村にあるすべての学校のうち、希望する学校に就学できる
【ブロック選択制】
市区町村をブロック分けし、そのブロック内で希望する学校に就学できる
【隣接区域選択制】
従来の通学区域は残したまま、隣接する区域内で希望する学校に就学できる
【特認校制】
従来の通学区域は残したまま、特定の学校で通学区域に関係なく就学できる
【特定地域選択制】
従来の通学区域は残したまま、特定の地域に住む者が、学校選択を認められる
【その他】
上記のどれにもあてはまらない選び方
学校選択制のメリットとデメリット
一見するとメリットしか無さそうな学校選択制ですが、実はメリットばかりではありません。
学校選択制にすることで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
まずは学校選択制のメリットです。
家から近い学校を選べる
子供が通う小学校・中学校は、通学区域が決まっており、住んでいる地域によって通える学校が決まります。
家からかなり近い場所に中学校や小学校があったとしても、校区外であればその小中学校に通えません。
しかし学校選択制だと自分で選べるので、わざわざ遠い学校を選ぶ必要がなく近い学校を選べます。
指定された学校に通わなければいけない場合、すぐ近くに学校があっても、指定された遠い学校に通うのは不便です。
通学途中の安全面を考えても、近い場所にある学校に通う方が安心です。
子供の個性に合った学校が選べる
学校によっては、サッカーに強い学校、バスケに強い学校、吹奏楽で有名な学校などがあります。
また教育に力を入れている学校もあれば、比較的自由な校風の学校もあります。
学校ごとの特色があり、子供の特技に合わせた学校が選べるようになります。
子供の個性に合わせて学校を選べるので、子供の個性や将来の可能性を伸ばすことができます。
親が学校教育に対して関心が高まる
決められている学校に通う場合、その学校の教育方針を調べよう!と思う人は少ないものです。
しかし子供の通う学校を選択するということは、どのような学校か調べるということになりますので、親は学校教育に対しての関心が高まります。
学校選択制は親が学校教育に対して、深く関心を持つ良い機会になるのです。
また学校側からすれば、適当な教育を行っていると生徒が少なくなってしまいます。
ですので教育や設備に力を入れるようになるのです。
デメリット
次に学校選択制のデメリットです。
学校間で格差が生まれる
学校の人気・不人気により、学校間で格差が生まれるデメリットがあります。
人気のある学校に、応募が偏り、生徒の数に偏りがでるのではないかという保護者の心配の声があります。
あまりにも人気が偏ると、抽選や受験が必要になります。
そうなると結局は、希望した学校に通えない人が出てきてしまいます。
学校が遠いと通学が大変になる
通学区域が決まっている場合、子供が通学にかかる時間は数十分程度の距離がほとんどです。
しかし学校を選択できることで、遠い学校になる可能性があります。
希望する学校が家から遠い場合、通学に時間に数時間かかってしまったり、遠い為に安全面に不安が出ます。
「遠い学校を選ばなければ良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし自分の住んでいる場所周辺に、良い学校が必ずあるとは限らないのです。
兄姉と同じ学校に通えるとは限らない
兄弟がいる家庭の場合、小学校中学校は兄弟で同じ所に通わせたいと思うのはごく普通のことです。
しかし学校選択制にした場合、兄弟で学校が違ってしまう可能性があります。
なぜなら学校選択制は、行きたいと希望した学校に必ず行けるとは限らないからです。
学校には募集枠がありますので、入学希望する児童が募集枠を超えた場合は、抽選になってしまいます。
ですので兄姉と同じ学校に就学できるとは限らないのです。
どうやって学校を選べばいい?
現在住んでいる地域が学校選択制を導入している場合、どのように学校を選んだら良いのでしょうか?
子供が何年も通うことになる学校ですので、慎重に決める必要があります。
学校には「見学会」を開催していることが多いので、まずは見学会を利用して、学校に足を運ぶと良いでしょう。
見学会はその学校の特色や、学校の雰囲気・生徒の様子や先生の人柄を感じ取れる良い機会です。
小学校の場合で意外と見落としがちなのが「通学の安全面」です。
学校の教育や設備を意識しすぎて、遠すぎる小学校を選ばないように注意しましょう。
選択できる学校をいくつか見学に行き、通学途中の安全面も考慮して子供に合った学校を選択しましょう。
選択した学校を転校できる
一度就学したものの、子供には合わない学校だった、ということもあります。
学校を転校したい場合、親が申し立てをすれば、理由によっては転校することが可能です。
その理由は下記の理由が挙げられます。
- いじめや仲間はずれなどで教育上の配慮が必要な場合
- 通学距離や通学の安全面が理由の場合
- 部活動や学校独自の活動が理由の場合
- その他
子供に合うだろうと思って一度決めた学校でも、子供に合わないことはあります。
実際子供が学校に通ってみて、見えてくる事はたくさんあります。
特にいじめに関しては、子供が学校に行きたくないという思いを作ってしまう原因です。
学校側の対応でいじめを解決できないのであれば、転校したほうがいい場合もあります。
通学や部活動に関しては、事前の情報収集で避けられるリスクです。
事前の学校情報収集を怠ると、後々面倒なことになってしまうのです。
まとめ
現在多くの地域では、学校を選択することはできません。
住んでいる場所で学校が決まります。
しかし学校選択制をを導入する自治体は増えてくる可能性が高いでしょう。
学校選択制とは言うものの、選択方法にはいくつかの種類があります。
自分の住む自治体が、「どの種類」を取っているかよく確認する必要があります。
また、学校選択制が開始されると、今まで以上に学校のことを知る必要があります。
適当な学校を選んでしまうと、不人気で生徒が少なかったり教育レベルが低い可能性があります。
学校が開催する見学会を利用して、地域の学校情報を入手していきましょう。
子どもに大学または高校を「中退したい」と言われたら、親が考えるべきこと。
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