食物アレルギーになりやすい食品をまとめました。特定原材料7品目とそれ以外も。
アレルギーと言えば、花粉アレルギーやダニアレルギーなど、様々な種類があります。
アレルギーの中でも、子供に特に多いアレルギーが「食物アレルギー」です。
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのですが、
実は「アレルゲンになりやすい食品」と言うものが存在します。
今回は「食物アレルギーを引き起こす原因」
そして「食物アレルギーになりやすい食品」を記載します。
このページの目次
食物アレルギーとは?
まず「そもそも食物アレルギーとは何なのか?」を説明します。
人間の体には、「免疫」という働きがあります。
ウイルスや細菌が体内に侵入した時に免疫機能が働き、ウイルスや細菌を攻撃して体を守ります。
本来は体に無害である食物に対して、免疫機能が過剰反応を示すことがあります。
無害な食物を攻撃してしまうことを「食物アレルギー」と言います。
通常食べ物は異物とみなされず、栄養分として体に吸収されます。
しかし幼い子供は免疫機能が備わっていないため、食べ物に対しても異物と捉えてしまうことがあります。
食べ物を異物と捉えたことで、体はアレルギー反応を引き起こします。
ですのでアレルゲン物質を含む食品は、「幼いうちから大量に食べさせないこと」が望まれます。
また食物アレルギーは「食べた時」「飲んだ時」だけでなく、
「体に触れた時」「吸い込んだ時」にも引き起こされます。
食物アレルギーになりやすいアレルゲン7品目
実は、「食べ物全てにアレルゲン要素」があります。
その中でも「特にアレルギーを引き起こしやすい食品」があります。
国は特定の7品目を「アレルゲン7品目(特定原材料7品目)」として表示する義務を法律で定めています。
「アレルゲン7品目(特定原材料7品目)」はこちらです。
- 卵
- 小麦
- 乳(乳製品)
- そば
- 落花生(ピーナッツ)
- かに
- えび
以前は「5大アレルゲン」と言われていましたが、現在は2品目が増え「7大アレルゲン(7品目)」になりました。
上記の7大アレルゲンは、アレルギー症状が重篤化する可能性があるので、特に注意が必要です。
実は大アレルゲンの他にも、「アレルギーを引き起こしやすい食品」があります。
アレルギーになりやすい食べ物
表示義務のある7大アレルゲンを含め、他にもアレルギーになりやすい食品を使った「食べ物」「お菓子」「飲み物」「調味料」を紹介します。
たまご
たまごは白身と黄身に分かれていますが、特に白身がアレルギーの原因となりやすいでしょう。
「たまごアレルギー」になった人の半数は、アトピー性皮膚炎を合併します。
【たまごが含まれる食べ物】
- カツ
- 天ぷらの衣
- マヨネーズ
- アイスクリーム
- ケーキ
- クッキー
卵を使っている食品は多く、特にお菓子類には卵を使用します。
ですので友達の家に遊びに行く時は、出される「おやつ」に注意が必要です。
牛乳
幼い子供に多いアレルギーの1つが、牛乳アレルギーです。
牛乳アレルギーの場合、「普通牛乳」「低脂肪」「無脂肪」に関わらず、摂取するとアレルギー症状が発症します。
【牛乳が含まれる料理】
- バター
- チーズ
- ヨーグルト
- ホワイトソース
- 乳製品の入った飲料
- ケーキ
- アイスクリーム
牛乳アレルギーの場合、豆乳で代用ができます。
豆乳は大豆から作られています。
大豆アレルギーでない場合は、豆乳を使うと良いでしょう。
大豆
大豆アレルギーは、大豆のタンパク質を敵とみなします。
「大豆ってあまり食べないよね」と思っている方は要注意です。
日本料理の多くには大豆が使用されています。
【大豆が含まれる料理】
- 豆乳
- おから
- 枝豆
- 豆腐
- 豆乳
納豆・味噌・醤油などの食品や調味料にも、大豆が含まれています。
しかし納豆・味噌・醤油は発酵処理が行われているので、アレルゲンの量が微量です。
発酵処理が行われると大豆に含まれるタンパク質が、分解されます。
ですので納豆・味噌・醤油を摂取しても、アレルギー症状が出づらいのです。
ただし微量の大豆でもアレルギー反応で出る子供もいます。
そのような場合は納豆・味噌・醤油の摂取にも注意しましょう。
蕎麦
蕎麦アレルギーは微量で「重篤なアレルギー症状」を引き起こすことがあります。
中には命にかかわるほどのアレルギー反応を起こすこともありますので、注意しましょう。
【蕎麦が含まれる料理】
- 蕎麦
- そば茶
- パンケーキ
- パン
- 七味
蕎麦といえば「麺」ですよね。
しかし麺以外にも、「そば粉」が使われている料理があります。
そば粉は甘みが少なく、ヘルシーということから、小麦粉の代わりに使用する人が多くいます。
飲食店でも小麦粉をそば粉にするところがあります。
ですので外食の際は、注意しましょう。
小麦
小麦アレルギーはパンやドーナツなどの小麦食品を食べて、発症するだけではありません。
飲み物や調味料として小麦が使用されている料理が、多数あります。
【小麦が含まれる料理】
- 麦茶
- シチュー
- ホワイトソース
- ムニエル
- フライ・天ぷら
- ハンバーグ
- パン
小麦は食品だけではなく、化粧品に含まれていることもあります。
小麦が含まれた化粧品を皮膚から吸収すると、アレルギーが引き起こされる場合があります。
落花生(ピーナッツ)
落花生アレルギー(ピーナッツアレルギー)は「そばアレルギー」と同様に、微量でも重篤なアレルギー症状を引き起こすことがあります。
落花生はお菓子や加工食品に含まれている場合があります。
【落花生が含まれる料理】
- 落花生(ピーナッツ)
- ピーナッツバター
- チョコレート
- ピーナッツ油
食品表示で落花生と表示されている場合は、落花生のみを指します。
ナッツ類やくるみを指すことはありません。
カシューナッツでアレルギーがある場合は、「落花生アレルギーと表示されている商品」を食べても問題はありません。
カニ・えび等の甲殻類
カニやエビには「トロポミオシン」というたんぱく質があります。
トロポミオシンはアレルギーの原因物質で、カニ・エビ以外の甲殻類にも含まれています。
カニ・エビ以外の甲殻類は、イカ・貝・タコなどが該当します。
【カニ・えびが含まれる料理】
- 海老フライ
- えび天ぷら
- 蟹カマ
- シューマイ
- おせんべい
エビやカニは「すり身」「団子」など、様々な形で加工食品に使用されています。
ですので食品のパッケージを、必ずチェックしましょう。
キウイフルーツ
キウイには「アクチニジン」と言うタンパク質分解酵素があります。
アクチニジンがアレルゲン反応を引き起こします。
【キウイフルーツが含まれる料理】
- キウイ
- ヨーグルト
- ケーキ
- クレープ
キウイはデザートに入っていることがあります。
ですので市販のデザートを購入する際は、キウイが入っていないか注意しましょう。
イクラ
イクラもアレルギーを引き起こしやすい食品です。
イクラのように生で食べることの多いは食べ物は、乳幼児に食べさせないほうが良いでしょう。
衛生面で心配ですし、消化機能がまだ完成していない乳幼児はアレルギー反応を起こしやすいのです。
【イクラが含まれる料理】
- イクラ丼
- お寿司
- おせんべい
またイクラアレルギーの子供は、魚卵全般のアレルギーの場合もありますので注意しましょう。
明太子や数の子などが魚卵に該当します。
いか
イカアレルギーはあまり聞き慣れませんが、実はアレルギーの原因として多い食品の1つです。
イカアレルギーの原因となっている物質は、イカの筋肉に含まれている「トロポミオシン」と言うたんぱく質です。
【イカが含まれる料理】
- スルメ
- イカエキス
- イカスミ
- おせんべい
- パスタ
- お好み焼き
イカは加工食品に混ざっていることが、多々あります。
ですので魚貝類が含まれる加工食品にも、気をつけましょう。
青魚
ヒラメや鮭を食べてもアレルギー症状はでませんが、「青魚」を食べるとアレルギーを引き起こすという子供がいます。
青魚に含まれるたんぱく質が原因で、青魚アレルギーになるのです。
- サンマ
- アジ
- サバ
- イワシ
- カツオ
- マグロ
青魚とそうでない魚の違いがわかりづらいので、青魚の特徴を知っておきましょう。
青魚とは見た目が青いもので、「特に背びれ辺りが青くなっている魚」のことを言います。
食物アレルギーはどのような症状?
食物アレルギーは下記のような症状が、引き起こされます。
- かゆみ・蕁麻疹
- 呼吸困難
- 腫れ
- 鼻水
- 咳
- 嘔吐
- 下痢
アレルギー症状は「数分で出る場合」や「数時間経ってから出る場合」があります。
アレルギー症状の中で、気をつける必要があるのが「アナフィラキシーショック」という症状です。
アナフィラキシーショックを起こしたらどうすれば良い?
「アナフィラキシーショック」とは意識障害や血圧低下を引き起こし、時には死亡する危険がある重篤な状態のことを言います。
アナフィラキシーショックを発症すると、短時間で症状が全身に現れます。
アナフィラキシーショックの処置は、アドレナリンを筋肉注射する方法です。
意識を失ったり血圧が下ったりして、アナフィラキシーショックを引き起こした時は、早急に救急車を利用し、医療機関を受診しましょう。
間違って食べてしまった時の対処法
アレルゲン食物を誤って食べてしまった時は、口の中にある物をすぐに吐き出します。
口の中をゆすぎ、うがいもしましょう。
可能であれば食べた物を吐かせ、病院側から処方されている薬がある場合は、使用しましょう。
その後アレルギー症状が出てしまった場合、症状の変化を観察してください。
症状が改善されるなら心配はいりません。
しかし症状が悪化していると感じた場合は、早急に病院へ行きましょう。
まとめ
アレルギーの中でも特に子供に多いのが「食物アレルギー」です。
アレルギーを引き起こす原因が多い食物として下記の「7品目」が挙げられます。
- 卵
- 小麦
- 乳(乳製品)
- そば
- 落花生(ピーナッツ)
- かに
- えび
しかし7品目以外の食品でも、食物アレルギーが引き起こされやすい食品はあります。
イカやキウイなど「意外な食品」も多いので、アレルゲンとなりやすい食物を事前に理解しておきましょう。
子供が食物を食べた後、痒みや腫れなどのアレルギー症状が出た場合は、小児科を受診しましょう。
小麦や落花生は、アレルギー症状が重篤化しやすい食物です。
呼吸困難などの症状が出た時は救急車を利用しましょう。
食物アレルギーが発症した場合に、体に出る症状をまとめました。
金属アレルギーで現れる症状と対処方法について書きました。