受動喫煙(副流煙)は子供にどんな悪影響を及ぼすの?受動喫煙の対策は?
「百害あって一利なし」ということわざは、タバコにぴったりの言葉です。
タバコを吸うことで何1つメリットはありません。
タバコを吸っている本人の体に悪影響があるのは、誰もが知っていますよね。
さらにタバコを吸っていない子供も「受動喫煙」によって、害を受ける可能性があります。
受動喫煙が子供に及ぼす悪影響は、どのようなものがあるのでしょうか?
また受動喫煙から子供を守るには、どのような対策を取れば良いのでしょうか?
今回は「受動喫煙による悪影響や対策」について説明します。
このページの目次
受動喫煙とは
受動喫煙とは、「タバコを吸う人が吐く煙」を「周りの人が吸い込むこと」を言います。
喫煙者が吐く煙を「副流煙」と言います。
またタバコの先から出る煙も副流煙です。
この副流煙には、多くの有害物質が含まれています。
非喫煙者が副流煙を吸うことで、たとえ本人がタバコを吸っていなくても体への悪影響があります。
タバコを吸う時の煙(主流煙)は、フィルターを通過します。
しかし副流煙は、煙をそのまま吸い込むことになります。
そのためタバコを吸っている本人よりも、受動喫煙者の方が体への悪影響は大きいのです。
副流煙に含まれる有害物質
タバコの煙には、「4000種類以上の化学物質」が含まれています。
その中でも体にとって有害と言われている物質が、「200種類以上」含まれています。
タバコに含まれる代表的な有害物質を挙げました。
- ニコチン
- タール
- 一酸化炭素
- アンモニア
- 窒素酸化物
- フェノール類
- ベンゾ(a)ピレン(発がん物質)
- ジメチルニトロソアミン(発がん物質)
- メチルエチルニトロソアミン(発がん物質)
- N一ニトロソノルニコチン(発がん物質)
発がん物質があることは解っていても、文字で見るまではピンときませんよね。
このようにたくさんの有害物質が、タバコには含まれているのです。
タバコにどのような有害物質があるかを、子供がいる親は把握する必要があります。
有害物質を知ってもなお、あなたは子供の目の前でタバコを吸えますか?
受動喫煙による子供への悪影響
受動喫煙によって、子供に起こる悪影響をまとめました。
乳幼児突然死症候群(SIDS)
乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、赤ちゃんや幼児が眠っている時に「突然死亡する病気」です。
「生後2ヶ月~6ヶ月の間」に多いと言われています。
乳幼児突然死症候群の原因ははっきりとわかっていません。
間接的な原因として、受動喫煙が挙げられています。
両親がタバコを吸っていると場合と、吸っていない場合で比べると、
乳幼児突然死症候群の発症率は、約4.7倍に増加します。
ですので「乳幼児突然死症候群は受動喫煙によるものであろう」と考えられるのです。
ぜんそく・気管支炎
喘息とは、気道が炎症を起こしている状態を言います。
風邪などが原因の急性的な喘息でも、咳が長引いて悪化すると、慢性的な喘息になります。
この喘息も、受動喫煙が原因の1つと言われています。
またすでに喘息がある場合でも、「悪化の原因」となることも。
喘息中は気道は炎症を起こしているので、タバコの煙(副流煙)を吸うことでさらに気道の炎症は悪化します。
受動喫煙を受けている喘息の子供は、「喘息治療薬を使用する回数が増える」傾向にあります。
副流煙は気管支にも悪影響を及ぼします。
ですので気管支炎になることもあるのです。
気管支が炎症を起こしていると、咳がとまらなくなります。
咳が悪化すると、肺炎を引き起こすこともあるので注意が必要です。
中耳炎
中耳炎とは、中耳が細菌やウイルスに感染することで、炎症を起こしている状態です。
「どうして受動喫煙が中耳炎と関係あるの?」と思う人もいるでしょう。
受動喫煙による煙は、喉をとおります。
実は、喉と耳管は繋がっているのです。
受動喫煙による煙が耳管を通り、中耳に到達します。
その結果、耳の炎症を引き起こすことがあるのです。
知能低下
アメリカでは、タバコを吸う親の子供とタバコを吸わない親の子供で、学力を比較するという検証が行われました。
するとタバコを吸う親の子供の方が、「読み書きの能力」「注意力の継続時間」が低下しているという結果が出ました。
つまり親がタバコを吸う家庭は、子供の知能が低下する傾向にあることがわかっています。
アトピー
タバコを吸うとアトピーを悪化させます。
主流煙だけでなく副流煙によっても、アトピーは悪化するのです。
アトピーは肌が乾燥することでより悪化します。
副流煙を吸うことで血管は収縮し、肌の乾燥を招きます。
また皮膚に副流煙が触れることで、肌を乾燥させる作用があるのです。
肥満
厚生労働省の調査結果では、「受動喫煙によって肥満児になる可能性がある」と言う発表がされました。
室内でタバコを吸う親がいる子供といない子供で比較すると、受動喫煙を受けている子供は肥満になりやすかったのです。
タバコの副流煙が肥満と、どのように関係しているのかは、はっきり判明していません。
ただし親が喫煙者か非喫煙者かによって、子供の肥満の割合に違いがあるのは事実です。
歯槽膿漏・虫歯
タバコの副流煙を吸うことで、歯茎の血流が悪くなります。
タバコを吸っている人は、歯茎が黒い人が多いのを知っていますか?
喫煙により歯茎の血流が悪くなり、歯茎が黒くなってしまうのです。
子供が受動喫煙することにより、歯茎の血流が悪くなり、不健康な歯茎になります。
歯茎が不健康になることで、「歯槽膿漏や虫歯」の原因になります。
発育延滞
受動喫煙は子供の発育にも悪影響があります。
受動喫煙により血管が収縮され、酸素のめぐりが悪くなります。
ですので受動喫煙を受けている子供は、
同年代の子供より低体重であったり、身長が平均より低いなどの発育延滞があります。
子供が大人になってから出る悪影響
子どもが成長して成人になってからも、子供の時に受けた、「受動喫煙の悪影響」が続くと考えられています。
成人になってからの肥満・糖尿病などが、関係しているといわれています。
さらに子供の時に受動喫煙を吸い込むと、発がんリスクが高まります。
また子供の頃に受動喫煙によって、ニコチンを頻繁に吸収していることで、
大人になった時に「タバコを吸う確率が高い」と言われています。
副流煙から守る対策は?
このように受動喫煙は、子供に多くの悪影響を及ぼします。
そこで「受動喫煙を防ぐにはどうしたら良いのか?」を説明します。
タバコを吸い終わった直後の人との会話を避ける
タバコを吸い終わった後でも、口からは副流煙が吐き出されています。
煙が目には見えなくても、会話をしている時に有害物質は吐き出されます。
ですのでタバコを吸った直後の人とは、近くで会話をしないようにしましょう。
2~3分の時間をおけば副流煙はほぼでません。
ですので2・3分の時間をおいてから話すことをオススメします。
喫煙者から7メートル離れる
日本禁煙学会のデータによると、喫煙者の直径14メートルは「副流煙の影響」があると言うことになります。
参照:日本禁煙学会
喫煙者を真ん中にして直径14メートルということは、半径7メートル離れていると安全と言えます。
外にいる場合風向きによっては、副流煙が7メートル以上の場所にも届く可能性があります。
マスクを2枚重ねにする
副流煙を予防するために、マスクを2枚重ねするのは有効です。
使用するマスクは通常のマスクですと効果が薄いです。
ワイヤーが入っていて、しっかりフィットするマスクを2枚重ねにしましょう。
マスクをしても副流煙は通過します。
しかしマスクをしていない時より、副流煙を吸い込む量は軽減されます。
妊娠中の受動喫煙も要注意
姙娠中にタバコを吸うと胎児に悪影響なのは広く知られています。
そして姙娠中は「副流煙」にも注意が必要です。
副流煙による受動喫煙は、胎児に悪影響を及ぼします。
妊婦が受動喫煙することによって起こる悪影響は下記の通りです。
- 子宮内発育遅延
- 未熟児
- 低体重児
- 早産
- 流産
- 先天性心疾患
このようにタバコを本人が吸っていなくても、副流煙により胎児に悪影響があるのです。
まとめ
タバコの副流煙は、吸っている本人よりも周りにいる人の方が悪影響を受けます。
受動喫煙は子供の成長に様々な悪影響を及ぼします。
ですので子供がいる親は、受動喫煙の悪影響についてよく把握しておきましょう。
悪影響は大人になった時に現れることもあります。
「百害あって一利なし」は、受動喫煙にも当てはまることなのです。
受動喫煙を防ぐには、タバコを吸う人に近づかないことです。
また親がタバコを吸うのであれば、吸った直後は子供に近づかないようにしましょう。
受動喫煙の対策をおこない、子供を副流煙から守りましょう。
アイコスなら受動喫煙をしても問題ないのでしょうか?
受動喫煙がきっかけに喘息になる子どもがいるようです。