子どもの性同一性障害の原因と治療法
もしかしたら我が子が性同一性障害かもしれないと思った時、親はなにができるでしょうか?
子どもが自分の性別に違和感を感じて苦しんでいるわけですから、何かサポート出来ることはないのかと色々悩む事だと思います。
親は、苦しんでいる子どもの為にも性同一性障害について詳しく知っておく必要があります。
性同一性障害になる原因は何なのか、治療法はあるのかと悩んでいるママの参考になれば幸いです。
このページの目次
性同一性障害とは
性同一性障害とは
「女の子として生まれてきたのに、心は男の子」
「男の子として生まれてきたのに、心は女の子」
と言うように、生まれ持った性別とは別に、心理的に自身が感じている性別に合わせようとする病気のことです。
簡単に言うと身体の性と心の性が一致していないということです。
人間の性別は、男性と女性の2通りがあります。
ほとんどの人は、自分が生まれ持った性別と心で感じている性別は一致しているのですが、中には心と身体の性別が一致しないと言う事で苦しんでいる人もいるのです。
性同一性障害と同性愛との違い
勘違いされている方が多いのですが、性同一性障害と同性愛は全く違います。
同性愛とは
「男性が男性を好きになる」
「女性が女性を好きになる」
と言うことです。
同性愛の場合は、心と身体の性別に違和感はなく、性別の認識が一致しています。
性同一性障害は、心と身体の性別に違和感を感じ性別の認識が一致していないので、この部分が決定的な違いとなっています。
性同一性障害になる原因
性同一性障害の原因はまだまだ謎が多く、解明されていない事が多いようです。
原因は解明されていないが、『身体的性別とは一致しない性別への脳の性分化』が有力で、これが主たる原因と考えられている。
性同一性障害の原因
現段階では、赤ちゃんがお腹の中で浴びるホルモン(ホルモンシャワー)が原因という説が有力視されています。
実は、受精卵が出来た時と言うのは、まだ性的に両方の特徴を持っているのです。
その後、受精卵が浴びるホルモン(ホルモンシャワー)によって性別が決まります。
その時になんらかの異常が起こり、身体と脳の不一致が起こるのではないかと言われています。
赤ちゃんが男の子として生まれてくる場合、受精直後と出産直前の2回にわたって、テストステロンを浴びることによって、身体と脳が男性として形作られるのです。しかし、出産直前の段階で、しっかり2度目のテストステロンを浴びられないと、男の体を持ち、女性の意識を持つようになるのです。
今さら聞けない! 子どもの「性同一性障害」基礎知識&親としてできること
これらのことが有力視されているのですが実際のところ
先天性による原因なのか・後天性による原因なのかは解明されていない
のが現状です。
妊娠中のストレスが影響しているという説もある
前項でお話したように、性同一性障害の原因はホルモンシャワーが有力とされています。
そのホルモンシャワーを胎児がしっかりと浴びられない理由として、妊娠中のママが受けるストレスが影響されているのではないかと言われています。
ですが、ママ受けるストレスが影響しているという説も仮説であって、きちんとした原因はとは解明されていません。
と言うことで、妊娠中のストレスが影響するというのは仮説ですので、そのことを不安視しすぎる必要はありません。
性同一性障害の症状
性同一性障害は下記のような症状です。
幼い頃から以下のような行動が見られます。
・男の子は自分が女子である、女の子は自分が男子であるとみなしたがる
・異性の格好をしたがる
・男の子は女の子がしたがる遊びを、女の子は男の子がしたがる遊びを好む
・男の子は女の子の仲間に、女の子は男の子の仲間に入りたがる
今さら聞けない! 子どもの「性同一性障害」基礎知識&親としてできること
幼少の時期は異性の子どもと遊ぶということは珍しい事ではありません。
ですのでこの症状があるからといって一貫して性同一性障害と決めつけることは出来ません。
性同一性障害の子どもは
二次性徴が始まると、自分の身体の変化に違和感を強く感じるようになります。
【男の子場合】
- 体毛が濃くなる
- 声変わりをする
- 喉仏が目立つようになる
- 体つきが大きくなる
【女の子の場合】
- 胸が大きくなる
- 月経がはじまる
- 体が丸みを帯びる
などがあげられます。
これらの成長が起きることで、どんどんと子ども自身が自分の中に違和感を感じるようになります。
このような、自分の意思とは反対の性別に現れる身体的変化に対して、嫌悪感、違和感を感じるようになります。
その結果、男の子はすね毛や腕の毛を剃ったり、女の子はさらしを巻いて胸の膨らみがないように見せたりするのです。
性同一性障害の予防法・治療法
現在は性同一性障害になる原因が明確ではない為、予防法はありません。
性同一性障害ということを子どもが自覚した場合、または子どもが性同一性障害ということを親が気づいた時は、専門の医療機関で受診してください。
性同一性障害の治療は
- 精神療法
- ホルモン療法
- 外科的治療
この3つを上から順番に進められます。
治療内容はこちらに詳細がありますので参考にしてみてください。
みんなのメンタルヘルス
中には外科的治療を受けずに、ホルモン療法だけ継続する人もいます。
しかし、戸籍を変更したい場合は外科的治療(性別適合手術)が必要となります。
ジェンダークリニック(病院)で受診する
ジェンダークリニックとは性同一性障害者の治療を行っている病院です。
子どもが性同一性障害と思ったら、ジェンダークリニック(病院)で受診しましょう。
親が勝手に性同一性障害ではないかと思っているだけという可能性もありますし、専門医療機関の医師にきちんと診察、診断してもらうようにしてください。
性同一性障害を扱う病院・ジェンダークリニックはこちらで検索できます。
性同一性障害を扱う病院やジェンダークリニックの一覧
性同一性障害は治る?
男の子として生まれてきたのだから
心も男の子にしてあげたい。
女の子として生まれてきたのだから
心も女の子にしてあげたい。
親としてそう思うのは普通の事だと思います。
心と身体の性別が一致しないわけですから、簡単に言うなら治療法は「身体を変える」か「脳を変える」の2つと言うことになります。
現在、性同一性障害の治療では「体の性を変える」ことは可能です。
ですが
「心の性を変える」ということは不可能とされています。
何故なら、古くから日本国外でも様々な方法で、性同一性障害の治療が行われてきましたが「心の性を変える」ことに成功した例がないのです。
身体は性別適合手術やホルモン療法で治療が可能ですが、脳はいじることができないのは誰もが分かる事ですよね。
過去に行われた「心の性を変える」治療法の詳細と結果がこちらに書かれていますので参考にしてみてください。
性同一性障害は治らないのですか?
これらのことから、現状は子供の脳で考える「心の性」に合わせることしか治療法はないと言えます。
親は何をしてあげたらいい?
子どもが性同一性障害だとわかった時、親としては衝撃を受けることだと思います。
ですが、そのことで一番苦しんでいるのは子どもです。
その苦しみを少しでも和らげる為に親が出来ることを考えて行きましょう。
まずは子どもの意思を尊重し、子どもの味方になってあげてください。
それだけで子どもの心身的ストレスは和らぐそうです。
さらに服装や髪型といった見た目を、心の性に合わせることも、子どものストレスが軽減されるそうです。
ですので、子どもと一緒に買い物をしたり、子どもの心の性に合った服を一緒に選んであげたりしてください。
そうすることで自分の悩みに対して理解者がいると思えるので、子どもの苦しみが和らぎます。
親がしてはいけない事
前項の逆を言うと、例えば身体は女だけど心は男という子どもに対して、スカートを履かせたり、フリフリのレースの付いた服装をさせたり、髪の毛はロングヘアーにさせるなど、本人の意思を無視するような事を親がしてはいけません。
自分の身体とは違う性の心を持って生まれてきた本人が一番傷つき、悩んでいるのですから、子どもの意思に反する行動は子どもをただ苦しめるだけです。
その苦しみを和らげる方法を一緒に考えていくことが大切です。
まとめ
記事の後半に書きましたが、子ども本人が思っている心の性を変えることは出来ません。
外見を変えることは出来ても心は変えられないのです。
ですので、なんとかして子どもに外見通りの心の性に変わって欲しいと言う願望はすっぱり諦めて下さい。
子どもの心の性を認めてあげないと、子どもは苦しみます。また、その苦しみは大人になっても解消されないでしょう。
子どもの意思を無視はせず、子どもが「自分らしく生きる」ことが出来る環境を作ってあげてください。
病院ではカウンセリングがありますので、子どもの不安や苦しみが少しでも楽になるきっかけになります。
そうだったンですか!
俺も若しかしたら性同一性障害かもしれません。一人称で察していただけると思うのですが、俺は「女」です。「女」だと自分の事を公言しても、なんだかしっくりこなくて、自分のことを男だと云うとすとんっと腑に落ちるンです。
親にそれとなく訊いてみたら「味方になるしかないけど、何処でどう育て方を間違えたのかを責める」と云われ、若しかしたら性同一性障害かもしれない、とは云えませんでした。
中学生二年目なんですが、きちんと云って専門医に診断して頂いた方がいのでしょうか?
一度医療機関に相談する事はいいと思います。
内の家族の中でこう言う人いた、苦しんでる
親には相談していないんですが、心は男、体は女の子の中2です。髪を短くしたいと言ったらだめと言われ、一人称を僕で呼んでいたんですが、怒られて、男の子の格好をすると、女の子らしくしなさいと注意されます。
他にありますが…そういったことで悩んでいます。
なかなか相談出来ません。
なので、1人で精神科に行こうと思っています。
何か、必要な物事はありますか?
記事執筆者ではありませんが、一言。
保険証と身分証(念の為。学生証でいい)を持っていけばOKです。
後は、どういう時に苦痛・疑問を感じるかを徹底的に話せるように、事前に整理しておくといいですね。
なお義務教育中の未成年なので、親がどうたらとか医師が言ってくるでしょうけど最初は伏せましょう。
いよいよ親出さないと駄目だとなったら、診断書引っ提げて真っ向勝負すればいいだけです。
今考えることじゃありません。
まずは医師に相談するという第一歩を踏むだけでいい。
しかしこのご時世に「女の子らしくしなさい」って……
時代の差ですね……ステレオタイプの女の子以外知らない時代に育ってる親御さんなのでしょう。どっちが悪いではなく、時代です。
凄まじいショックを受けることが予想されるので、「僕を認めろ」という強硬な態度は控えて、あくまで冷静に。
以上、ガチのニューハーフたる知人より教えて頂きました。
踏み出す勇気を持った貴方に、画面の向こうからささやかなエールを送ります。
俺も心は男、体が女の中1です。診断を受けたいのですがなかなか親に相談できなくて困っています。どうすればいいのでしょうか。
僕も病院で性同一性障害と診断されため女の子として学校にいっている
私も体は男の子で心は女の子で親にはまだ伝いてないです