子どもに子宮頸がんワクチン接種して大丈夫?
子宮頸がんには、「ワクチン」があることをご存知な人は多いはず。
子宮頸がんを予防できるのであれば、ぜひ我が子にも摂取させたいと思うのが親の常。
ですがこの子宮頸がんワクチン接種について「色々考えないといけないこと」があるようです。
と言いますのも、子宮頸がんワクチンの接種を受けたことにより、「副反応」が起きた子どもがいるからです。
このページでは、「子どもに子宮頸がんワクチンを摂取させても良いのかどうか」をまとめました。
このページの目次
子宮頸がんとは
子宮頸がんワクチンについてお話する前に、その元である「子宮頸がん」についてお話をさせていただきます。
子宮頸がんと他のがんの最大の違いは、「子宮頸がんは予防可能ながん」であると言うことです。
ちなみに子宮頸がんとは、子宮頸部と呼ばれる「子宮の出口」に発生するがんのことを言います。
この画像のオレンジ色で囲んだ部分が子宮頸部です。
その部分に出来たがんが子宮頸がんです。
少し前まで子宮頸がんは、「40代~50代」の女性に多く発症していました。
しかし最近では、「20代後半~40代」の女性に増えており低年齢化しています。
その原因としては、「性交渉時にコンドームを使用しない若者が増えていること」が大きく関係していると考えられています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
この子宮頸がんの発症原因は、性行為感染症の1つでもある「ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)」が大きく関係していると言われています。
なぜなら、子宮頸がんになった患者の90%以上から、HPVが検出されているからです。
HPV感染自体はまれなことではなく、感染したとしても2年以内に自然とHPVが排除されると言われています。
ですがHPVが排除されることなく感染(持続感染)が続くと、子宮頸がんになる可能性があるとされています。
HPVは「乳頭腫」と言われるイボを作るウイルスで、150種類以上の型があります。
子宮頸がんの原因になるHPVの型は、主にH「PV16、18型」です。
HPVは多くの女性が感染していて、性交渉の経験がある女性のうち「50~80%」が一度は感染していると言われています。
このことから、感染率が極めて高いウイルス、と言うことがわかりますね。
子宮頸がん予防ワクチンについて
子宮頸がんの原因になる「HPV持続感染」を予防する為のワクチンがあります。
2016年、現在日本で承認されている子宮頸がんのワクチンは二種類です。
『サーバリックス』と『ガーダシル』と言うワクチンが製造されています。
あくまでもHPVワクチンは、「予防出来る」とされているだけで、「治療ワクチン」ではありません。
どちらのワクチンも接種回数は3回ですが、ワクチンの種類により2回目以降の接種に空ける期間が異なります。
サーバリックス
⇒1回目の接種⇒1か月後に2回目⇒6か月後に3回目の接種
ガーダシル
⇒1回目の接種⇒2か月後に2回目⇒6か月後に3回目の接種
どの予防接種も一定の間隔をあけて受けなければなりません。
ですので、「子宮頸がん予防ワクチン接種1か月以内」に他の予防接種を受けた方は、
「どのようなワクチンをいつ接種したのか」を担当の医師に必ず伝える必要があります。
予防接種対象年齢は?無料でできる?
多くの国では、「初性交前までに」子宮頸がん予防ワクチンの接種を済ますように推奨されいます。
ですので小学生のうちに、ワクチンを接種する国がほとんどのようです。
現在の日本では、子宮頸がん予防ワクチンは、強制ではなく任意の接種となっています。
0歳以上が子宮頸がん予防ワクチンの接種対象となっていますが、
法が定めた「標準的な接種」は「中学1年生になる年度」とされています。
日本では小学校6年生~中学1・2年生からワクチンの摂取を推薦しています。
対象年齢の子どもは、全国どこでも無料で子宮頸がんの予防接種を受ける事ができます。
対象年齢:小学校6年生から高校1年生に相当する年齢の女子
子宮頸がんのワクチン接種に関する具体的なお問い合わせは、お住いの管轄の市役所に問い合わせてみてください。
性交経験がある女性には無意味?
子宮頸がん予防ワクチンは、「初めて性交渉を行う以前に接種」していることで、最大限効果が得られるとされています。
性交経験がある場合は、HPVに既に感染してしまっている場合があります。
感染してしまっていると子宮頸がんのワクチンは無意味となります。
しかし、性交経験があるからといって、必ずしもHPVに感染すると言うわけではありません。
ですので性交経験があるからと言って、子宮頸がんワクチンの摂取が無意味というわけでは無いのです。
日本では子宮頸がん予防ワクチン接種を薦めない
日本では厚生労働省が、「2013年6月14日にHPVワクチンの接種に関して」【積極的な呼びかけ】を一時中止すると発表をしました。
どの予防接種にも副反応の危険があることは理解出来ますが、
子宮頸がん予防ワクチンに対して国が「おすすめしない」と発表するなんて、
我が子に接種させることを戸惑いますよね。
ではなぜこのように、「子宮頸がん予防ワクチンを推薦」しなくなったのでしょうか?
(ちなみにインフルエンザの予防接種や、おたふくかぜも子宮頸がん予防ワクチンと同様に【積極的な呼びかけ】をしていません)
副反応の報告例
その原因としては、子宮頸がんワクチンを接種したことで、副反応の報告例がとても多く出たからです。
子宮頸がん予防ワクチンを接種した後に発生した、主な副反応は下記のとおりです。(平成25年6月時点)
頻度 | サーバリックス | ガーダシル |
---|---|---|
10%以上 | 痒み、注射部位の痛み・腫れ、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛 など | 注射部位の痛み・腫れ など |
1~10%未満 | じんま疹、めまい、発熱 など | 注射部位の痒み・出血、頭痛、発熱 など |
1%未満 | 注射部位の知覚異常、しびれ感、全身の脱力 | 手足の痛み、腹痛 など |
頻度不明 | 手足の痛み、失神、 など | 疲労感、失神、筋痛・関節痛 など |
(平成25年6月時点の添付文書に基づく)
引用元:子宮頸がん予防ワクチンQ&A
他にも様々な副反応が症例として出ています。
特に子どもの月経が無くなったという報告が多くみられました。
「HPVワクチンを接種して1年以上たってから、全身の痛み、月経異常、体の震え、歩行困難、下痢、記憶障害など現代の医学では説明できないさまざまな症状が次々と起こっている。NIKKEI STYLE
さらに子宮頸がん予防ワクチンは、インフルエンザワクチンを接種して起きる副反応の「40倍」もあるという報告もあります。
(2013年3月11日の厚労省副反応検討会の資料では)副反応報告率はインフルエンザワクチンの約40倍。ハーバービジネスオンライン
このような副反応が起きるケースがあり、日本では子宮頸がん予防ワクチンの、積極的な接種の呼びかけを辞めたわけです。
結局子宮頸がん予防ワクチンは受けたほうが良い?
今までお話した事から、子どもに子宮頸がん予防ワクチンを受させた方が良いのか悩むママは多いかと思います。
もし何かあってからでは遅いわけですから、控えておこう思ってしまう人もいますよね。
実際、市役所に電話をして問い合わせてみたところ
「現在は国から薦められている予防接種ではないので、色々判断したうえで接種してください。」と言われました。
と言うことなので自分で判断した結果、私は子どもに子宮頸がん予防ワクチンは受けさせません。
子宮頸がん予防ワクチンを受けた方が良いのか悩んでいるママは、今回お話した情報を参考によく考えてからにしましょう。
まとめ
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんを予防できるとても優秀なワクチンです。
しかしその反面、副反応がかなり怖いワクチンでもあるのです。
子宮頸がんになるリスクか、ワクチンで副反応が生じるリスクか、どちらが怖いのかを考えてみましょう。
子宮頸がんワクチンを摂取するのであれば、小学校6年生~高校1年生まで無料で予防接種が受けられます。
具体的な接種場所や時期に関しては、お住いの市役所にお問合せ下さい。
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