子どもの口呼吸を治そう!口呼吸を改善して鼻呼吸へ
人間は本来鼻で呼吸をするいわゆる鼻呼吸の生き物です。
しかし、何らかの理由で鼻で呼吸をせずに口で呼吸をしてしまう口呼吸の人がいます。
口呼吸は一度癖づいてしまうと鼻呼吸に戻すことが非常に難しくなります。
しかも、口呼吸にはたくさんの悪影響があります。
ですので口呼吸から鼻呼吸へは、子どものうちから治しておいたほうが良いのです
このページの目次
口呼吸が与える悪影響
口呼吸には様々な悪影響があります。
当然口呼吸の期間が長ければ長いほど、この悪影響は大きくなってしまいます。
風邪を引きやすくなる
口呼吸をすると風邪を引きやすくなります。
鼻呼吸であれば鼻に生えている毛が、体の中に細菌が入ることを防いでくれますが、残念ながら口に毛は生えていません。
ですので、口呼吸をしていると細菌が直接入ってしまうのです。
また、鼻にはネバネバした粘膜があり、この粘膜もまた細菌が入ることを防いでくれるのですが、口には粘膜もありません。
ですので風邪の原因となる細菌にとって口呼吸の人は、体に入り込める絶好のチャンスなのです。
喘息になりやすい
また口呼吸は、喘息にもなりやすい事がわかっています。
喘息の一つの原因として「冷気」があります。冬になると喘息の人が増える原因もこの冷気が関係しています。
ようは冷たい空気が気管支に触れることで喘息につながるのですが、口呼吸の人は冷気が直接喉や気管支に当たることになります。
鼻呼吸であれば冷気が喉や気管支に当たる際に空気は温まるのですが、口呼吸の場合は温まらず冷気が直接当たります。
またアレルギーの原因となるダニや花粉も、口呼吸ですと直接吸ってしまうことになります。
鼻呼吸であれば鼻の毛で防げますが、口呼吸ではちょくに体内に入り込みます。
口臭・虫歯の原因になる
さらに、口呼吸は口臭や虫歯の原因となってしまいます。
口呼吸の人は鼻呼吸の人に比べ、口の中が乾燥しています。口の中が乾燥していると口の中で菌が繁殖してしまいます。
口臭の原因の一つに、口にいる菌の量があります。口呼吸の人の口が朝に臭うことは、菌の量が影響しています。
また、唾液は虫歯予防をしてくれるものでもあります。口の中が乾燥し唾液がなくなってしまうと虫歯になりやすくなります。
さらに、唾液は傷んだ派の修復効果もあります。口呼吸によって唾液が無くなると歯は傷んだままになってしまいます。
睡眠の質が悪くなる
最後に、口呼吸は睡眠の質を低下させ、どれだけ寝ても疲れが取れない、どれだけ寝ても眠いままと言う状況になります。
意外と思われる方もいるかもしれませんが、口呼吸よりも鼻呼吸のほうが多くの酸素をとり入れることが出来ます。
と言うことは、口呼吸の人は鼻呼吸の人に比べ慢性的に酸素が不足しているといえます。
口呼吸の人がたくさんの酸素を取り入れるには、体力を使って口呼吸を大げさにして酸素を吸うしかありません。寝ているにも関わらず体力が消費されてしまっているのです。
また吸える酸素の量が少ないので、スポーツをしても普通の人より早くにへばってしまいます。
口呼吸の原因って?
何故鼻呼吸の人と口呼吸の人がいるのでしょうか。そして何故あえて効率の悪い口呼吸を選んでしまう人がいるのでしょうか?
口呼吸の原因は下記となります。
鼻が詰まっている
口呼吸をしてしまう人の最大の原因は、鼻が詰まっていることと言えます。
人間の鼻は片方が詰まっていることはよくあります。しかし両方詰まっていることがあったり、少ししか息が通らない人がいます。
鼻が詰まっており鼻で呼吸をすることが出来ず、仕方なしに口で呼吸をしてしまっているのです。
その結果、口呼吸が普通となってしまい、鼻が詰まっていないときでも口呼吸をしてしまうことになります。
鼻が詰まっている理由は、一つはアレルギーでしょう。慢性的に鼻が詰まっている人もいます。さらには蓄膿症が原因の場合もあります。これらは耳鼻科に行けば改善することがあります。
そして、鼻の骨格が曲がっていることで鼻が詰まっている人もいます。中には鼻づまり解消のために整形する人もいるようです。
口を閉じる筋力が弱い
口を閉じる筋力が弱いと、寝ている時や無意識のときに自然と口が開いてしまいます。
口が開いてしまうと口呼吸をしてしまいます。そして口呼吸をするとさらに口の筋力が弱まります。完全に悪循環に陥ることになります。
口の筋力があるから口呼吸をするのではありません。口の筋力が無いから勝手に口が開いてしまうのです。
歯並びが悪い
意外と思わる方もいるかと思いますが、歯並びが悪いとそれもまた口呼吸の原因となってしまいます。
歯並びが悪いと、口を閉じるためにより筋力が必要になってしまう場合があります。意識をしないと口が閉じられないと言うことですね。
特に出っ歯の方は歯が前に出てくるため、口を閉じるのが難しい場合があります。
口呼吸は子どものうちに治そう!
口呼吸の原因はいくつかありますが、口呼吸をしてしまう大きな原因として「癖」があります。
特に鼻は詰まっていないけれど、歯並びは治ったけれど、それでも口呼吸をしてしまう。
それは口呼吸の癖がついてしまっているからです。
この口呼吸の癖は、起きているときは意識して治すことが出来るのですが、寝ているときには口呼吸の癖が出てしまいます。
口呼吸をしている期間が長ければ長いほど、この癖を改善することは難しくなってきます。
ですので、口呼吸は子どものうちに治しておくのがオススメです。
口呼吸の治し方
それでは口呼吸は、一体何をすれば治すことが出来るのでしょうか?
口呼吸の治し方はいくつか種類があります。原因にあった方法で治しましょう。
鼻の通りを良くする
鼻の通りを良くすれば鼻で呼吸がしやすくなり、口呼吸が改善されます。
鼻の通りを良くするにはいくつか方法があります。
まずはアレルギーや鼻炎が原因で鼻が詰まっている人は、耳鼻科に行くことで鼻の腫れが引きます。
ですので耳鼻科で診てもらいましょう。
鼻の骨格が原因であれば、鼻孔を拡げるテープを使うことで鼻の通りが良くなります。
子どもにはオススメしませんが、大人であれば整形すると改善される場合もあります。
またアレルギーや鼻炎が原因でも、鼻孔を拡げるテープはかなり有効です。
鼻に貼るだけで驚くぐらい鼻づまりが解消されますよ。
口に貼るテープは注意が必要
口呼吸を治すテープでも、鼻を広げるテープではなく口を閉じるテープが販売されています。
この口を閉じるためのテープだけを使うことは危険です。
なぜなら、鼻が詰まっているから口呼吸をしているのに、口も閉じてしまっては酸素が足りなくなる可能性があります。
もし、口を閉じるためのテープを使うのであれば鼻を広げるテープも同時に使うべきです。
それでも、赤ちゃんや幼い子供には使わないほうが良いかと思います。
あいうべ体操をする
口呼吸を改善するために作られた口元の体操が、あいうべ体操です。
口がいつも開いている、何となく疲れやすい、だるい、やる気が起きない。手軽に、いつでもどこでも出来る健康法が知りたいアレルギー性疾患(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など)で困っている
「あいうべ体操」とは?
それを改善できるのがあいうべ体操なのです。
あいうべ体操の具体的な手順はこちらです。
- 「あ~」と口を大きく開く 口が楕円形に開くようにイメージし、のどの奥が見えるまで大きく開けましょう。「あー」
- 「い~」と口を大きく横に開く 前歯が見えて頬の筋肉が両耳のわきに寄るくらい、横にグッと開きます。きちんと開くと、首に筋肉のすじが浮き出るはずです。「いー」
- 「う~」と口を強く前に突き出す 口をしっかり閉じるための体操です。口を一文字に結ぶだけでは、さほど大きな動きになりませんが、唇をとがらかせて前方に突き出すことで、くちの周りの筋肉が収縮し、より広範囲の筋肉を鍛えることができます。「うー」
- 「べ~」と舌を突き出して下に伸ばす 舌を思い切り出すと、舌根(舌の付け根)が少し痛むかもしれません。しかし、少し刺激を感じるところまでやった方が効果的です。「べ~」
ちなみにあいうべ体操は、あいうべ体操専用の本も販売されているようです。
本格的に子どもにあいうべ体操をさせてみたい方は、購入してみてはいかがでしょうか。
またガムを食べるのも口の筋肉をつけるために有効です。
あまり甘くないガムを子どもに噛ませるのが良いですね。
キシリトールが配合されているガムは、たくさん噛むと下痢の原因となります。
筋肉をつけるためには長時間噛む必要があるのですが、キシリトールのガムを連続では噛まないようにしましょう。
歯を矯正する
口を開けてしまう原因が歯並びである場合は、歯を矯正することで口を閉じることが出来ます。
歯並びが原因ですと、あいうべ体操やテープで改善させることが困難です。
出っ歯であったり噛み合わせが悪いことで、口が開いてしまっていると思う場合は、一度歯医者で診てもらいましょう。
歯の矯正は口呼吸と同じで、大人より子どものほうが治しやすいようですよ。
常日頃から鼻で呼吸することを意識する
口呼吸の癖を無くすことも、口呼吸を治すために有効な方法です。
テープを貼って鼻通りが良くなっても口呼吸をしてしまう人や、歯並びが治っても口呼吸をしてしまう人は、口呼吸が癖になっています。
「今、口で呼吸をしてしまっている」と気がついたら、意識して口を閉じて鼻呼吸をするようにしましょう。
口呼吸をしているかだけではなく、口が開いてしまっていると気がついたら、子どもに口が開いてしまっていることを指摘しましょう。
ただし、あまり怒りすぎるのは問題です。
癖を治すことは一朝一夕で出来るわけではないので、長い期間をもって徐々に改善していきましょう。
まとめ
口呼吸は鼻呼吸に比べて何一つメリットはありません。
色々な病気の原因となってしまうでしょう。
口呼吸を治したいと思ったらまずは、口呼吸をしてしまっている原因を突き詰めましょう。
耳鼻科や歯科で口呼吸の相談をすれば、的確なアドバイスを貰えるかと思います。
原因がわかればあとは、それぞれにあった対処法を行うだけです。
その中でも鼻を広げる尾行テープはどの原因にも有効です。
厄介な口呼吸は子どものうちに治しておきましょう。
口呼吸の原因である鼻水。その鼻水を吸い取るのに便利なのが電動鼻水吸引器です。