子供への上手な叱り方と、駄目な叱り方について
子供を持つ親なら、自分の子供への叱り方について、
「本当にこれでいいの?」「正しい叱り方なの?」と疑問を持ったことがあるのでは?
親であっても完璧な人はいません。
人間ですから、つい感情的になって怒ってしまうこともあります。
子供を叱るという行為は、子供にとって時にプラスにもマイナスにもなります。
正しい叱り方をすれば、子供の成長に繋がりますし、
間違った叱り方をすれば、子供の心に悪影響を与えます。
今回は子供の正しい叱り方、間違った叱り方についてまとめました。
このページの目次
子供を叱る目的
子供が悪いことをした時や間違ったことをした時、子供を叱ることがあるかと思います。
この叱るという行為は、「目的を持って」おこなう必要があります。
その目的とは、「子供に善悪を教えて、子供の間違った行動を正すこと」です。
親が子供を叱ることで、子供は何が悪かったのかを理解し、自ら反省できるようにすることが大切です。
叱っても改善されない場合は?
1度叱って改善すれば良いのですが、何度叱っても改善されない子供もいます。
ある程度物事がわかる年頃なら、叱られている原因を理解するでしょう。
しかし子供が幼い場合、理解できないこともあります。
そのような時は、根気強く「なぜ叱られているのか?」を何度も説明しましょう。
何度も説明をすることで、次第に子供は理解していきます。
悪いことをしていると理解すれば、もうその過ちは犯さないでしょう。
上手な子供の叱り方は?
感情的に子供を怒ってしまって、後悔した経験がある人も多いのでは?
後悔したなら、「親」が改善しなくてはいけません。
感情的に怒るとのではなく、上手に叱り子供を伸ばす育て方をしましょう。
上手な子供の叱り方はこちらです。
子供の意見を聞いてから叱る
子供を叱る前に、落ち着いて考えるべきことがあります。
それは「子供がした行動には何らかの理由があったのか」と言うことです
ですのでまずは、子供に「どうしてそのような行動に至ったのか」を聞きましょう。
理由を聞かずに叱ってはいけません。
叱られていると、子供は言いたいことがあっても言えなくなります。
もしかすると、理由によっては子供を叱る必要のない行動があるかもしれません。
ですので反射的に叱るのではなく、まずは「子供の意見」を聞きましょう。
理由を説明して叱る
子供を叱る時は、
「ママが怒っている理由」
「子供の行動の何がいけなかったのか」
などの理由を説明してください。
説明をしないと、子供はなぜ自分が怒られているのか、なぜ許されない行動なのかがわかりません。
根本的な問題を理解しないまま、怒られるだけになってしまいます。
子供自身が理解ぜず反省しなかったら、また同じことの繰り返しになります。
ですので子供が理解できるように、「叱る理由」を「優しく」教えましょう。
子供と同じ目線で叱る
大人と子供の身長は、大人の方が背が高いので、子供と目をあわせると見下ろす状態になります。
自分より目線が高く、大きい人に叱られているとなると、子供からすれば威圧感を感じます。
ですので親が座って、子供の目線に合わせて叱るようにしましょう。
また子供は叱られていると、つい顔を下に向けてしまいがちです。
親が座って話す方が、うつむく子供と目線が近くなりますし、子供と目が合わせやすいでしょう。
お互いの表情もわかりますし、ママの言い分も伝わりやすくなります。
後から叱らず、その場で叱る
子供が悪いことをした時は、時間がたってから叱ったり注意したりするのではなく、その時に叱ってください。
その時に叱らないと、悪い行動をしている時の子供の感情が薄れてしまい、悪い事だったという意識も理解づらくなります。
悪い事をした時に、子供がどんな心境なのかを子供自身が理解する必要があります。
「してはいけなかった」と言うことを理解させましょう。
父が怒らず、母が叱る
一般家庭では子供と過ごす時間が長いのは、父親より母親です。
ですので子供が悪いことをしたら、すぐに叱れる状況にあるのは母親ですね、
母親が叱っているのに、父親も叱るとなると、子供は両親から叱られることになります。
両方に叱られると、子供は心の拠り所をなくします。
ですので子供にとっては、どちらか片方が「クッション」の役割をしなくてはいけません。
片方の親が叱るなら、片方の親はクッションになりましょう。
叱って改善したら褒める
子供を叱って「改善された時」は、たくさん褒めてください。
子供は、「正しく叱ること」と「褒めること」で伸びます。
正しく褒める方法については、こちらに記載しています。
ダメな叱り方(怒り方)
次にダメな叱り方を紹介します。
ダメな叱り方をすると、子供の心に傷をつけることがあります。
ですので下記のダメな叱り方をしている人は、改善するようにしましょう。
子供を無視する
叱った後に、子供を無視するという方法は避けましょう。
子供が成長した時、自分に不都合なことがあると、親や友達を無視するようになります。
もしくは無視されることが嫌で、人の顔色を伺うような性格になる可能性もあります。
無視をすることで、解決することは、何1つありません。
「無視をする」という行動は、ただ単に親が自分の感情のまま行動して、子供に嫌な思いをさせているだけです。
ですので子供を無視して、反省させようとするような行動は控えましょう。
親の感情に任せて叱る(怒る)
親もついついイラっとなってしまうこともあるかと思います。
しかし感情的になって怒ってはいけません。
感情的に怒る事は、親が自分のイライラを子供にぶつけて、ストレス発散しているだけです。
イライラを子供にぶつけることは「叱る」のではなく「怒る」ことです。
「叱る」は子供の為を思っての行動ですが、「怒る」が親のストレス発散に過ぎません。
どうしてもイライラが収まらない時は、深呼吸をして、一旦落ち着きましょう。
気持ちが落ち着くと、どうしてあの時あんなにイライラしていたのかと不思議になることもあります。
感情的になりそうな時は、まずは「冷静」になりましょう。
子供の人格を否定して叱る
子供を叱る時に、子供の人格・存在を否定してはいけません。
人格や存在を否定されると、子供は自己肯定感が低くなってしまいます。
自己肯定感とは「自分を肯定する感覚」で、「自分は大切な存在だ」と感じられることを言います。
ですので自己肯定感が高いと、「自分は大切な存在だ・価値ある存在だ」と感じられます。
しかし自己肯定感が低いと、「自分はちっぽけな人間だ・自分は価値のない存在だ」と、悲観的になりやすい傾向にあります。
【子供を否定する言葉例】
- 何をやってもダメね!
- あんたなんか邪魔!
- 生まれてこなければよかったのに!
- 違う子が良い!
このような子供の人格・存在を否定する発言は、子供の自己肯定感が低くなる結果を招きますのでやめましょう。
子供に恐怖心を与えて怒る
激しく声を荒げたり物を投げたり、暴れて怒ったりすると、子供に恐怖心を植え付けます。
「叱ること」は子供に何が悪いかを教えること、理解させることです。
ですので子供に恐怖心を植え付ける必要はありません。
また子供が小さい頃は、恐怖心から親の言うことを聞きますが、大きくなった時に反発心が生まれます。
ですので子供に恐怖心を植え付けるような怒り方はやめましょう。
親の評価を気にして子供を叱る
子供の行動が悪いから叱るのではなく、周りからの親の評価を気にして叱るのはやめましょう。
例えば、「○○のせいでママが怒られるでしょう!」「○○のせいでママは恥かいたわ!」など、親が親の評価を気にして子供に叱る行動です。
本当は子供の為を思っているときでも、上記のような怒り方をしてはいけません。
子供が「悪いことをしたから」怒られているのではなく、「親の評価が下がるから」怒られているのだと勘違いします。
体罰は良いの?悪いの?
体罰にも程度があります。
子供の顔を平手打ちする・頭を殴る・蹴るなどの行為は体罰です。
また叱る時に軽く手の甲をパチンと叩くこと・おしりを軽く叩くこと、これも体の一部を叩いているわけですから、体罰の1つです。
子供が友達を叩いたから、子供を叩いて、痛いということをわからせる、と言う考えの人もいるでしょう。
それは間違った叱り方とは思いません。
しかし体罰の程度にもよりますし、親の感情で子供を叩くことは体罰ではなく暴力です。
虐待と言われても仕方ないような体罰はやめましょう。
叱ると怒るを使い分ける
「怒る」と「叱る」は子供をしつける時、よく使われる言葉です。
しかし、「怒る」と「叱る」は意味が違うのです。
叱るとは、子供のために、何がいけないのかを冷静に話して成長に導くことです。
怒るとは、感情に任せて言葉を発してしまうことです。
子供に対しては「怒る」のではなく、「叱る」必要があります。
怒る感情を子供にぶつけても、改善されません。
ですので、叱って子供が「何が間違っていたのか」を理解できるように導きましょう。
叱られずに育った子供はどうなる?
「叱らない子育て」が話題になっています。
「叱らない子育」ては、簡単に言うと「ガミガミ叱らない」子育て方です。
それでは、どのようにして子供に注意をするのかと言うと、
「悪い行動に対し、どういけなかったのかを落ち着いて説明」して叱るのです。
つまり全く叱らないわけではありません。
しかし「叱らない子育て」の意味を履き違えている親がいます。
「叱らない子育て」とは本当に何も叱らない子育てと思っているのです。
子供を叱ることなく育てると言うのは、ただ甘やかして育てることに変わりありません。
叱られることに慣れていない子供が、社会に出た時どうなるでしょう。
先生や会社の上司等に叱られる状況になった時、打たれ弱く、すぐ落ち込んでしまうことでしょう。
善悪の認識も薄くなります。
ですので子供が悪いことをしたら、子供のために叱る必要があるのです。
まとめ
子育てにおいて、子供が悪いことをしたら叱らなくてはいけません。
その叱り方は、感情的に、威嚇的にするものではありません。
感情的に怒っても、子供に恐怖心を与えてしまうだけで、根本的な解決にはなりません。
このページで紹介した「正しい叱り方」を参考にし、「間違った叱り方」をしないように改善しましょう。
上手な子供の叱り方は、まず子供の意見を聞き・共感してから、何が悪かったのかを教えます。
子ども自身が「何が悪かったのか」を理解し、「してはいけない」ことだと「自ら」気がつくのが理想です。
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